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シナリオメイクについて |
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●シナリオメイクの一例 |
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Phase \
ワールドガイダンス
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シナリオパーツ |
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山場となる戦闘のシチュエーションやギミック、謎解きや物語のギミックなど、プレイヤーに楽しんでもらうためのシナリオの最大の山場を考える |
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この章では、本作をプレイするためのシナリオを用意するため、そのギミックや構成の手助けとなるよう、世界観の中からシナリオに深くかかわるであろう要素をピックアップして解説していきます。
また、PCがプレイをこなし、シナリオ目的を達成することで得られる報酬や、キャラクターの成長についてもまとめましたので、一連のセッションの流れの参考にしていただければ幸いです。
なお、ここに挙げた各種設定は、あくまで著者が想定した『R-TYPE TRPG』の世界観であり、絶対のものではありません。むしろ遊んでいただく際には、時代設定を2191年ではなく第一次バイドミッションの時代にしたり、流星派が迷い込んだ現世界という世界の設定そのものをより『R-TYPE』原作に近いものに変えていただいたりしても、まったく問題ありません。プレイヤー、ならびにGMの皆さんの想像力で、より面白いセッションにできるよう、世界観についても大いにアイデアを膨らませてください。 |
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その山場に至るまでのシナリオの大まかな流れや構成を、時間配分も考えて構成する。
プレイヤーの考え方次第で分岐するであろう、物語の別の流れもある程度想定しておく |
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大まかな流れがまとまったところで、敵や登場NPCの能力、PCに支払われる報酬など、細かなデータを設定する |
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※『R-TYPES
レトロゲーム
ミュージックコレクションEX』
ブックレットより |
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079 |
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宇宙という舞台 |
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「バイド」の存在と認識 |
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●両世界や勢力での認識の違い |
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現世界と流星派世界の人間の間には、バイドに関しても大きな認識の違いがあります。流星派の世界はバイドによって多大な被害を最悪の時期には1年ごとに受けており、バイドへの底知れぬ憎しみを抱えた人間が数多く存在することでしょう。しかし現世界の人類は(ジェイド=ロスの犠牲という尊いものすら忘れかけつつ)バイドへの警戒心がまだ薄く、この認識の違いもまた、現世界と流星派世界の隔たりとなっています。
また、グランゼーラ革命軍はバイドはもちろん、バイドに対抗するためにバイドを利用することにも拒絶を示して徹底排斥を訴えていますが、TEAM R-TYPEはバイドを高次の進化した生命と捉え、利用すべきものと考えています。このようにバイドに対する考え方の違いを考察してみても、シナリオのヒントが生まれるかも知れません。 |
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本作では2191年、現実からほんの少しだけ遠い未来の世界が舞台となります。
しかし『R-TYPE』の世界では第一次バイドミッション以降、年単位でバイドの大規模襲撃が続いており、技術発展のほとんどは軍事利用、すなわちR戦闘機とその支援兵器の完成のためにあったといっても過言ではないでしょう。そのため、この世界の技術進歩は、かなり「ちぐはぐ」になっています。
たとえば戦闘機戦闘の索敵ルールからも分かる通り、宇宙空間における航法技術はバイドとの次元戦闘に特化しています。そのため、ほかの戦闘兵器とは比べ物にならない索敵能力と反応力を持つR戦闘機でも、それよりも数段発達している機体の速度と順応性により、R戦闘機同士の超高速戦での索敵、ならびに有視界戦闘はほぼ不可能なのです。
ほかにも兵士が持つ主武器は未だに炸薬を用いた弾丸を撃つ銃であったり、大気圏内で飛行可能なザイオング慣性制御による重力制御飛行をするビーグルの下をガソリンエンジン車が走っていたりと、実にちぐはぐな光景が多く見られるはずです。
生活様式についても、火星やほかの居住スペースコロニーは地球とまったく同じ環境になっており、ほとんど現代のものと変わりません。ただし人間とほぼ見た目の変わらないお手伝いロボットがいたり、我々と同じものを食べているようでその一部が合成食料だったりと、技術進歩の片鱗は数多く見られます。
我々が思い描く、今とは少し違っていろいろと便利になった未来。
そのような未来像を想像していただければ、おそらくこの世界の世界観は掴んでいただけるでしょう。無論、こうした技術面についての設定を考え、シナリオに生かすのもアリです。
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この世界で特に異質な存在、侵略者「バイド」については、この現世界では一般市民の間では地球連合軍の情報統制により、「あらゆる機械や生物に侵食・増殖する恐ろしい敵」「R戦闘機が彼らを倒せる切り札」といった程度にしか伝わってはいません(注:シューター世界ではバイドの火星侵攻により多大な被害が出ましたが、現世界ではスペースコロニー・エバーグリーンの侵食と落下以外は民間への大きな被害はなかったため、市民のバイドへの警戒レベルは多少低くなっています)。
また、軍人であっても佐官以下くらいまでの人物では、バイドが恐るべき敵であることは教練や軍学校で何度も教わっていても、その真の正体……バイドが26世紀人の産物であるという事実は、知りようがありません。この事実を知っているのは地球連合軍やグランゼーラ革命軍のほんの一握りのトップクラスの人間、そしてTEAM R-TYPEの最上層部の人間のみでしょう。
ただし、流星派世界ではバイドの正体についての研究もかなり進んでいたため、この事実を知っている人間はこちらの世界よりも少しで多めのようです。
どうにしろ、バイドに対する全人類の認識は一つとも結論付けられます。……すなわち、「敵」です。意志もなく(本当は確固たる一つの意思を持っていますが……)、道すがらのすべての存在を滅ぼしていく彼らに対して、友好論を唱えるものなど気の狂った宗教家くらいのものでしょう。彼らは滅すべき敵、それ以外の何者でもありません。 |
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※『R-TYPE』より |
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シナリオとロールプレイ |
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戦闘バランス |
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●敵パイロットの能力値 |
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敵がバイドの場合はパイロットがいないので、機体の能力値がそのままGM側機体の能力になりますが、有人R戦闘機の場合は当然、パイロットの能力値が機体能力に加算されます。
キャラクターメイキングでNPCとして敵パイロットを作る(物語に深くかかわる人物などは特に)のが最適ですが、一般パイロットすべての能力値を設定するのは多大な負担となるでしょう。この場合、一般パイロットの能力値は、以下の計算式で簡易設定してください。
・肉体値、敏捷値、知性値、外交値=すべて20+(PC内で一番高い作戦成功数×2)
なお、一般パイロットにスキルを持たせるかは、GMの判断に委ねられます。処理が煩雑になるため、消費なしで効果が常時発動する特殊スキル(サイバーコネクトなど)がオススメです。 |
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本作でプレイするシナリオを作成する場合、中心となるのは当然ながらR戦闘機での戦闘になります。
しかし本作はウォーシミュレーションゲームではなく、TRPGです。R戦闘機の戦闘に至るまでのPCたちの行動やロールプレイに対しては、ゲーム上でも相応の反映、評価をするべきでしょう。
しかしTRPGでドラマを演出するのは、あくまで主人公たちであるPCの役目です。GM側からは誘導こそ推奨しますが、シナリオ上でドラマを強制するのはあまりオススメできません。
具体的には、R戦闘機戦闘に入るまでのシナリオの流れに、以下のようなギミックを加えておくことを推奨します。
●PCたちの行動(情報収集、事前工作など)により、R戦闘機戦闘の場面で出現する敵機が減ったり、弱体化したりするようにする
