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02 安らぎ、そして、夕日
2191.03.01 PM00:41〜(トリトンY内)
BGM Stories to Tell(アニメ『トライガン』サウンドトラックより)
ちょっとしたハプニングはあったものの、特に問題なく依頼の場所・トリトンYへ入港することができたザブングル突撃輸送兵団の一行。
早速依頼者であるコロニーの代表、グリエルモ・マルコに挨拶するべく、第二居住区から第一居住区へと車で移動を開始します。
GM 「まぁ、第二居住区はさっき言った通り、新潟とかの小さな漁村ばりに寂れた感じではありますが……」
テイトク 「新潟に対して酷い(笑)」
GM 「第一居住区に入ると、さすがに雰囲気が変わってきます。最初に説明したように、ビニールハウスがあったり放牧してたりするような、のどかな光景が広がってますね」
ユージ 「ああ、なるほど。かつてアジアの日本と呼ばれた土地にあった、群馬と呼ばれた秘境でよく見られた光景ですね」(←群馬県民に謝れ)
GM 「あれ? マスターのイメージ的には、ベトナムの農村チックなイメージだったんですけど……まぁいいか、じゃグンマーで(笑)」(←お前も謝れ)
小さめのスーパーなどといった店舗や、ちょっとしたコンビニや小売店などが立ち並ぶ街並みを抜けていき、一行はそれなりに閑静な住宅街へと到着します。マルコの邸宅もここにありますが、立派……といってもただの2階建ての一軒家です。
GM 「ではマルコが出迎えてくれますね。『ああ、来なすったか。なんちゃら輸送団の皆さん』」
ユージ 「名前覚える気ゼロ(笑)」
GM/マルコ 「『まぁ、これから2か月の付き合いになりますからなぁ。ひとつよろしく』と、だるそうに握手を求めてきますね」
テイトク 「まぁ、はしっと握手し返しますか」
GM/マルコ 「『では早速だが、皆さんに用意した宿泊施設にご案内しましょうかい』と、皆さんの車を自分の車で先導して送ってくれます。まぁ、その宿泊施設というのが宇宙港すぐ側の第二居住区内にありますので、皆さんにとっては折り返していく分手間ですね。そんなことするなら、最初から宇宙港あたりに自分の車で出迎えに来い、って感じです。『あー、めんどくさいのぅ』」
ユージ 「ま、まぁわざわざ食って掛かるほどのことでもない(汗)」
GM 「まぁ、コロニーの長さは10km未満程度でしょうから、丸一日かかるでもなく1、2時間程度で着きますね。送られる間、特にやっておきたいことなどは?」
テイトク 「うーん、特にないかな?」
ガリレイ 「送られている間に窓の外を見ますけど、カワイコちゃんはいます?」
GM 「普通にいるでしょうね。若い女性は人口比で少な目とはいえ、普通に家の手伝いをしている女の子とか、コンビニでバイトしている女の子とか」
ガリレイ 「では、いくつか目星をつけておきましょう(メモメモ」
テイトク 「こいつは……(汗)」
ケイ 「買い物ができそうな施設はありましたか?」
GM 「第一居住区なら、スーパーみたいな店舗は結構ありますね。もっと大きなデパートクラスだと、歓楽街に行かないとありません」
ほかにもいくつかの点について周囲を観察しつつも、一行は宿となる宿泊施設まで無事に到着します。
GM 「で、その宿泊施設ですが、また例えがアレなんですけど、かんぽの宿みたいな民宿みたいな建物ですね。マルコは『じゃあわしはこれで。何かあったら連絡だけはしてくれぃ』と、コミュデバイス(携帯電話のような万能通信端末)の番号だけ教えてくれますが」
テイトク 「『あ、はい。分かりました〜』」
GM/マルコ 「『こう見えてもわしも忙しいんでねぇ』と言いつつ、車で去っていきます。そう言ってたわりには、車は歓楽街の方に向かっていますが(笑)」
ユージ 「やる気ねぇぇぇぇぇ(笑)」
ガリレイ 「ん? 今、時間は何時くらいですか?」
GM 「昼2時くらいですね」
ガリレイ 「……この時間から歓楽街か。お盛んだな(汗)」
マルコの態度に呆れつつも、宿泊施設の玄関をくぐる一行。
するとそこに、出迎えに出てきてくれる従業員の姿がありました。
ガリレイ 「お、まかないさんがいるんですね」
GM 「ええ、このような(下イラスト参照)女性が出てきますね」
ユージ 「おぉぉぉぉ、いい感じの……!」
テイトク 「いい感じのお姉さんですね。30代ちょっとくらいですかな?」
GM/女性 「『あら? ひょっとして、ザブングル突撃輸送兵団の皆さんですか?』」
