木曜洋画劇場TRPG『エクスペンダブルズ』シリーズ(予定)第三弾
TRPG
原案第一稿(2015.04.01)
著:カイゼルちくわ
修正履歴
なし
《本作の想定するプレイ環境》
プレイヤー(以下PL):3〜4人
想定プレイ時間:参加人数×40分+20〜30分
※本作では10面体ダイス2つ、6面体ダイスを3〜5個程度使用するので、
各自で用意してください。
※本作は『セガールTRPG』を第一弾とし、今後も新作が誕生する予定の(あるいは誰かに勝手に作っていただく)
「木曜洋画劇場TRPG『エクスペンダブルズ』」シリーズの第三作となっており、
将来的に全シリーズのシステムを混ぜて自由に遊べる仕様を想定しています。
よって、能力値などのシステムの根幹部分はそれを見越して、『セガールTRPG』などと同じとなっています。
今後このシリーズの作品を自主的に作って下さるという方々は、
システムを合体させるためにも、「シナリオ難易度」と「能力値」、
「能力値+2D6を使う判定システム」と「戦闘システム」の部分は変えずにお願いします。
●はじめに 〜本作の筋肉趣旨〜
本作は、映画『コマンドー』を愛する皆様のため、『コマンドー』の台詞をとりあえず言ってみるだけでもなんか楽しくなってしまうというコマンドー欲を満たすために作られた、『コマンドー』ファン以外にはもはや存在理由そのものが分からない作品である。
よって本作をプレイするならば、GM、プレイヤーともに『コマンドー』が大好きで、『コマンドー』のセリフを聞くだけで心が躍るメンバーを揃えることをお勧めする。もし『コマンドー』ファン以外がプレイするなら、後述する「台詞表」をすべて参加メンバーが全員愛してやまない作品のセリフに書き換え、「大佐」の項目を「主人公」など適切なものにし、その作品をテーマにしたルールブックに改良して遊んでいただいた方が安全というほどのレベルで、本作は『コマンドー』一色である。
なお、本作では場面の描写力やアドリブ能力など、ロールプレイを求められる場面が多くなるため、これらが苦手と言う諸兄も避けるべきかも知れない。ただし、ロールプレイが苦手でも、それを補って余りある『コマンドー』愛があれば、十分に補うことは可能であるはずだ。TRPG未経験者でも、『コマンドー』が好きならなんとかなるはずである。
なお、『コマンドー』愛好家、というかシュワちゃん映画ファンならば言うまでもないかと思うが、本作では『セガールTRPG』と同じように、何もかもを武力(筋肉)あるいはメイトリックス元大佐っぽさで解決していくことが可能である。ぜひ鋼の州知事になった気分で、チカラこぶりつつプレイしていただきたい。あとは自分が言いたいセリフを言うチャンスを逃さないようにしていけば、いつの間にか自分が『コマンドー』で好きだったキャラと同じような役割を得ることができるはずだ。
●GMの準備 〜筋肉事案の設定〜
まずGM(ゲームマスター)は参加するPL(プレイヤー)が決定したら、セッションの舞台となる世界の設定と、最終ボスとPCたちが敵対する理由を考える。舞台は現代地球のみならず、参加者全員が楽しめそうなら、どんな異世界でも構わない。敵対する理由も、「超軍事機密を巡る敵対勢力同士である」などといったマトモなものから、「きのこたけのこ戦争」などふざけたものでも、全員が楽しめそうなものなら何でもよい。
もし考えるのが面倒な場合、舞台は「映画『コマンドー』と同じアメリカ」で、敵対理由は「PCのだれかの娘が人質に取られている」とすればよい。
GMは以上を踏まえ、ラスボスのキャラクター像や名前を考えること。余力があれば、ほかの中ボス的なNPCを考えてもよい。これも考える時間がなければ、アリアス、ベネット、クック、サリーなどにしてしまって構わない。
さらにGMは、セッションの難しさを表す「シナリオ難易度」を設定する。平均的な難度にするなら10とし、PCたちがどれくらいTRPGや『コマンドー』に習熟しているかを加味して、±1〜2程度増減してもよい。