●R戦闘機戦闘の前に、状況がNPCとの交流などを通じて戦況をより詳細にPCへと伝わるようにし、戦闘で負けるわけにはいかない理由を演出する
GM経験が少ない人には難しく感じられるかも知れませんが、能力だけでなく人格や設定を持つNPCをなんとなく出しておいたり、上記のような単に「これを達成すれば戦闘が有利になる」といった目標を設定しておくだけでも、プレイヤーがそれをロールプレイの材料にし、自然とドラマティックに演出してくれるはずです。
あと、R戦闘機での戦闘は長考が増え、セッション時間が長くなる可能性が大なので、ほかの部分のセッション時間は短めになるよう、ロールプレイギミックは盛り込みすぎない方がいいでしょう。 |
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R戦闘機での戦闘は本作の華ですが、どれくらいの敵を用意すればいいのかが難しいところでしょう。
PCの部隊と同じ実力、同じ構成の敵部隊を出せばデータ上のバランスは取れるでしょうが、その場合複数のプレイヤーが考えをまとめていくことができるPC側に対して、一人で全機体を操作するGM側は不利になってしまいます。
基本的にはGM側は、PC部隊の主力機体に対して、3〜4倍の数の敵機を用意することを推奨します。
ただし、部隊の編成はある程度偏って特徴が尖っているものにし(高機動の機体、遠距離機体など、同じコンセプトの機体が部隊のほとんどを占めるなど)、マップ上では縦に広く分散して配置するようにすべきです。もちろん手強い部隊が相手というなら、前衛に回避力、防御力に優れた機体を配置し、後ろに遠距離支援機体を置く……などといった戦術を組み込むのも面白いでしょう。
GM側の部隊を偏った特徴にすることで、PC側は「ならこんな戦法で……」と戦術を考えやすくなり、戦術を考える楽しさがTRPGやウォーゲーム初心者でも味わいやすくなります。
また、GM側部隊が分散しやすいように、下図のようにマップはシート類項目にあるヘクスシートを、最低でも縦2枚は連結したものにするべきでしょう。 |
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●敵パイロットの残機ポイント |
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残機ポイントについては、キャラクターメイキングルールで作られていない一般のパイロット(敵味方問わず)は、所持点数0として扱います。
なお、シナリオの鍵となるようなエースパイロットなどの強敵には、以下の点数までの残機ポイントがあることにしてもGMは構いません。
・エースの残機ポイント=(PC内で一番高い作戦成功数+1)点
もちろん、このエースの残機ポイントはGMの裁量で、さらに増減させても構いません。 また、設定次第では、一般パイロットにも残機ポイントを1〜2点持たせてもいいでしょう。たとえば精鋭部隊のパイロットたちであるとか、全員がバイドに侵食されている(!)などです。 |
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●勝利条件の設定 |
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●A級バイドと増援の扱い |
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R戦闘機での戦闘シーンでは、シナリオを作成する段階でGMは明確な勝利条件を必ず設定し、戦闘を開始する前にそれを明示してください。
なお、お勧めしたい勝利・敗北条件は、以下の通りです。
●敵の殲滅、味方の全滅
●相手陣営の母艦(戦闘開始時に艦船の中から1機設定する)の撃墜
●制限ターン数の経過
●特定の施設の占拠
これらの勝利・敗北条件は、組み合わせても構いません。特に「制限ターンの経過」は、常に勝利条件として設定してもいいでしょう。制限ターン数がない、あるいは非常に長い場合、PC側はチャージ武器が溜まるまで敵に近づかず、溜まったら近づいて発射、また逃げてチャージ……という消極的な戦法を取る可能性があり、こうなると戦闘の面白みがまったく無くなります。
制限ターン数は、20〜30ターン程度にするのがお勧めです。移動を阻害する地形やヘクスが多かったり、大型のバイドや手強いエースパイロットが出現するミッションなら、最大の30ターンに設定するべきでしょう。
また、制限ターン数は、シナリオの物語ともリンクさせた方が、プレイヤーのモチベーション向上に繋がります。「制限ターン数が過ぎてしまうと、敵に捕らわれたNPCが救助できない」などといった設定を用意すれば、プレイヤーは強行手段など、よりドラマティックなロールプレイを見せてくれるかも知れません。
その応用として、「クリアターン数で物語の展開が変わる」という形式も考えられます。何ターンでどんな結果になるかは伏せておくと、さらに戦闘は盛り上がることでしょう。ただしこれはプレイヤーの過度の暴走にも繋がりかねないので、初心者CMやプレイヤーにはお勧めできません。 |
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R戦闘機での戦闘の最後に、待ち構える巨大なA級バイドを出現させる(本ルールブックのデータや『R-TYPE』シリーズの原作ゲームを参考に、GMが自作するのをオススメします)ギミックは、プレイヤーに衝撃を与えるとともに、倒すことで大きな快感を与える要素となります。ただしシューティングやシミュレーションゲームをプレイ済みの方には分かるでしょうが、ほとんど移動しないA級バイドは、距離をとって慎重に戦うと、かなり楽に対処できてしまう相手ともなります。
A級バイドなどの最終ボスとの戦闘により緊張感を出したい場合、時間経過とともにマップの特定の位置から、敵の増援が出現するように設定することをお勧めします。広大なA級バイドの索敵範囲に支えられた敵の増援機体は、出現するだけでPC側にとっては大きな脅威となるでしょう。
増援の頻度と数としては、通常ならばチャージ武器のチャージ時間と同じ3〜4ターンごとに、PCの機体数と同じだけの数を出現させるのが標準となります。
ボス相手に使うはずだったチャージ武器のチャージを、出現した増援に止められてしまわないか……などという緊張感はもちろん、その出現までのターンや数を前もってプレイヤー側に宣告すれば、「増援出現までになんとかボスを倒せないか?」などと、よりプレイヤー側に戦術の選択肢を与えることが(時には大きな制限ともなり得ますが……)でき、戦闘シーンを引き締めることができるでしょう。 |
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現在の太陽系の情勢 |
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●地球連合・軍の中心人物 |
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●地球連合関連のシナリオの一例 |
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カズマ=クジョウ連合議長
(64歳、男性)
現・地球連合のトップである連合首脳会談議長。流星派世界では壊滅したアジア東端の島国・日本は現世界では健在であり、日本のイシカワ県・カナザワの邸宅から各議題を取りまとめ、決定を下している。
市民からは冷静な治政者として概ね好評を得ているが、現在地球連合は軍閥化が進んでおり、彼が傀儡である可能性もある。あるいは、彼自身はその軍閥化を食い止めようとしているのかも知れない。その真偽は謎のままであり、その真相を突き止める人物がPCたちとなる可能性もある。
ジェラルド・マッケラン大将
(43歳、男性)
若くして最前線での数々の戦果により、中尉から大将まで上り詰めた人物で、非常に暑苦しい熱血漢。正義感が強く実直で、かつ部下思いのため、部下からの厚い信頼と、戦況の見極めの天賦の才あってこその昇進だったとも言える。冷静な副官、ディートリヒ・アッテルベリ大佐(42歳、男性)との、長短を互いに補う昔からのコンビは今なお有名。
傭兵にも分け隔てなく接するため、自由傭兵各隊との繋がりも強い。
ヒロコ・F・ガザロフ中将
(42歳、女性)
作戦立案能力においては地球連合きっての女傑と評される、連合軍司令部の要である人物。敏腕の諜報局局長、ディアナ・ベラーノ大佐(43歳、女性)との繋がりも強く、軍内部でも機密レベルが高い任務はほとんどが彼女を介したものである。
秘密裏に行われるべき任務の伝達や、外部の自由傭兵などへの依頼などで、比較的外部の人間とも接触する機会が多い。 |
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・グランゼーラ革命軍の部隊を確認。地球連合軍所属のPC、あるいは戦力難の地域においては自由傭兵部隊のPC部隊に対し、その行動目的の調査、ならびに殲滅の命令が下る。 |
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人類はバイドとの交戦のため、太陽系外へと進出する手段(冥王星基地グリトニルの太陽系外跳躍施設など)を持ちながらも、太陽系内にその生活圏を留めざるを得ずにいます。
次元航法推進システムという超高速移動手段を得た人類にとって、太陽系はもはや狭いと言えるのでしょうが(各惑星間は独自の次元航行ルートの確立により、距離を問わず約3日間で移動できます)、バイドが、そして万が一ですが、バイドよりも恐ろしい外敵が存在するかも知れない太陽系外……そこへ人類が飛び出すのは、まずはバイドを完全に駆逐できてからとなるでしょう。
ここでは以降、そんな太陽系内にひしめいて存在する各勢力の現状と、その勢力に組することでどのようなミッションが生じ、どのようなセッションのシナリオが生まれ得るのかを解説していきます。 |