テイトク 「はい、その通りでございます!」
ユージ 「……むしろこっちがその名前で吹いてしまいそうだ(笑)」
ガリレイ 「では、女性の前ですので、ばっ! と身なりを正しまして、『はいっ! 私たちがザンブングル突撃輸送兵団です。このコロニーの防衛はお任せください!』(キラーン☆)」
GM/女性 「『まぁ、頼もしいです! よろしくお願いしますね。あ、申し遅れました……私、皆さんのお世話をさせていただく、エレナ・レイノルズと申します』」
ガリレイ 「エレナさんですね!(メモメモメモ)まずは外見、どれくらいの外見でらっしゃいますか?」
GM 「30ちょっと過ぎくらいですね」
テイトク&ユージ 「グッッッッド!!」
ケイ 「……(何か可哀そうなものを見る目)」
ガリレイ 「では、左手薬指を確認」
GM 「え? 指輪してるよ?(とてもさわやかかつ晴々した笑顔で)」
ガリレイ 「…………………………では、突然ケッ! と言わんばかりの態度で、ぐでーんとやる気なくしつつ……『中古か(ボソリ)』」
ユージ 「『ちょ、ガリレイさん露骨すぎますよ失礼ですよ!(笑)』」
テイトク 「『ふふ、お前分かっていないなぁ。人妻だからいいん……おっと』」
ユージ 「『艦長も勘弁してください!』」
ガリレイ 「あー、そういう面倒なのはねー。で、えーとなんだっけ、エレナ・チェレンコフだっけ? メモに『中古 人の』と」
GM/エレナ 「そんな青く光ってそうな名前じゃねぇ!!(笑) まぁ、そんなやり取りがあってもくすくす笑いつつ、『あ、お荷物お運びしますね。皆さんのお部屋は2階になりますので、ご案内します』……などと言っているのですが、そこで2階に上がる階段の陰辺りからですね」
ガリレイ 「娘がじーっとこちらを……」
GM 「先読むなよ(笑)」
ガリレイの予想通り、階段の陰からは、小さな女の子が一同を珍しそうに眺めていました(下イラスト参照)。
※顔部分の汚れは絵が下手ゆえについてしまいました汚れで、女の子本人はツルツル綺麗な卵肌です。ご了承ください。
ガリレイ 「ほほう、30代で娘ということは……」
GM 「ええ、6、7くらいの娘さんです」
テイトク 「ケイちゃんと同じくらいかな〜? いや、もうちょっと年下かな〜」
ケイ 「ボクはオトナなんだぁー!(笑)」
ガリレイ 「ではちょっと階段を戻って、『彼女は?』と聞きますけど」
GM/エレナ 「『あ、ごめんなさい! ご紹介してませんでした。リタ、ちゃんとお客様にご挨拶なさい』とエレナさんに呼ばれると、リタと呼ばれたその女の子はとてとてと皆さんのところに歩いてきて、『こんにちはっ』とぺこりとおじぎして、ちゃんと挨拶してくれますね」
ユージ 「よくできた子ですねぇ(しみじみ)」
ガリレイ 「(狩る者の目で)では、その子の前で屈んで目線を合わせまして、『こんにちは。10年後ね(にっこり)』」
GM/リタ 「よく分かってないので、『うんっ!』と元気いっぱいに返事してくれたりしちゃいますが(笑)」
ユージ 「『いや、そんなに簡単に返事しちゃダメなんだよ?(汗)』」
GM/リタ 「それもよく分からないので、『んぅ?』と首を傾げたりしてますな」
テイトク 「うんうん、いい子いい子〜」
ケイ 「ケイはドン引きです!(力強く)」
ガリレイ 「な、何!? 10年後ならいいじゃないか! 今すぐ何かしたりはしないさ!」
ユージ 「光源氏計画というものがありましてね?」
ケイ 「これだから男の人は……(汗)」
GM/エレナ 「ちなみにエレナさんの方は、こんなやり取りを見てても『あらあら』と苦笑してる感じですな。まぁ、軽い冗談だと思ってるんでしょうけど(笑)」
テイトク 「ダメだこいつ、早くなんとかしないと……拷問か? ゴウモンデスカ?(←嬉々とした表情で)」
リタはエレナにシーツの準備などを頼まれると、「はーい!」と元気に返事をして、小さい体ながらもうんしょ、うんしょと、お手伝いを始めました。
ちなみにこの宿泊施設には、この二人以外の人はいないようです。
ユージ 「ん? ではエレナさんに、失礼にならないように……『このお宿は、お一人で経営してらっしゃるんですか?』」
ガリレイ 「おお、いい聞き方ですね」
GM/エレナ 「『え? はい……』と、ちょっと困った顔をしつつ、『主人には先に、先立たれまして……』」
ガリレイ 「(まるでショックを受けたベジータのごとく覇気を漲らせつつ)なん、だと……ッ!?」
ユージ 「未亡人かぁ〜」