以上で、事前に準備すべき項目は終了である。慣れてきたら、セッション中に起こる固定イベントや条件次第で発動するイベントなどを、GMが事前に考えてみるのもいいだろう。それだけでも、立派なシナリオメイキングとなる。
●キャラメイク 〜5つの能力値という名の筋肉〜
セッション開始前に、各PLは自分が演じるキャラクター(PC)を作成する。PCは設定された世界の中に物理法則的に存在でき、人語を解して会話が可能であれば、どのようなものであっても構わない。ただし、人外のPCを演じる場合、きちんとGMや他PLの許諾は得ること。
PCには、以下の5つの能力がある。
武力(直接戦闘で使用) 5
敏捷(瞬発力を表わす) 5
知力(知識などの深さ) 5
魅力(交渉などで使用) 5
体力(0になると退場) 5
各能力値の初期値は5だが、キャラクター作成時に各PLは、自分のPCの好きな能力値を2点上昇させることができる。一つの能力値を2点増やしてもいいし、2つの能力値を1点ずつ増やしても構わない。
なお、本作ではたいていの場合、「武力」と言う名の筋肉での判定をGMが許可する。悩んだら武力か、0になると困る体力を増やしておけばよい。
また、PCには敵にダメージを与える「攻撃力」なる能力も存在するが、これは固定の数値ではなく、「1D6」(6面体ダイスを1個振り、その合計数値を適用)とする。GMは状況やPLのロールプレイの結果を加味して(例:素手ではなく近くにあったアイテムを有効な武器として利用するなど)、この攻撃力を2D6(6面体ダイスを2個振り、その合計数値を適用)や3D6に増やすことを適宜許可してもいい。
●セッション進行と判定方法 〜台詞表で弾ける筋肉〜
セッションは席に座ったPLの間で、時計回りや名前順など、一定の順番で手番(シーン)を1回ずつ回していくことで進行する。
まず、セッション開始時や、ほかのプレイヤーが手番を終えて順番が回ってくるなど、自分の手番(シーン)が回ってきたプレイヤー(シーンプレイヤー)はまず、1D100を振る(10面体ダイス2つをどちらが10の位でどちらが1の位か事前に決めてから振り、1〜100の数値を決定する)。そしてその出目を、コマンドー台詞表を参照し、出目と同じ番号のセリフを「このシーンのセリフ」として採用する。
後述する「台詞チャレンジ」ですでに使用されているか「パス」されているセリフがこの時選ばれた場合、シーンプレイヤーは1D100を振り直す。この時、振り直しが連続3回目となった場合、シーンプレイヤーは台詞表の中から好きなセリフを「このシーンのセリフ」としてよい。
続いてシーンプレイヤーは1D6を振り、このシーンで得られる情報の種類を決定する。
1 ラスボスの居場所 判定使用能力:武力
2 ラスボスの弱点 判定使用能力:敏捷
3 ラスボスの目的 判定使用能力:知力
4 ラスボスの戦力規模 判定使用能力:魅力
5 ラスボスの協力者 判定使用能力:体力
6 ラスボスの過去 判定使用能力:好きなものをシーンプレイヤーが指定し、判定に+1ボーナス
シーンプレイヤーはこの情報を得られるかどうか、判定を行う。判定は、「指定の判定使用能力値+2D6(6面体ダイスを2つ振り合計値を出す)」で、「シナリオ難易度+(すでに入手している情報の数÷2)(端数切り上げ)」以上を出せれば成功となる。なお、PLの適切なロールプレイがあれば、判定使用能力を武力に置き換えることをGMは許可してもよい。
なお、この判定の際に2D6が両方6(6ゾロ)の場合、判定は自動成功となり、後述の「獲得情報量」を判定成功分に加え、さらに一つ増加できる。また、1ゾロ(1が2つ)だった場合は自動失敗となり、情報が得られなかった上に、「獲得情報量」の数が1つ減ってしまう。
判定に成功した場合、シーンプレイヤーはその情報の内容がどんなものか、独断、あるいはほかのPLやGMに相談して決めること。なお、こちらは台詞表と異なり、すでに入手している情報と同じ種類の情報が1d6で出たとしても、振り直さずそのまま重複して入手できる(設定などは別のものを考えること。ラスボスの目的ばかりが3つ、4つと判明していき、目的なんて4つも考えられるか! などといったことになる展開もありうる)。