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・治安維持のために、宇宙海賊の掃討命令が下る。暗礁宙域に隠れ住む彼らを発見できるか? |
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・市民にまぎれた不穏分子の情報をもとに、そのアジトを探し出す。だがその抹殺は、徹底した弾圧は、本当に正義なのだろうか? |
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・平和なスペースコロニーの宙域にバイドが出現。市民の平穏を守るためにも、一体たりともコロニーへの侵入を許してはならない。 |
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地球連合 |
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勢力圏:太陽系中心域
(水星〜木星軌道周辺、中心は月と火星) |
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主な居住地域:地球、月面、火星、各スペースコロニー |
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全同盟国数百億の総人口をまとめ上げる地球連合、その勢力圏は木星圏にまで渡る広大なものです。広大、かつ軍閥による徹底的な体制が過ぎ、各地に不穏分子が潜む形にもなっていますが、市民の生活はジェイド=ロス提督の活躍によりバイドの脅威も(表向きは)去ったことで、平穏、かつ豊かな水準を取り戻しています。
しかしその分、この地球連合の生活圏では、ほかの勢力圏と比べて市民に不安や動揺を与える軍事行動は機密レベルが高い扱いになります。いかなる軍事行動も、極力秘密裏に行わねばなりません。 |
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※『R-TYPE FINAL』GALLERYより |
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083 |
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グランゼーラ革命政府 |
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クロード・ロウ大将
(44歳、男性)
グランゼーラ革命政府の士官養成機関を首席で卒業した経歴を持つ、エリート軍人。自身の能力に絶対の自信を持っており、他者を低く見る傾向がある。
実際能力は高く、革命軍の末端現場は彼の指示によって統率される。物量で劣る革命軍にとって最重要である「引き際」に関しては特に優秀で、末端兵士の信頼は厚い。また本人は隠れた努力家であり、同じく努力を怠らない者には評価を惜しまない(もっとも、彼に言わせればそれでも彼以下であるが)。性格上他者との衝突も多いので、それをフォローする副官のリョータ・ワイアット大佐(37歳、男性)の苦労は絶えず、彼が口論の狭間でおろおろする姿はもはや名物。 |
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流星派臨時政府(SSS) |
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勢力圏:木星基地ゲイルロズ〜
冥王星基地グリトニルの宙域(太陽系外周部) |
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勢力圏:土星周辺
(超級宇宙戦艦MO-2) |
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主な居住地域:ゲイルロズ、グリトニル
他各惑星都市に潜伏拠点多数 |
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主な居住地域:MO-2居住区、太陽系全域 |
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バイド兵器廃絶の運動から始まり、独立政府としての宣言にまで至った一大抵抗勢力。現在、地球連合と対等に敵対できている現世界の勢力は、このグランゼーラが唯一であると言っても過言ではありません。
彼らは太陽系内で最重要の拠点であるゲイルロズとグリトニルを抑えていることで、物量的には地球連合に圧倒的に差を付けられながらも、互角に戦い続けています。バイド兵器を使わないという性質上、開発される兵器もそれを補うために多種多様です。
革命政府の中核はグリトニルにあり、多くの賛同市民はゲイルロズやグリトニル周辺の居住施設に移住していますが、数多くの工作員、あるいはひそかにその主義に賛同する市民が、地球連合の勢力圏には正確に把握できないほどの規模で潜んでいます。 |
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最終作戦”Last Dance”に投入された後方支援部隊、その中核であった全長38460mの超級宇宙戦艦・「MO-2」(銀河級戦艦という超ド級構想のMO-1計画から派生し実現した戦艦)は、元はバイドから逃れ人類種を保存するための太陽系脱出艦であり、居住性能にも優れています。そのためスペースコロニーとほぼ同等の大きさであるこの艦は、現在流星派の主要都市コロニーとして約5万人の人口を抱えながら機能しつつ(想定では20万人まで居住可能)、艦載兵器による規格外の防衛力で他勢力をけん制し続けています。
元は流星派の軍属乗組員しかMO-2には搭乗していませんでしたが、その大半が次元転移後は除隊し、一般市民としてMO-2や、太陽系の他宙域で生活を始めます。流星派世界よりも豊かで、バイドの脅威が少ないこの世界を見て、平穏を望んだのも当然のことです。今では現世界人も1万人前後がこの「新天地」に移住しており、他惑星との通商も盛んになっています。
なお、流星派政府の上層部では現在穏健派と過激派が拮抗しており、他勢力への干渉どころではない状態であることは公然の秘密です。この均衡が破れた時、MO-2の主砲、惑星群破壊波動砲の砲門がどこへ向けられるか……それは今は、誰も知る由がありません。 |
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●革命軍関連のシナリオ一例 |
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・地球連合軍の新型バイド兵器の運用試験が行われるとの情報を入手。革命軍の意思を広く知らしめるためにも、これを撃破せねばならない。 |
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・地球連合の動向を探っていたスパイとの連絡が途絶えた。彼(彼女)と所有する重要な情報を奪還すべく、潜入工作、戦闘機での強硬離脱を完遂せよ。 |
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●グランゼーラ革命政府・軍の中心人物 |
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エマ・クロフォード元帥
(41歳、女性)
英雄・ハルバー司令の後を継ぎ、グランゼーラ革命軍を率いる人物。ハルバー司令とは何らかの縁故関係があったと言われているが、真相は不明。
実質、グランゼーラ革命政府の最高権力者であるが、常に軍事行動の最前線にその身を置いているため、政治面の所用は外見に反してしっかり者の秘書、アイリ・ヒューゲル大佐(36歳……にしては幼く見える、女性)に任せきりとなっている。
鉄面皮でも有名で、彼女が笑ったところを見た人物はいない。 |
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・太陽系外周部に潜むバイド群の一部が、グリトニルへ接近。地球連合軍をも恐れさせる、得意の拠点防衛戦術を展開せよ。 |
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・まったく新機軸の兵器の、運用実験に参加するよう命令される。当初は模擬戦だったはずが、新兵器は暴走を始めた。この兵器を止める方法とは? |
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084 |
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●流星派政府・軍の中心人物 |
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TEAM R-TYPE |
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太陽系解放同盟 |
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ヴィークトル・グレゴビッチ・プガチョーフ
(66歳、男性)
現流星派のトップである、臨時政府首相。元は"Last Dance"の現場全権を統括する作戦司令としてMO-2に乗艦していたため、現在も軍と政府の両方の手綱を握っている人物である。
R-7のテストパイロットとして人類のために光に消えた父、ミコヤン・グレゴビッチを尊敬し、その息子としてではなく父自身の遺志を継ぐ者として、父の名を父称にはせず、父が使っていた父称をそのまま継承している。その人生の目標は、もちろんバイドの完全殲滅である。その目標のためにも、一刻も早く流星派世界への帰還手段を見つけることが第一、と公言している(この世界のバイドを根絶しても我々艦隊にとっては意味がないとも公言している)。