GM/エレナ 「『ですので、ここは私一人で切り盛りさせてもらっています。ちょっとそのせいで至らない点もあるかと思いますけど、2か月の間、よろしくお願いしますね』」
ガリレイ 「ではいきなり元気になりつつ、シュピーンと手を取って『それは大変でしょう! なんでもお手伝いしますので!!』」
GM 「おい、そこまでするなら貴様の外交値はいくつだ? 判定しろ! だがまぁ、頑張ってるので+10%の温情はかけてやる(笑)」
ガリレイ 「10+10で20%!(笑) GM、思ったより優しいなぁ〜。残機ポイント使おうかな?」(←残機ポイントを1点消費すると、判定値を+20%できる)
テイトク 「おい、お前は何を言っているんだ!?(笑)」
GM 「まぁ、ロールプレイをさらに重ねるなら、さらにボーナスが入るかも知れん!」
ガリレイ 「では、『あんな小さいお子さんもいらっしゃるし、大変でしょう……』と」
GM 「ほほう、上手いな! ではさらに10%のボーナスをやろう。エレナさんはお子さんのことを気にかけてもらって、嬉しそうだ。リタのことを心底愛しているようだね」
ここはさすがにTRPG経験が長い、ガリレイのPLの見事なロールプレイです。さりげなく判定にボーナスのみならず、エレナがリタを大事に思っていることをうまくGMから誘導尋問で引き出しました。同時にエレナさんが、子供を愛する優しい人柄であることも、大まかにですが分かったワケです。
ガリレイ 「では30で!(コロコロ)ぬぅ、失敗か……。さすがに残機ポイントで振り直す、はやりすぎだな」
GM/エレナ 「では、『あらあら。若い人がそんな、おばさんをからかっちゃいけませんよ?』と、笑顔でするりとかわされてしまいましたね」
ユージ 「いい人だなぁ……シナリオ中にバイド化とかしないだろうな……?(ボソ)」
GM 「ああ、そうだ。君けっこうエレナさんに近付いたね?」
ガリレイ 「そうですね。手を取りましたよ」
GM 「では、知性度+10%で判定を頼む」
ガリレイ 「知性度だと!? って、21ある! そういや《狙撃》で精神点10点も使うから、上げといたんだ」
《狙撃》は敏捷値で判定するのに、消費は敏捷値と関係ない精神点、しかも10も消費するという変わり種スキルです。その分射程が伸びる効果は強力なのですが、敏捷と知性を両方ある程度上げないと使えないので、結構扱いは難しいと言えましょう。
なお、ガリレイが知性値を21という端数にしているのは、精神点を31点にして、10点消費の《狙撃》を3回使っても、その場で精神点が0になって気絶するのを避けるためです。
ガリレイ 「では、31%で(コロコロ)むぅ、失敗」
GM 「じゃあ、間近で見ると実に綺麗な奥さんだなぁと思った(笑)」
ガリレイ 「なら、するっとかわされた時に、『いやいや、お若くてお子さんがいるお年とは思えませんよ』」
GM/エレナ 「『あらあら、お上手なんだから』と、悪い気はしていないようですね。ちなみに艦から荷物も持ちこめるので、今後はここを自由に使ってもらって大丈夫ですが……さて、今日はまだ昼2時くらいということでしたが、夕飯の時間までに何かしたいことなどありますか?」
ユージ 「それじゃあ荷物を置いたら、念のためにこのお宿から宇宙港までの最短ルートと、回り道などを調べておきます」
テイトク 「おお、いいね。傭兵らしい」
GM 「了解です、その宣言は聞きました。特に判定は必要ないでしょう。今後このルートで急ぎたい時などに、有利に働くかも知れません」
ケイ 「では、ケイはテイトクに小遣いをせびります。買い物に行ってきます!」
テイトク 「ん、んん!? それは判定がいりますかね?」
GM 「これはケイとテイトクで、《交渉》スキルでの振り合いですね。スキルがないなら、外交値で素のままで振っていただきます」
相手を説得したり騙したりする際も、R戦闘機での攻撃と回避のように、フェイントをかけてお互いが判定し、結果を導き出します。しかしケイは外交値が低く、テイトクは35%もある上に《交渉》スキル持ちと、圧倒的に不利ですが……そこはロールプレイや機転をきかせれば、以下の通り。
ケイ 「外交値10! しかし……幼女態度で下からウルウルと見上げる感じで、『おかし、たべたいなぁ〜』と(笑)」
ガリレイ 「お菓子!? お菓子なの!? 24歳なのに!(笑)」
GM 「えー、ちなみに今までの言動もあったので確認しますが、テイトクは年上好きか、年下好……ええいめんどくせぇ、ロリコンですか?」
テイトク 「若干、ロリコン気味でございます(←堂々と)」