この時、GMは設定やロールプレイなどがストーリーを盛り上げる上で秀逸だと感じた場合、惜しまず判定値に+1〜+3程度のボーナスを与えてよい。
こうして獲得した情報の総数「獲得情報量」が多いほど、ラスボスとの戦いは有利になる。また、「獲得情報量」はPC個々のものではなく、全PCで共有の財産となる。
この判定を行い、成否を出したところでそのシーンプレイヤーのシーンは終了となるが、この判定のダイスを振るタイミングより前までならば、シーンプレイヤーを含むすべてのプレイヤーは、「台詞チャレンジ」を行うことができる。
シーンプレイヤーは必要とされたら、このシーンがどんな場所のどんな場面、どんなシチュエーションでのことなのか、独断、あるいは相談しつつ決定する。ただしこのシーン設定は、得られる情報に沿ったものでなくてはならず、GMは沿っていないと判断したら却下し再考案を求めること。
そのシーン内で、無理なく「このシーンのセリフ」を言いながらロールプレイができたプレイヤーは、台詞表でその台詞の横に書かれている「属性」の「ポイント」を獲得する。情報の種類とセリフがうまくかみ合うように舞台設定を皆で相談することがオススメである他、この効果は各シーンごとに先着一名までなので、後述のポイントの仕組みを参照しつつ、だれがロールプレイでポイントを獲得すべきかなども相談するとよい。そして無理なくセリフが言える状況を作るため、セリフを言うプレイヤー以外も全力で支援すること。
なお、シーンプレイヤーは「このシーンのセリフ」の処理を行わず、次のシーンプレイヤーへとバトンタッチすることを選ぶこともできる。だれもチャレンジできなそうなセリフが来た場合は、相談の上でこちらを選ぶこと。ただしこれは「パス」としてカウントし、後でラスボスが強化されることとなる。
こうして全プレイヤーがそれぞれ4シーンずつ終えたところで、自動的にラスボスとの決戦フェイズに突入する。
なお、本作ではラスボス以外の敵は、筋肉の前には烏合の衆である。演出としてザコ敵との戦闘などを挟んでもいいが、基本的にはラスボス以外とPCが、決戦フェイズ以外で戦闘した場合、全自動でPCが無傷で勝利するものとする。ただしGMが特別に設定した中ボスNPCなどは、この限りではない。
●コマンドー属性一覧 〜筋肉とそれ以外〜
上記の「台詞チャレンジ」で得られるポイントの属性は、それぞれ以下の通り。
どれか特定の属性のポイントが合計値7に達したPCは、特殊な能力を得る。一度いずれかの属性ポイントが7に達したPCは、後からほかの属性を7以上にしても、最初の属性で得たもの以外の能力を得ることはできない。ただし「大佐」属性のみは例外で、後から7点に達した場合、今までの属性で得た能力を削除し、大佐の7点能力を即座に得る。
また、これらの属性はあくまでキャラクターの方向性を示すものであり、女性キャラクターが「大佐」能力を得たからといって突如体が変形して筋肉モリモリマッチョマンの変態になったり、男性キャラクターが「ヒロイン」能力を得たとたんに空手教室に通うキャビンアテンダントに変身したりするわけではない。
・大佐
『コマンドー』の主人公・メイトリックス元大佐っぽさを表すポイント。このポイントが高いと、より筋肉が弾けている。生身で電話ボックスを固定されたコンクリートの地面から引きはがし投げ飛ばすなど、恐ろしい筋力を発揮できる。しかも対人クレイモア地雷だけでなぜか敵の兵舎一棟を微塵に吹き飛ばすなど、各種火器の扱いにも異様に長けたパーフェクトな兵士でもある。
7点能力:このPCは、「武力」の能力値の代わりにこの「大佐」ポイントを、すべての武力を用いる判定で使用できる。戦闘時は、命中、回避の両方をこの大佐ポイントで判定することができる。
・ヒロイン
『コマンドー』のヒロインとして、メイトリックスの娘ジェニーやメイトリックスと同行した飛行機の添乗員シンディのように、華やかに場を盛り上げる存在となる。かなりうるさいが、やる時はやってくれる。また、たいていのことは説明書を読めばできるようになる。