当然現世界での覇権などにはまったく興味を示しておらず、穏健派の筆頭でもある。
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勢力圏:地球連合勢力圏
(本拠地は不明) |
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勢力圏:太陽系外
(本拠地は不明) |
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主な居住地域:各地の研究所 |
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主な居住地域:不明 |
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地球連合軍所属の特殊研究機関で、R戦闘機の開発を一手に引き受ける、人類の未来を担う機関です。しかしその機密性の高さは尋常ではなく、滅多にその機関員が表舞台に出てくることはなく、その総責任者の素性もまったく不明のままです。
さらにバイド体そのものを扱うほか、バイドに勝つためには四肢切断などのように手段を選ばないその研究姿勢から変態的なマッドサイエンティスト集団とも見られており、特にパイロットたちには恐れられる存在です。
また、最近になって流星派側の艦船に同乗していた流星派世界のTEAM
R-TYPE(この世界のTEAMよりもさらに非人道的と言われています)が現世界のTEAMに合流したとの噂もあり、今後何を起こすのか予想がつかない研究機関であると言えます。 |
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2177年、太陽系内の不和を煽りに煽った後、グリトニルの施設を用いて艦隊を率い太陽系外に脱出したキースン大将と、その一派が名乗る謎の組織、それがこの太陽系解放同盟です。太陽系脱出前に彼らは独立宣言を為し、さらにバイドを直接洗脳・操作する「BBS(バイド・バインド・システム)」を所有していることもまた宣言しました。彼らを地球連合やグランゼーラ革命軍が追撃できなかった理由も、そのBBSの真相が分からず、彼らの戦力が未知数であったこと、そして太陽系外が危険すぎることに起因します。
彼らが何のためにこのようなことをしたのか、そして今はどうなっているのか、その全ては謎のままです。しかしある日突然、太陽系内にフォースのようにコントロールロッドを埋め込まれたバイドの大軍が攻め入ってくることも十分に考えられます。人類に統率されたバイド……それは同じ人類にとって、まさに最悪の兵器、最悪の受難となるでしょう。 |
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●流星派関連のシナリオ一例 |
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・MO-2周辺宙域にて、地球連合軍と革命軍の衝突が発生。愚かしい彼らには、流星派の宙域の平穏を乱したことに対する罰と教訓を与えねばならない。両軍全機を、速やかに殲滅せよ。 |
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●TEAM R-TYPEのシナリオ一例 |
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・バイド体を最大限に活用した新機体が完成。その栄えあるテストパイロットとして選ばれた人物が、なぜか逃走した。彼の身柄を確保せよ。それができなくば、テストパイロットの代役をPCに務めてもらうことになる。 |
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●太陽系解放同盟の中心人物 |
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・過激派の一派が活動を開始、地球連合への挑発行為とテロによる上層部の脅迫計画を始動した。テロ行為を未然に阻止し、さらに挑発行為に向かった艦隊を殲滅せよ。 |
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キースン大将
(??歳、男性)
グランゼーラ革命軍の中核人物として活躍したが、その実、裏工作に暗躍していた人物。カトー大佐という副官がいたという程度の情報しか、現在は残されていない(公式記録はすべてキースン大将の手で脱出前に消去されている)。
過酷な環境の太陽系外でまだ彼が生存していると言うのなら、バイドの最大限活用を考えていた彼が今なお「人間」でいるのかどうかは、疑問が残るところである。 |
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・より強力なR戦闘機を開発するために、A級バイドのバイド体が必要となった。極秘裏のうちに撃破、その体組織を捕獲せよ。 |
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・亜空間ワープの出力をさらに高める素材、エーテリウムの大鉱脈が発見された。元の世界へ戻るための鍵ともなりうるこの資源を、バイドや他勢力から守らねばならない。 |
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自由傭兵と宇宙海賊 |
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主要都市の一例 |
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月面都市セレーネ |
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月面、地球側に広がる広大な都市。太陽系で最も繁栄している都市のひとつで、地球連合側と契約した自由傭兵の出入りも多い。 |
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どの軍にも所属しない武装勢力としては、他には自由傭兵と宇宙海賊が挙げられます。
自由傭兵はその名の通り、各勢力に金銭などで雇われ、一時戦力として活躍する部隊です。金額によって寝返るような部隊は、戦場では長生きできなくて当然ですので、自由とは言いつつもかなり義理堅い連中が多いのが特徴ですが、今のところ各勢力の正規軍は拮抗状態の中で傭兵を雇うような考えを基本的には持っておらず、地方の軍基地が不穏分子や宇宙海賊、あるいはバイドの討伐のために雇ったり、惑星間取引を担う商隊が護衛のために雇ったりすることがほとんどです。
宇宙海賊はその名の通り、R戦闘機を用いた海賊行為という恐ろしい行為を生業とする者たちです。自由気ままな彼らは特に結託なども考えず、勢力圏も被らず太陽系内にまばらとなっているため、今のところ軍が本格的に問題視するような大勢力は生まれていません。しかし中央から離れた辺境宙域の駐屯軍にとっては、彼らの存在はバイド以上に悩みの種となっています。 |
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以下、太陽系内に存在するこの世界での主要都市とその特徴についてまとめましたので、セッションの参考にしていただけると幸いです。
なお、各惑星間の移動については前述の通り、隣り合う惑星間でしたら次元航法推進システムの恩恵により、亜空間の状況によりますがすべて約3日で可能です。たとえば地球から火星へは3日、地球から木星へは(火星を挟んで)6日ほどの行程になります。 |
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月面基地ルナベース6 |
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月面のうち、地球から見て裏側に位置する区域にある地球連合軍事基地と、その周辺施設。地球防衛線の最重要拠点であり、軍の主要人物や主戦力も数多く駐留している。 |
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ノートニー |
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火星基地チューリン |
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地球の北半球、ヨーロッパ大陸南西半島部(ポルトガル)に建造された巨大商業都市。しかし今は宇宙圏に主な交易の場が移ったことで交易は寂れており、地球随一のベッドタウンとなっている。 |
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火星の天然渓谷を使用して作られた、地球連合軍の軍事基地と居住区域。火星の資源採掘基地とも隣接しており、監督任務も担っている。採掘所労働者に対する圧力はかなりのもので、労働者の不満は常に高い。 |
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イシュガルド |
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地球の南半球、オーストラリア大陸北東部に位置する都市。古い歴史と、最新の居住空間が共存する街で、観光客も多い。 |
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火星都市グラン・ゼーラ |
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元は中心の商業地区、周辺の工業地区で構成され賑わっていた、火星主要都市。グランゼーラ革命軍発祥の地であり、現在は地球連合軍によって戒厳令が敷かれている。 |
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ケニーロケン |