GM 「ならばケイさんには、先ほどのロールも含めて+30%のボーナスを与えざるを得ない(笑)」
ケイ 「やったー40%! フェイントはなしで!(コロコロ)13、成功!」
テイトク 「ではこちらも、《交渉》スキルを足して60で判定!」
ユージ 「え、スキル? って、精神点使うの!? どれだけ本気で小遣いあげたくないんだよ、テイトク!(笑)」
テイトク 「(コロコロ)48! 成功! 勝ったぁあああああああ!!(ガッツポーズ)」
ケイ 「テイトク、ケチだなぁ〜(汗)」
ガリレイ 「……ふむ、ではそのやり取りを見ていたガリレイ君が、自分のポケットマネーを出して『買い物はこれでしたまえ。そして君の任務は、リタと仲良くなることだ。一緒に行きなさい』」
ケイ 「りょーかい!」
ガリレイ 「将を射んと欲すれば、まず馬より射よ! というワケで……って、そっちが年上なんだな(笑)『よろしくお願いしますぜ、ケイ姐さん!』」
テイトク 「ああ、そうか! こうして見た目は年も近いリタとケイが仲良くなってもらえば、分かる情報もあるかも知れない!」
ガリレイ 「そう。ここでリタと仲良くするのはケイさんが適任。というワケで私のこれからの行動は、エレナさんのところでひたすら『何かお手伝いすることはありますか!? 水汲みでも薪割りでもなんでもしますよ!』」
GM 「ああ、分かった。なんかハートマークっぽいもののポイントが増えていると思いねぇ(笑)」
ガリレイ 「ティン・ティロリロリーン♪」
テイトク 「まぁ、僕は調べることもまだなさそうだし、エレナさんと茶飲み話でもしますね。なんかお邪魔虫ついてるけど(笑)」
こちらも初心者のケイさんのプレイヤーに役割を振るという(もちろんケイ側で嫌なら拒否もできる形で)、ガリレイのPLのベテランらしいロールプレイ……だったのか、それとも単にエレナさんを口説くために邪魔なリタを遠ざける策略なのか。それはPL本人を拷問にでもかけないと分かりません。
BGM PARADISE PLANET(R-TYPE LEO) / Stories to Tell(アニメ『トライガン』サウンドトラックより)
GM 「では、各シーンですが……PL側の好きなところから、順番に処理していきます」
テイトク 「ほほう?」
GM 「つまり、今の状況なら、先にリタちゃんとケイさんのところの場面を終わらせて、そこで得た情報を基にエレナさんと茶飲み話をしたりと、情報を手に入れられそうなところから優先したり、難しそうなところを後回しにして有利になる状況を待ったりすることができるワケです。これは今回のシナリオでの共通ルールなので、今後も忘れないでください」
ケイ 「では、先にこちらから」
GM 「ほうほう。では、シーツ運びのお手伝いをしているリタちゃんですが……」
ケイ 「(にっこり笑いつつ)『もうお手伝いはいいんだよ? 一緒に出掛けよう!』」
一同 「いや手伝ってやれよ!(笑)」
GM 「まぁ、そう言われるとエレナさんの方が気付きまして、『あら、そうね。今日はここはいいから、おねえちゃんと遊んでらっしゃい?』と言ってくれます。するとリタは『わーい!』とケイについてきますね」
ガリレイ 「(すかさず)あ、じゃあシーツ運びは僕がやっておきますよー!」
ケイ 「では、一応地理的なことをエレナさんに聞いてから……おもちゃとかお菓子とか売ってる大きなデパートとかは、第一居住区にありますか?」
GM 「いや、それは歓楽街でしょうね。でもエレナさんに事前に話を聞いておけば、危ないところに迷い込んだりすることもないでしょう。(ちっ、無防備に来たらチンピラが出てきて個人戦闘になったりするイベントもあったのに……)」
と、ここでやっとこさ思い出したGM。PLたちに、護身用の武器を渡すのを忘れていました(汗)。
GM 「あ、すいません。あと皆さんには、小型拳銃か大型拳銃の、いずれかのゴム弾銃が支給されます。これはダメージは小型拳銃、大型拳銃と同じですが、この銃のダメージで生命点が0になっても、その場で気絶するだけで死にはしないというものです」(←ダメージの値など詳細を知りたい方は、ルールブックの「装備データ」をご参照ください)
ユージ 「おお、じゃあ大型拳銃の方を腰に提げておきます」
GM 「あ、でも小型拳銃は懐にしまえますが、大型拳銃はホルスターで腰に吊って持ち歩くので、出会った人によっては警戒されたりする可能性があるのでご注意を」
ユージ 「大型拳銃を提げて宇宙港周辺を歩くんですが、何か変わった反応などは返ってきますか?」