7点能力:このPCはラスボス戦で1回のみ、ロケットランチャーを使うことを宣言できる。その場合、攻撃の命中判定に使うダイス、ならびに命中時に敵に与えるダメージのダイスが2D6ではなく3D6となる。命中判定の際には、3D6のうち2つ以上が出目6だった場合、自動成功となるのに加え、1がいくつ出ても自動失敗は発生しない。
・エネミー
『コマンドー』に登場したクックやサリー、ベネットといった敵役のように、個性的なセリフを吐くガラの悪い役柄。他のPCと敵対するわけではないが、やはりこういう人物はやられる時にこそ個性が輝く。ぜひ個性的なやられセリフを、能力とともに使用したい。
7点能力:このPCはラスボス戦中、敵の攻撃でダメージを受けた時、1回のみそのダメージを「トリックだよ」と無効化し、次の自分の攻撃判定に、そのダメージ量をそのまま修正値として加えることができる(例:5点のダメージを無効化した場合、次の攻撃の命中判定は能力値+2D6+5で判定となる)
・脇役
『コマンドー』の個性的なセリフは敵役のみならず、キャデラックのディーラーや巡回中の警官など、さまざまな脇役からも発されている。ただし脇役なので、戦力外通知は避けられない。
7点能力:このPCはラスボス戦中、攻撃に参加できない。その代わり、自分の行動順に行動を使って、台詞表で1D100を振って「台詞チャレンジ」を発生させ、ほかのPC全員を、行動を消費せずに即座にチャレンジへ参加させることができる。なお、ポイントを得られるのは通常のチャレンジと同じく、実際にロールを行った一名のみとなる。
一人も「大佐」がおらず、またいたとしても大佐の属性ポイントが低い状態だと、最終決戦はかなり厳しくなるため、基本的には台詞チャレンジの際にはだれかが大佐になれるように工夫していくこと。ほかの役割で立ち回ってから大佐になることも十分可能なので、ランダムで選ばれる台詞表との兼ね合いで、だれがどの属性を受け持っていくか、PL同士で相談することもまた重要となる。
●ラストバトル 〜筋肉vs筋肉〜
上述の通り、すべてのプレイヤーがそれぞれ4シーンずつ終えたタイミングで、なんだかんだで敵の本拠地が確定し、そこへと殴り込む「決戦フェイズ」が開始される。この決戦フェイズは、すべてターン制の戦闘シーンとして処理される。
決戦フェイズに突入したら、GMはラスボスとPCたちとの邂逅シーンを短めに挟んだ後、戦闘開始を宣言する。戦闘は1ターンごとに、以下の処理を行っていく。
・各ターン開始時、「このシーンのセリフ」を決定
・イニシアティブ(行動順)の決定
・イニシアティブ順に各キャラクターが行動(PCはダイスで判定、NPCはダイスを振らず固定値で判定)
・ターン終了、次のターンへ
なお、この決戦フェイズに登場する敵NPCは、GMが設定した中ボスならば全能力が「シナリオ難易度+(パスの合計数)」であるものとし、ラスボスの場合、全能力は「シナリオ難易度+(プレイヤー数の2倍)+(パスの合計数)」であるとする。なお、NPC、ならびにラスボスは、攻撃の命中、ならびに回避の際にはダイスを振らず、この能力値を「固定値」としてそのまま判定の結果に使用する。
まず戦闘中の各ターンの開始時には、このターンの間のみ有効となる「このシーンのセリフ」を、PLの代表者(だれでも、毎ターン違う人でもよい)が1D100を振って台詞表から決める。このターンの間、各PCの中から一人のみが、自分の行動順が回ってきた際にこのセリフに「台詞チャレンジ」を試み、ロールプレイをすることができる。このロールプレイには、行動を消費しない。
なお、ターン終了時までにこのセリフが処理されなかった場合、ラスボスNPCの体力が1点回復する(ただし初期値を越えて回復することはない)。
「このシーンのセリフ」決定後、イニシアティブを決定する。各PCは「敏捷+2D6」、GMが管理する敵NPCの場合は「敏捷」そのままを値として出し、この値が高い者から順番に行動していく。この判定は、各ターン頭ごとに繰り返す(ダイスをその都度振ること)。