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地球の太平洋上、ハワイ諸島に建造された巨大人工島。珊瑚礁などの自然環境を保全しつつ一大観光都市として成功しており、大きな戦争のない昨今はリゾート需要も復活しつつある。 |
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木星衛星基地ユートピネル |
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木星の衛星軌道上に浮かぶ資源の備蓄施設と、交易用の宇宙港で構成された基地。付近にゲイルロズが存在するが、協定によりこの基地周辺は中立地帯となっている。水素の取引量では太陽系で最大の基地である。 |
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エバーグリーン |
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太平洋上にバイドの襲撃により大破、墜落したスペースコロニー。巨大な慰霊碑として残されている。 |
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※『R-TYPE FINAL』GALLERYより |
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木星衛星都市ゼ・ウースル |
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通貨と部隊のやりくり |
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●部隊維持費用と個人の資金 |
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木星軌道上の中立交易都市。太陽系内周部と外周部の境の交易場所として、セレーネと同じかそれ以上に賑わっている。太陽系で最も権威がある学術機関、ジュピター・アカデミーもこの街にある。 |
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R戦闘機や戦艦などを整備、維持していくには、その辺もかなり従来の兵器から改善されているとはいえ、それだけで費用が必要となります。まずはその維持費だけで、以下の金額を一回の出撃ごとに消費します。 |
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プレイする際に情勢に続いて気になるのは、PCたちが何のために戦っているのか、そして戦って得られるものが何なのかということでしょう。
軍に所属しているPCならば、そのような報酬を考えるより先に軍への貢献を考えて然るべきですが、自由傭兵などともなると話は違います。そう、報酬……金銭のことが気になるところです。
地球連合の権力がけた違いに強い現在の太陽系内では、各惑星都市部では地球で主に流通しているアメリカドルと同じレートを設定された、各惑星のドル(火星ドル、木星ドル)などが流通していますが、同じレートを設定された外貨をいちいち惑星間取引などで両替していったりすることは、通商の妨げでしかありません。
そこで宇宙での取引には、地球連合も認めている惑星間取引用電子外貨、「coin」と「credit」が使用されることがほとんどです。1coinは現代の日本円でいうところの100円、1ドルに相当します。そして1creditは、10000coinに相当します。通貨価値については我々の近代とほぼ同等で、例えば1coin支払えば350mlのドリンクが自動販売機で買えます。
これらは硬貨や紙幣としての形を持たず、電子マネーとして流通し、広く愛用されています。地球ではほとんど流通していないのですが、一度月や火星の居住区に出れば、自動販売機からスーパーマーケットまで、ほとんどの施設でこのcoinは使用可能です。オートメーションされた各種自動販売機コーナーで、ずらりと並ぶ販売筐体の案内画面すべてに「INSERT COIN(S)」と表示されているという光景は、宇宙では当たり前の光景となっています。大きな取引では、厳重なデータプロテクトで固められたcreditの出番となるでしょう。金融機関を介さずとも電送が可能な、万能の通貨です。 |
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木星衛星基地ゲイルロズ |
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グランゼーラ革命軍の太陽系内周最重要拠点。高い防衛力を持つ堅牢な基地で、地球連合軍の奪還作戦はことごとく失敗している。 |
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(部隊が所有する戦闘機の数)×0.1credit
※戦艦は(占有ヘクス数)機分の戦闘機として扱う |
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上記の費用は正規軍なら、一戦闘ごとに申請するたび受理され、支払われるので問題はありません。軍備増強用の一時費用なども、申請すれば階級相応に通るはずです。
隊員の給料についても、正規軍なら月ごとに家族を十分に養える額が、当然階級ごとに異なる額ですが支払われますが、これらは生活費と考えるため、セッション中には自由に使うことはできません。
正規軍のパイロットの場合、1シナリオで好きに使える金額は以下の金額までとしてください。 |
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超級宇宙戦艦MO-2 |
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"Last Dance"後方支援艦隊の旗艦、全長約38kmの戦艦。広大な居住区には10万近い人間が出入りしている開かれた都市で、中立協定はないがこの化け物じみた戦艦に攻撃を仕掛けるような勢力は存在しない(テロを仕掛けようとする者はいるかも知れないが、内部からの核兵器をもってしてもこの艦は轟沈しないため、最新鋭の警備システムを掻い潜る労力や、その後の報復を考えれば見合わないとされる)。 |
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500coin×階級ボーナス
※階級ボーナス=二等兵を1.0として、階級が1上がるごとに0.1ずつ加算する。さらに尉官なら×2、佐官なら×4、将官なら×10、元帥は×20 |
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冥王星基地グリトニル |
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グランゼーラ革命軍が占拠する、太陽系外周最大の基地。太陽系外へと長距離ワープを行うための跳躍施設はこの基地にしかなく、現在は使用されていない。 |
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自由傭兵の場合、一回の戦闘ごとに上記の維持費の申請のほか、戦闘手当を申請できます。しかし艦内の乗組員の基本給などにより、その分はとんとんになってしまうことがほとんどです。
各乗組員の自由になる金についても、自由傭兵もまた軍で仕事をするための仮のものとして階級を設定されていますので、上記の方法で算出してください。
なお、大きな戦闘などがあった場合依頼主からボーナスが支給されることがあるので、大きな買い物に必要な資金などはそうして貯蓄していきます。よくできた傭兵隊長なら、その蓄えから乗組員に特別手当を振る舞ったりすることもあるはずです。 |
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ウートガルザ・ロキ |
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海王星カイパーベルト内に放置された、第一次バイドミッション時の巨大兵器。太陽光エネルギーを太陽系各所を中継して伝達・集中し、一惑星にすら壊滅的打撃を与えうる超規模ビームを照射する。
現在は激戦の果てに修理不可能なまでに打ち壊されたとされ、各勢力からも放置されている。
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R戦闘機は購入できるのか? |
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傭兵への報酬の金額と扱い |
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R戦闘機は、基本的には市場に出回るものではなく、軍でも上層部からの支給を待つ以外に手に入れる手段はありません。
自由傭兵や海賊も、基本的にはコネで譲り受けたものや、海賊行為で奪取した機体を使用しています。もし仮に、ごく稀にですが、ジャンク品のR戦闘機が市場に出てきた場合、その価格は最低でも(5000×機体の開発レベル)クレジットになるでしょう。
また、部隊の機体を売り払って換金しようとしても、この価格に加えてR戦闘機はバイドとの交戦が多く、「中古だとどんな汚染を受けてるかわかったもんじゃない」という意識があるため、まず買い手は見つかりません。 |
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軍の場合は無論報酬などは発生しませんが、傭兵などの雇われ部隊に支払われる報酬は、1か月以内の拘束期間の場合、(部隊の開発レベル×10)クレジット程度が相場となります。2か月以上の拘束期間が発生するような仕事なら、その月数をこの報酬に掛けます。