GM 「その辺にいるおっちゃんがその銃を見ると、『おや! 新しく防衛任務で来てくれたあんちゃんかい!?』と、むしろ気さくに話しかけてきてくれますね。『まぁ頼むわ! オレらは工作機動かすくれぇしかできねぇからよ! がっはっは!!』」
ユージ 「『もちろん、しっかり務めさせていただきますので安心してください!』」
GM 「じゃあそのまま、『一緒に飲むかい兄ちゃん!?』などと誘われたりもしちゃいますが……」
ユージ 「さすがにそれは辞退しときます(笑)。」
ケイはデパートなどに行くことも考え、さらに体のサイズ的にもということで、小型拳銃を所持(テイトク「もちろんスカートの中のガーターベルトに差して!」ケイ「……」)。デパートにいる間はリタが触ると危ないと、ロッカーに預けると言う気遣いっぷりです。無論、これはポイントとして、マスターの方でカウントしておきました。
テイトク、ガリレイは小型拳銃を、ユージは反応を考えてあえて今後も大型拳銃を持ち歩くことにしました。さらにコミュデバイスも、テイトクの方から全員に支給されます。
GM 「では、ケイさんたちはトイザらスのようなおもちゃ売り場に着きますね。リタちゃんも『わーい!』と無邪気に喜んでますよ」
ケイ 「何か、リッちゃんが欲しいものがないか聞いてみますね」
GM 「り、リッちゃん!? あ、リタのことをそう呼ぶのね(笑)。そう聞かれますと……リタは、『うぅーん……ほしいもの……でも、リタこれあるし』と、普段から小さいポシェットを持ち歩いているんですが、そこからあるものを取り出します」
リタが大事そうに取り出したもの。
それは、小さなR−9Aアローヘッドの、古ぼけた玩具でした。
一同 「何ぃぃぃぃぃぃ!?」
ユージ 「む、むしろ欲しい! 魔導合金か!?(笑)」
GM 「だいぶ前のモデルですけどね。結構手垢にまみれちゃってる感じです」
ケイ 「詳細を聞いてみましょう。『それは……?』」
GM/リタ 「『うん、パパが買ってくれたんだって!』」
ユージ 「形見、か……」
GM/リタ 「『パパはね〜、Rせんとぅきのぱいろっとで、わるいバイドとたたかうヒーローなの!』」
テイトク 「6、7年前……あ、あの時代(ジェイド・ロスの時代)のR乗りだと!?」
ユージ 「まさか、ジェイド・ロス艦隊の一員だったりとか……!?」
ガリレイ 「しかもアロー・ヘッドか。『R−TYPE』的に意味深だなぁ」
プレイヤーたちは盛り上がっていますが、本作の年表では現在が2191年。ジェイド・ロスがバイド帝星宙域に突貫したのが2164年前と、27年も前の話ですから、これは辻褄が合いません。
リタが生まれた6〜7年前とは、すでに流星派がこの世界に到来し、さらにキースン大将が太陽系外に脱出してから数年が過ぎ、混乱が収まっていきつつも、それと同時に三大勢力の三つ巴こう着状態も危険化してきた、そんな時期です。
GM 「『でもね、パパはね、いまとおくのバイドをやっつけにいってるからいないの! ってママいってた!』」
ユージ 「ジェイド・ロス艦隊……なのか!? だとしたら……」
テイトク 「…………」
GM 「『バイドやっつけたら、パパかえってきてくれるのー!』」
ガリレイ 「ああ、帰ってくるさ。バイドになって、な……!(汗)」
GM 「(まぁ、違うんだけど勘違いしてくれてる方が面白いしいいか)ああ、ちなみにリタちゃんは、明るい茶色の髪と明るい茶色の目の女の子ですね」
一同 「……ふーん?」
GM 「いや、琥珀色じゃないよ? バイド化はしてないよ?(笑)」
ガリレイ 「あ、じゃあ、エレナさんの目は?」
GM 「…………ん?(まぁ、こう振ればそう来るわなぁ)……では、改めてエレナさんと一緒にいるお二人。知性値+10%で判定を」
ガリレイ 「(コロコロ)ん? 何のことだい? あれは多分、C、いや、Dか……!!(笑)」
テイトク 「(コロコロ)成功!」
GM 「ええ、するとテイトクは気が付きますね。……(BGMを一時的に止めつつ)……エレナさんの瞳孔周辺は、わずかですが琥珀色になっています」
ガリレイ 「……琥珀……だ、と……!?」
先に説明した通り、これはバイド汚染をうけた人間にのみ現れる、特徴的な症状です。
つまり、エレナさんは、何らかの原因でバイドに汚染された人間なのです。
ガリレイ 「え、これ、ちょ、どゆこと……!?」
テイトク 「つまり、最低でも侵食率が1%越えはしているってことだ……」
GM 「まぁ、気が付いたけどそのエレナさんとのシーンは後だ。まずはケイさんの方ですね」