なお、本作では戦闘時、攻撃の射程はすべてその戦場内の範囲で無限として扱うので、GMが用意したシナリオ上のギミックなどがない限りは、キャラクター間の距離や配置を気にする必要はない。
戦闘中、PCの攻撃が敵NPCに命中するかどうかは、攻撃側PCが「武力+2D6」で判定し、敵NPCの「敏捷」以上(つまり同値含む)となったら命中したものとする。ダメージは攻撃力、つまりボーナスなどがないなら「1D6」を振って決定し、その値分、敵NPCの「体力」が減少する。
敵NPCがPCに攻撃してきた場合、PCは「敏捷+2D6」で敵NPCの「武力」以上(同値含む)の値を出すことができれば、その攻撃を回避できる。回避できなかった場合は、GMが「1D6」を振ってその値分PCの体力を減らす。
なお、この決戦フェイズの戦闘中は、全PCは「獲得情報量」を1消費することで、交易の命中・回避判定やダメージ決定、イニシアティブ決定や台詞表の結果など、あらゆるダイスを1回振り直すことができる。獲得情報量を1点ずつ消費していく限り、情報量が尽きるまで、何度でも同じ判定を振り直すことも可能である。ただし前述の通り「獲得情報量」は全PC共有の財産なので、大量に使用する予定ならば、よく相談して決めること。
なお、PCが攻撃や回避の際に2D6で6ゾロ(2D6で6が2つ)、あるいは1ゾロ(1D6で1が2つ)を出した場合は、通常の判定同様、敵の能力値に関係なく、自動成功と自動失敗の効果が発揮され、さらにその場で情報獲得量の増減も起こる。さらに攻撃時の6ゾロの場合、ダメージのダイスを振った結果の値を2倍にし、回避時の1ゾロだった場合、受けるダメージのダイスを振った結果の値を2倍にすること。
なお、ヒロイン属性の7点能力で3D6を命中判定で振る場合には、3つのダイスのうち2つ以上が6だった時、自動成功が発生する。自動失敗はこの時発生しない。
ラスボスの体力を0にすることができれば、PC側の勝利となり、大団円のエンディングへと移行する。
逆にPCの体力が0になった場合、そのPCは戦線離脱してしまうが、ここでも「獲得情報量」を1消費することで、体力が0になったPCは、体力全快でその場で復活することができる。この策も尽きてPCが全滅してしまった場合は、GMはその展開に合わせたエンディングを用意すること。
●最後に 〜筋肉まとめ〜
本作は、とにかく『コマンドー』のセリフでロールプレイできたらなんか楽しいんじゃね? という、『コマンドー』好きの琴線のみを狙い撃ちした作品となっている。ただし台詞表で出てくるセリフはかなりバラつくため、狙った台詞、好きな台詞がなかなか言えないかも知れない。その場合、まずは別の台詞をどんどん使って台詞表を穴だらけにしていき、終盤で「台詞表で3回振り直しになったら好きなセリフが選べる」という効果の発生を狙うといいだろう。決戦フェイズにまだ大佐がいないなどという場合は、台詞表で獲得情報量による振り直しを使うことも推奨したい。
ただしシステム的に言えば、常に大佐属性のPCがいないとボスが倒せない、という作りになっているわけでもない。PCが全員ヒロイン属性となり、そのうち一人が自動成功の攻撃を当てて一撃でボスを粉砕することなども稀に起こりうる。そうなったらこれは『コマンドー』TRPGではなく、『チャーリーズ・エンジェル』TRPGであったということにして、HAHAHAと笑って大団円としていただきたい。ランダムゆえの先が見えない部分も、笑いとばし楽しんでいただければ幸いだ。
そしてこれも今更言うまでもないかも知れないが、本作はこれまでの拙作『エクスペンダブルズ』シリーズの中でも、特にジョーク要素が強い、非正統派を地で行くTRPGとなっている。好きな原作の台詞をまずはランダムで、やがては狙い撃ちでしゃべってロールプレイすることで特典を得るという、TRPGの根幹的な楽しみ方とはまた違った楽しみ方がメインとなる作品ゆえ、生粋のTRPG者の皆さんには受け入れられない部分も多々あるかと思われるが、そこはそれ。ジョーク作品ということで、一つ大目に見ていただければ嬉しい限りである。
以上