また、戦闘頻度が高い任務なら、1回の出撃ごとに追加で(部隊の開発レベル)クレジットが報酬に上乗せされます。
なお、これらはすべて、個人に対してではなく、部隊全体に支払われる額です。
なお、こうして得られた傭兵部隊の報酬は、先に紹介した部隊の維持費のほか、次のセッションまでには生活費、給金などの出費によって、よほどの大金でない限りはゼロとなります。
ただ、「割のいい仕事」であったとGMが判断するなら、次セッションの際のPCが自由に使える金額に、多少のボーナスを上乗せしても構いません。また、「貯蓄にまだ部隊を維持していくにはそれなりに余裕がある」などと描写し、仕事を選り好みできる余裕をPCに与えてあげてもいいでしょう。 |
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戦闘中に撃墜された場合 |
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もし不幸にも戦闘中にR戦闘機(あるいはフォースなどの補助兵装)が撃墜されてしまった場合、戦闘終了後に(機体の開発レベル)週間かければ、その機体を修復することが可能です。ただしこの際には、その機体の開発コストと同じだけの資源を消費します。
通常のR戦闘機なら修理と同時に、撃墜前に受けていたバイド汚染もすべて除染され、元の状態に戻ります。なお、この修理によって、死亡したパイロットが復活するようなことはもちろんありません。 |
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資源について |
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支給される資源の量 |
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資源の売買協定 |
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所属を問わず、PCの部隊はセッションが終了するごとに、以下の量の資源を受け取ることができます。ただし、所属が「自由傭兵」の場合、このルールで受け取れる資源は半分の量になり、宇宙海賊の場合は一切受け取れません。
●ソルモナジウム
(部隊の開発レベル)×100
●エーテリウム
(部隊の開発レベル)×10
●バイドルゲン
(部隊の開発レベル)×10
見ての通り、自動支給でもらえる資源の量は非常に少なく、最悪、修理コストを支払えなくなる可能性もあります。軍でしたら追加支給の上申が通るかも知れませんが(要交渉)、後ろ盾のない組織の場合、この上申すらできないでしょう。
足りない分は、なんとか自前で採掘し、調達するしかありません(ルールは次頁にて)。 |
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資源を現地調達することには問題は発生しませんが、資源の売買はこの戦時下、各軍のミリタリーバランスを崩しかねないため協会によって厳しく取り締まられており、認定業者ではない一個人や一部隊が金銭で取引することは固く禁じられています。
よってPCたちが手に入れた所持金で独自に資源を購入したり、資源を売って所持金に替えることはできません。業者側も業務停止処分を受けたくないので、よほどの場合でない限り、PCたちが取引を持ちかけても首を縦に振ることはないでしょう。秘密裏に取引を行うことも、今後の商売を行う上で嫌な噂が付きまとってやりづらくなる可能性があるため、公然のタブーとされています。
PCたちが認定業者資格を得ているなら話は別ですが、認定業者はバイド以外の対象との非戦闘義務、ならびに極力戦闘の危険を回避する義務を負うので、傭兵業を続けることはできなくなるでしょう。
ただし同時に、各軍ならびに傭兵部隊は認定業者に対する攻撃行為も、不文律ではありますが固く禁じられています。そのような行為を行った部隊は軍籍剥奪などはもちろん、最悪、海賊扱いされることになります。
なお、資源は認定業者ならばセッション中に以下の値段で売買可能ですが、これらは宙域次第で相場が細かく変動する場合があります。
●ソルモナジウム 1=100coin
●エーテリウム 1=500coin
●バイドルゲン 1=500coin
なお、各部隊が自ら採掘し、その資源を部隊内で消費することに関しては、協会も(もちろんあまりいい顔はしませんが)承諾しています。現地調達をいかに効率よく行うかも、各部隊の腕の見せ所です。 |
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部隊のR戦闘機の修理や艦載時の消費、あるいは新たなR戦闘機の組み立てなどには、常に3種類の資源が必要となってきます。
なお、3種類の資源がどのようなものかについては、下記を参照してください。
●ソルモナジウム
宇宙開拓時代に太陽系内で発見された、鉄や銅などといったものに代わり、まったく新たな主原料となった青い金属鉱石。
太陽系内には各衛星や小惑星帯、さらには隕石群など、あらゆる場所にかなりの埋蔵量があり、軍のみならず民間の製品にも広く使われている。
●エーテリウム
亜空間や異層次元などといった、この次元とは異なる空間に存在する小惑星や岩塊などに含まれる、緑色に輝く鉱石。異層次元のエネルギーを内包しているため、異層次元航法推進システムの作成、ならびにその出力強化には欠かせない、R戦闘機にとっては生命線とも言える鉱石だが、採掘可能な場所が限られるため希少。
●バイドルゲン
バイド体と何らかの親和性を持ち、その活動に影響を与える、赤い鉱石。そのものがバイド係数を持つわけではないが、バイド体の制御や活性化に利用できる、おそらくこの世界唯一の物質である。
バイドが存在する宙域にて発見されることが多いが、無論採掘中にバイドの襲撃を受ける可能性が高く、民間人がこれを採掘するのは非常に困難な希少鉱石である。このため、軍の採掘施設からの支給が主となる。 |
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機体の解体による資源入手 |
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鹵獲した敵機体、古くなって使わなくなった自軍の機体など、使わなくなったけれど売り払うこともできないという機体は、解体することで、(その機体の開発コスト)/2の資源に変わります。かなりもったいないことですが、資源が足りない場合は調達法として視野に入れてください。
なお、バイド機体は解体しても、資源としては再利用できません。 |
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089 |
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セッション前後の所用 |
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●開発レベルの確認 |
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セッション後の処理 |
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部隊の開発レベルは最初1ですが、部隊の最高責任者の経験作戦の成功数が5の倍数になるたびに、1レベルずつ上昇します。また、特例が認められたり、著しい戦果が認められ受勲した場合などは、ボーナスとしてさらに上昇する可能性があります。最新鋭の機体が、優先して使用許可となるのです。
GMはシナリオの難易度や設定などによっては、最初から最高責任者の任務成功数を増やし、開発レベルを上昇させた状態で、ある程度の資源をPC部隊に与え、強力な機体を事前に開発させてあげてもいいでしょう。 |
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TRPGではキャラクターの成長や治療など、シナリオ外でも処理が必要な事項が多くあります。ここではそれらについてまとめていますので、セッションの前後には必ずチェックしてください。 |
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●レベルアップ |
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セッションが終了したら、各PCはキャラクターシートの「経験作戦数」を1増やし、ミッションが成功していたなら(成功したかどうかはGMが判断します)、隣の「成功」の数も1増やします。これらの数字がいわゆるキャラクターのレベルを表わしていると考えてください。
作戦の成功数が1増えた時点で、すべてのPCは肉体値、敏捷値、知性値、社交値のいずれかの能力値に、2ポイントの増加値を好きに割り振って成長させてください。その変化した能力値により、生命点、精神点も再計算されます。
最初から作戦成功数が多いキャラクターを使う場合は、この成長もキャラクターメイキングの時点で行ってください。
また、GMはシナリオやキャンペーンの都合(より強力な敵や機体を出したいなど)によっては、次のセッションまでに別の複数の任務をPCたちがこなしていたということにして、作戦経験数、成功数を任意に増加させても構いません。 |
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セッション前の準備 |
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●部隊構成の確認 |
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部隊を構成するPCのほか、技術兵や偵察兵、衛生兵などといった要員は揃っているでしょうか?