リタはこのアロー・ヘッドのおもちゃを大事にしているようですが、特にわがままなども言わず、新しいおもちゃやお菓子も買ってくれると聞くと素直によろこび、ケイに懐きます。幼体固定の幼児退行もありますので、本気で一緒にはしゃいだこともプラスだったようです。
ちなみにバイド汚染のことを受けて、ここまでの道すがらや帰り道、店内などでケイが確認したところ、リタと同年代の子とも多く出会い、そしてその子達とリタは人懐っこい性格もあってか、みんな友達だったようです。リタやエレナが、何らかのいじめや迫害を受けているような気配もありません。そのまま周辺の道などを覚えつつ、ケイは帰路につきます。
ちなみにここでは義務教育のような立派な施設もなく、子供が通うにしても私塾などのレベルです。リタのように学校に行かず、家のお手伝いをしたりしている子達もなんだかんだで多いようです。
GM 「さて、ではケイさんの方は終了ですね。ちなみにこれも今回のルールですが、一日にこうして一回行動をした場合、あとは自動で夕方の食事の時間まで時間が経過してしまいます。特に備えや理由がなければ、一日で夕方までにできる行動は一人1つのみ、ということですね。ただし、食事後にコンピューターや電話などを使った簡単な情報収集だけは行えます。覚えておいてください」
ユージ 「ふと気が付いたら、もう夕方じゃん! って感じですね」
GM 「というワケで、道を調べているユージさんともどもケイさんも行動終了となりますので、最後に宿のエレナさんと一緒にいるお二人の行動になりますね」
テイトク 「じゃあ、茶飲み話しつつさりげなく聞いてみよう。『ええと、お一人でここを経営とは大変ですね。旦那さんがお亡くなりになった時、大変だったのでは……?』」
GM/エレナ 「『……そう、ですね。でも、主人が亡くなった時にいただいた二階級特進のお金もありましたし……あ、言ってませんでしたね、すいません。主人は地球連合軍で、R戦闘機のパイロットをやっていました』」
テイトク 「『あ、地球連合軍の方だったのですか!』」
GM/エレナ 「『ただ、6年ほど前に出撃した時に……。ちょうど、リタが生まれる直前でした』」
テイトク 「『それは……辛い思い出のことを聞いてしまいまして』」
ガリレイ 「『……お悔み、申し上げます』」
GM/エレナ 「するとエレナは沈み込みますが、すぐに気丈に微笑んで、『いえ、主人は人類のために戦ったのですから。ただ、娘にはまだ本当のことは言えないんですけどね……。しっかりと事実を受け止められるようになったら、伝えようと思います』」
テイトク 「なるほど、それで遠くに行っている、と。『分かりました、こちらでもリタちゃんにはそのことに関して気遣うよう皆に伝えておきます』」
ガリレイ 「それはもう、星飛雄馬ばりの滝の涙をだーっと流しつつ……!」
テイトク 「目が琥珀化していることは、皆に後で話す。……いや、ここで《欺瞞》で嘘ついてるかどうかとか調べる必要はないよなぁ。いかん、それはあまりに汚い人間だ(汗)」
GM/エレナ 「まぁ、ここまで話したからには、エレナさんの方からぽつぽつと、その時何があったのかは断片的にですが、語ってくれますよ」
6年前。リタが生まれる直前、冥王星宙域のとあるコロニーに住んでいたレイノルズ一家でしたが、そのコロニーがバイドの襲撃を受け、防衛部隊に所属していた旦那さんも出撃したのですが、不意打ちをうけて部隊は敗れました。
その際に、コロニーに落着したバイドによって……。
GM/エレナ 「『その時、私も、このように……』と、自ら瞳を指さして、バイド化していることを明かしてくれます」
ガリレイ 「それを自ら語ってくれるのか……。この世界観で、それはすごいな」
GM 「いえ、実は太陽系外周部周辺では、小規模にバイド汚染された人間というのは比率的に極小とはいえ、いるんです。多分このコロニーにも、エレナさん以外に10人程度はいるかと思われます」
ユージ 「まぁ、あれだけ派手にバイドが暴れ回っていれば、汚染されて奇跡的に生き延びられた人というのもいてもおかしくはないなぁ……」
GM 「辺境地域は今なお、中央と比べれば昔からバイドの脅威にさらされ続けていますからね。ただ、もちろん差別されていないワケではありません。いつ化け物になるかも分からないですから」
ガリレイ 「まぁ、だからこそ表面上差別はされなくても、こうして外から来る人間を相手にする仕事を任されているんだろうなぁ……」