必要な要員がいるのなら、GMは独自に、あるいはPCとキャラメイキングの段階で相談しつつ、NPCを作成して補ってください。 |
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●バイド汚染の回復 |
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「バイド汚染」の項目でも説明しましたが、適切な医療措置を受けたPCは、バイド侵食率をセッション開始時に1D10%下げることができます。シナリオとシナリオの間に十分な治療期間があったか、おとなしく療養していたかの判断を、GMはセッション開始前に下してください。
ただし前項でも説明した通り、バイド汚染は現代の医療技術では、1%未満まで下がることはありません。 |
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●所有資源の確認 |
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キャラメイキングの機体選択のところで軽く触れましたが、PCたちの部隊は最初から、ソルモナジウム、エーテリウム、バイドルゲン、それぞれを200ずつ所有します。
複数回のキャンペーンシナリオの場合、後述の「開発レベル」が足りていれば、既定の資源を消費することで新機体を建造できます。
資源の不足分は、「現地調達」が基本で、小惑星群などで各種資源の鉱脈を見つけ、工作機を運用して採掘します。シナリオとシナリオの間に採掘の時間がある(一週間以上の空きがある)場合、各資源ごとに以下の量を獲得できます(工作機を所有していない部隊でも、代替手段で獲得できます)。
●ソルモナジウム 1D10×10
●エーテリウム 1D10
●バイドルゲン 1D10 |
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●スキルアップ |
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能力値とともに、キャラクターのスキルも成長します。作戦成功数が1増えるごとに、キャラクターは2点のスキルポイントを得ますので、これを割り振ってスキルを成長させてください。
何を伸ばすかまだ悩んでいると言う人は、スキルポイントを温存しておくことも可能です。 |
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●開発レベルの上昇 |
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前述の通り、作戦成功数が5の倍数になるごとに、部隊の開発レベルが1上昇します。 |
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●天性の変更 |
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階級/階級区分 |
階級ボーナス |
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セッション終了後、プレイヤーが望むなら自分のPCの天性を変更できます。
ただしこれにはGMと他プレイヤーによる、「そのPCがその天性になるにふさわしい行動をしていたか」について、過半数以上の承認を得なくてはなりません。 |
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元帥 |
??? |
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大将 |
将官 |
●さらに生命点、精神点の両方に+15(累計+30)
●将官になった時点で、スキルポイント+3 |
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中将 |
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少将 |
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准将 |
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大佐 |
佐官 |
●さらに生命点、精神点の両方に+10(累計+15)
●佐官になった時点で、スキルポイント+2 |
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中佐 |
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●階級の変化とボーナス |
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少佐 |
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ミッションの終了後、作戦が成功した場合はその部隊の活躍が評価され、各PCに階級昇進のチャンスが巡ってきます。より大きな任務を達成したなら、名誉勲章などを受勲され、より大きな出世も望めるかも知れません。
シナリオ上で正規のミッションを、GMが判断し依頼者やPCたちの上司が満足いくだけの結果で成功できていた場合、各PCの階級を1段階ずつ上げてください。ただし部隊の責任者以外は、この方法では准士官までしか昇進することはできません。
また、下士官から尉官、尉官から佐官など、階級区分をまたぐことになる昇進は、通常のミッション成功での昇進のみでは迎えることはできません。
階級区分をまたぐ昇進を迎える、あるいは責任者以外のPCがより上の階級へと昇進するには、より大きな、そしてより厳しい任務に成功し、所属勢力に大きく貢献する必要があります。GMが用意した、キャンペーンセッション内での大きな区切りや山場となるようなミッションなどが、これに当たります。
GMはそうしたミッションを見事完遂したPCに対してはぜひ、上官からの受勲式やパーティーの開催などといった演出とともに、昇進を認めてあげてください。
階級区分をまたいで昇進するごとに、PCは階級ボーナスとして右上表の通り、生命点と精神点のボーナス、そして追加のスキルポイントを得ます。 |
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大尉 |
尉官 |
●生命点、精神点の両方に+5
●尉官になった時点で、スキルポイント+1 |
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中尉 |
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少尉 |
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准士官(士官候補生を含む) |
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曹長 |
下士官 |
ボーナスなし |
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軍曹 |
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伍長 |
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兵長 |
兵卒 |
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上等兵 |
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一等兵 |
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二等兵 |
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●階級の特例 |
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・二階級特進
通常、よほど特殊な例を除けば、正規兵が一度に昇進しうる階級は一段階のみです。しかし戦地にて勇敢に散った戦死者に対しては、功労として死後、二階級特進が認められる場合があります。
これは名誉上の意味以外にも、階級によって支給額が変化する、遺族に対する死亡退職金や遺族年金にも関係します。特にバイドとの戦闘で戦死した兵士に対しては、地球連合軍、グランゼーラ革命軍の両軍では、必ず適用されます。 |
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軍の階級にはいくつかの慣例、特例が存在します。正規軍のPCを演じる場合は、以下の特例が適用されることがありますので、GMは適用するかどうか、シナリオの都合などと併せて判断して下さい。
・艦船所持数による階級変化
部隊が2隻以上の艦船を所有している場合、その部隊は一個小隊ではなく二個小隊として扱われ、戦力評価によっては中隊として扱われることもあります。中隊として認められた場合、中隊の指揮官は佐官でなくてはならないという軍規があるため、部隊の責任者は最低でも少佐にまで昇進します。
ただしこれはあくまで「戦力的に中隊として認められた」場合であり、その線引きは曖昧です。 |
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セッション中の特殊な処理 |
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精神点の回復 |
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瀕死 |
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ここではセッション中に生じうる、特殊な状況や処理についてまとめています。セッション中にこれまでのルール内に書かれていない処理や具体的な数値が必要になった場合、こちらを参考にしてください。 |
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精神点は極度の緊張状態など、精神を張っている状態(任務遂行中など)でない限りは、目的地までの乗り物の運転、買い物や雑談などと言った行動をとっていたとしても、自然回復で1時間ごとに1D6点回復します。
ほかにも以下の要因で、別途回復することができます。
●睡眠
PCが睡眠をとっている場合、1時間ごとに自然回復の1D6に加えて、さらに1時間ごとに1D6の追加回復を得ます(1時間で2D6点回復)。8時間以上熟睡できた場合はダイスを振るまでもなく、精神点が全快します。 |
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生命点が0以下(精神点と違ってマイナスが存在します)になったPCは、即座に瀕死状態となって意識を失います。その後、病院などで適切な医療処置が受けられるまで、1時間ごとに生命点が1D6点ずつ減少していきます。
なお、応急処置で生命点を一時的に回復することはできますが、それは適切な医療行為に及ぶとは言えず、生命点減少を止めることはできません。ただしこの応急処置を「医療」スキルを持つ者が行った場合、減少ペナルティーは無効化できます。
瀕死状態に陥ったPCは、まず即座に生死判定を行います。(肉体値−現在の生命点のマイナスとなっている値)%で判定し、失敗すると即座に死亡します。
この判定は瀕死になってから、1点でも生命点が減少した場合その度に改めて行ってください。 |
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生命点の回復 |
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生命点は、自然治癒のみですと特に休んでいなくても、24時間ごとに5D6回復します(「回復力」スキルがあればさらに追加で回復します)。以下のように何らかの適切な処置を行った場合には、別途回復することができます。
●応急処置を行う
どのPCも、医療キットを持っていれば「応急処置」が(自分に対しても)可能です。また、「医療」のスキルを持っている人は、医療キットがなくてもありあわせの道具で応急処置を施すことができます。
応急処置を受けたPCは、即座に生命点を3D6回復できます。
●適切な医療行為を受ける
病院などの清潔な医療施設にて、専門医師の治療を受けた場合、生命点を即座に5D6回復し、さらに入院中は一日ごとに生命点を3D6点回復します。
※上記の医療手段は、同じ種類のものは24時間の間、1度しか試みることはできません(例:1日の間に同じPCに対し、2回応急処置を行うことは不可能)。ただし24時間以内でも、改めて別の怪我などで生命点が5点以上減少するたびに、同じ医療行為を改めて行うことが可能になります。 |
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気絶 |
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精神点が0になったキャラクターは、即座に気絶します。なお、精神点はどんなに減っても0未満にはならず、マイナスにする消費を自分で選択することもできません。たとえば精神点10点消費のスキルを使いたいのに精神点が9点しかない、などという場合は、そのスキルは使用できません。
精神点が0になったPCは、以降1時間ごとに睡眠状態と同じく、2D6点の精神点を回復します。これにより精神点が全快した(あるいは8時間寝た)ところで、そのPCは目を覚まします。
なお、「回復力」のスキルがある場合は、もっと早い段階で目を覚ます可能性があります。 |
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機体の整備 |
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●整備要員 |
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ヘクスからの距離の算出 |
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基本的にPCの部隊には、[(所有しているR戦闘機ならびに艦船の数)×部隊の開発レベル]人の整備要員(技術兵、工作兵など)がいるものとします。これらの整備要員は、スキル「オールテクニクス」を(部隊の開発レベル)レベルで所持しているものとしてください。
なお、GMはPCからの要望があれば、既存の整備要員の人数を増やすよう上申したり、別の要員(偵察兵、衛生兵など)の派遣を頼んでもいいでしょう。特に申請せずとも、上記の整備班のほかに、部隊には医療スタッフ、食事係など必要な人員が、最低でも(部隊の開発レベル)人ずつはいるものとして結構です。
あるいは彼らのうちの何人か、あるいは全員にキャラクターとしての設定を設け、能力値なども持つNPCとして扱い、PCたちとともに成長させてあげるのもいいかも知れません。普段は整備要員ながら、戦闘時にはPOWアーマーや工作機、偵察機などのR戦闘機で出撃する人物というのも、この世界の戦場では多く見られます。 |
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この時代のR戦闘機や艦船は、連戦となりがちな対バイド戦を想定し、戦闘中でも工作機や艦載作業などにより修理や補給が簡単に行えるように作られています。
しかしそれでも酷使し続ければ、機体の調子は下がっていき、性能低下を招きます。それを避けるためには、作戦の合間の整備作業が必須となります。
R戦闘機とフォースやポッドなどの補助兵装、ならびに艦船の整備には、まず一機ごとに下記の標準時間を要します。
●R戦闘機/補助兵装 6時間
●艦船 6×(マップ上の占有ヘクス数)時間
これらの整備は、一度始めると時間一杯で終了するまで、効果を発揮しません。作業時間の途中で出撃してしまった場合、整備時間はゼロに戻ります。
そして同一セッション内で、連続で別の戦闘ミッションに突入した場合(あるいは別のセッションだとしても、前回からの連戦というシチュエーションをGMが設定している場合)、前のミッション後から出撃までに整備を終えていない機体は、すべての判定値に−10%のペナルティーを負います。この整備不良ペナルティーは累積するので、整備しないまま3連戦に突入すれば、さらに−10%、累計−20%のペナルティーを負うことになります。
なお、スキル「オールテクニクス」を持つPCやNPCがいれば、この整備時間を短縮することも可能です。 |
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ロールプレイのために、戦場のヘクスマップの1ヘクスが距離で言えば何メートルなのか、算出する必要が出てくる場合もあるでしょう。
1ヘクスが何m、何kmなのかは、GMが舞台として用意したその戦場の大きさ、そしてそこにあるヘクス数によって、戦闘のたびに変動してしまいます。余裕があれば、1ヘクスの距離を事前にざっとでもいいので算出しておくといいでしょう。ただ、ヘクスの距離が変動してもR戦闘機の移動力が変わるわけではないので(1ヘクスが1000kmでも100mでも、アロー・ヘッドは1ターンに3マスしか動けません。おそらく100mの例の場合、大気圏内で空気抵抗がある上に障害物が多いなどで、速度が出せない状況なのでしょう)、あまり重要な情報ではないですが……。
なお、距離の算出がすぐにできない場合は、下記の標準ヘクス距離数を参考にしてください。
●宇宙の場合 1ヘクス100km
●地表の場合 1ヘクス100m
なお、索敵レーダーの有効範囲も、大気の状態や周辺の環境で変化するので、R戦闘機などの索敵距離も、ヘクスの尺度が変わったとしても、常に機体能力データに記載されたヘクス数に従います。 |
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