GM/エレナ 「『主人が亡くなった後は、ここでこの施設を切り盛りしていた親戚を頼って移り住んだんですけど、その親戚も数年前に高齢で亡くなりまして……。それからは一人で切り盛りさせていただいてます。ほかの皆さんもこんな私ですが、よくしてくださいますし』」
ガリレイ 「ぬぉぉぉぉ! それはもう、また星飛雄馬的な涙を流しつつ手を取って、『それは……大変ですね! 僕に手伝えることがあれば、何でも言ってくださいッ!!』(キラーン)」
GM/エレナ 「『あら、では一緒に晩御飯の支度をしていただけますか? みんなで作れば、もっと美味しくなると思いますし!』と、気遣いの甲斐あってかエレナさんは明るい笑顔に戻っていますね」
というわけで、晩御飯の時間。エレナさんたちと一緒に「いただきます」と卓を囲みます。
シナリオ上、このタイミングで、特に情報を隠すのでなければ、PLたちが持っている情報は自動で共有されることになっています。初心者の方が手に入れた情報を仲間に伝えるのを忘れることを見越した救済措置でしたが、どうやら必要なかったようですね(笑)。
GM 「では、天然もののお肉などをはじめ、しばらく食べてなかった豪華な夕食が振る舞われますよ〜」
ガリレイ 「私も手伝いましたよ。敏捷値高いから、手先が器用でジャガイモの皮むきとか得意だろう(笑)」
GM 「まぁ、艦の方から整備班のじとーっとした念が飛んでくるかもですけどね。整備班の人間もある程度来れる施設ではあるので、艦長が許可を出せば交代で彼らも来れますけど(笑)」
テイトク 「ん? いいよ?(あっさり)」
GM/整備班 「『やったぜー!!』」
テイトク 「はっはっはっ、艦の士気を上げてみた。そしてこの分は拷問で下がる(笑)」
GM 「というワケで、先ほど説明しました通り、食後の夜は簡単な調べものなどしかできません。特にやっておきたいことはあります?」
ガリレイ 「それはもう、皿洗いなどでエレナさんに対してまめまめしく……」
GM 「OK、ポイントが上がった(笑)」
ケイ 「リッちゃんと遊びます!」
GM 「おお、それは喜んで遊びますよ。R戦闘機ごっことかですかね。ちなみにどうやらリタちゃんは、あなたのことをパイロットだとは認識していないようですが(笑)」
ケイ 「ああ、はい……(汗)」
GM/リタ 「『おとーさんは、つよいんだよ−!』」
ユージ 「じゃあこちらは、民宿にお酒があったら整備班の連中に振る舞いに行きましょう」
GM/シエスタ 「『ヒャッハー酒だ酒だー! こりゃ整備なんてしてる場合じゃないッスー!!』」
ユージ 「『ざけんな!!!(笑)』」
GM/シエスタ 「『えー? まぁ仕事はするっスよー、ぶーぶー』」
ケイ 「ああ、整備とかしているところがここから近いなら……リッちゃんを連れて、艦を見せてあげに行こうかな?」
テイトク 「うーん、さすがに夜の間は色々物騒だし、エレナさんにも悪いし、明日の昼間にした方がいいかも」
GM 「そうですね〜。リタちゃん自身もおねむになるでしょうし」
ガリレイ 「……幼体固定用の操縦席だから、むしろ乗れるのか」
ユージ 「やめたげてよぉ!!(笑)」
まぁ、サイズ的にはピッタリですが、乗せてもサイバーコネクト処置などを施していないリタには当然機体は動かせないですし、無害でもあるのですが(笑)。
無理矢理連れだすこともできますが、そこまですることもないだろうということで、艦を見せに行くのは明日、テイトクも同行して連れて行くことになりました。
GM 「では、ほかの人は普通に寝ると言う感じで……?」
ガリレイ 「いきなり夜這いはなぁ……」
一同 「おい(笑)」
ガリレイ 「ちなみに、建物の見取り図などはあります?」
GM 「ああ、ちゃんとありますよ。壁に消防法にのっとって、しっかり貼ってあります。あなたたちの部屋は2階、エレナとリタは同じ部屋で1階で寝てますね」
ガリレイ 「む、リタちゃんも一緒とは難易度高ぇな……ここでGMが見取り図の資料を出してこなかったということは、襲撃のイベントはないということか」
GM 「おいっ!(汗) ほら来たよメタ発言が。初心者の皆さんはマネしちゃいけませんよ?」
ガリレイ 「ちなみに、エレナさんたちの暮らしぶりはどうでしょう? お金に困っている様子とかはないですか?」
GM 「まぁ、本人も言っていた通り、軍からもらったお金もかなりありますし、元々質素な暮らしをする人なのでお金に困っている様子はないですね。あと、玄関先ですれ違う近所の人や採掘者のおっちゃんなども、『あ、エレナさん』と気さくに話しかけてくれます。周辺の皆さんの間では、ちょっとしたアイドル的存在ですね」
ガリレイ 「迫害とかはされてなさそうなんですね。……まぁ、内面はともかく外面上は私もさわやかに接します……(ギリギリギリと敵意の視線をおっさんたちに向けつつ)」
GM 「では、他には?」
テイトク 「ちょっとパソコンとか使って、6年前に冥王星宙域であったという事件について軽く調べてみたいんですけど」
GM 「ほう、ではスキル《情報処理》で判定をどうぞ。修正はなしです」
テイトク 「じゃあ判定値は55。では判定!(コロコロ)あ、00だからクリティカル!!」
GM 「(なッ、なん、だと……!?)完璧ですね。ではこの調査が2回分、第二段階まで進みまして、疑いようもなく裏付けが取れました。詳細まではこの調べ方では出てこないのですが、冥王星宙域でその戦闘があり、コロニーが被害を受けるという事件が確認できます。コロニーへの被害事態は小さかったので、民間ではさほど騒がれてもいません」
ガリレイ 「殉職者も出てるんですね?」
GM 「出てますね。クリティカルなので、その辺の名前なども一回の調査で分かるでしょう。アレン・レイノルズという名前が出てきます」
テイトク&ユージ 「アレン……(笑)」(←『R-TYPES』のOPで出てくる、白骨化したパイロットのヘルメットに書かれた名前がアレンといいます)
GM 「なんで分かるんですか、あんたら(笑)」
ガリレイ 「ちなみに、享年は?」
GM 「享年、26歳ですね。乗っていた機体はR-9Aアロー・ヘッドでした。民間の被害とは対照的に、軍側の死亡者は多数だったようです」
テイトク 「どういう戦況だったんですかね?」
GM 「こちらで分かることは、部隊が最後の1、2機にまで追い詰められましたが、なんとか駆逐した、ということですね。ただしその間に防衛線は抜かれてしまい、コロニーにガウパーなどが取りついたようです」
一同 「ガウ……っ!?(汗)」
ガウパーは生体系バイドの代表格とも言うべき存在で、このバイドに仮に人口が多い地域などが襲われた場合、未曽有のバイド化の被害が出る恐れがあります。生体系のバイドは、同じ生体パーツ……すなわち、機械などではなく人間の肉体などを材料に、侵食や増殖を行うからです。
コロニーで起きた事件について、エレナさんが何をその目で見て、どんな目に合ってしまったのか……。最悪の場合、『R-TYPE 凵xの後半に控える、衛星軌道上基地面のような惨劇が起こり得ます。
ユージ 「えげつねぇ……(汗)よっぽどのもの見ちゃってるぞ。心に傷負っててもおかしくない」
ガリレイ 「トラウマがあるかも知れんが、付け入るスキがあるってことでもある! もうちょっと早く来てあげたかったなぁ……」
GM 「(ぬぅ、さっきからみんな鋭いなぁ……本当に初心者が大半なのか、この卓は……?;;)」
テイトク 「一応、部隊名も確認しといていい?」
GM 「第23冥王星宙域防衛隊所属・レイノルズ小隊です」
ユージ 「あ、隊長だったんだ?」
GM 「切り込み隊長で、かなりの戦果を上げていました。リタが言っていたことも、あながちウソではないでしょうね。
ちなみにそのコロニー自体はバイド汚染された部分を除染し、今も使われています。これはやはり、辺境ではないことではありませんね。バイドという人類の天敵と、戦い続けているワケですから……」
ガリレイ 「生き残りで、退役している人はいますか?」
GM 「生き残りはまだ辺境を転々としていますね。むしろ隊長がやられたんですから、敵討ちがしたいのです」
ユージ 「頑張る連中だなぁ……(しみじみと)さすが超攻撃的文明」
GM 「いや、違う。それ『TACU』の話や(笑)」
クリティカルも出ているということで、これ以上は現段階で情報はないだろうと、テイトクの調査はここまでとなりました。無論、マスターからも情報はこれ以上出せません。
実際、この段階ではクリティカルしても、この事件についての「隠れた情報」は、調査がこの第二段階に至ったのみならず、ほかの鍵となる情報が出揃ってからでないとPLに渡さないように、GMはシナリオを組んでいます。しかしクリティカルによって一気に二段階の情報を開示したことにはなっているので、その鍵さえ手に入れば一気に後で情報が入ってくることになります。
クリティカルというのはこのようにえてして起こるものですので、対策を組んでおくのが賢い(ずるい)GMのやり方です。
GM 「じゃあ、一晩が空けて翌日になりますね。爽やかな朝です! 皆さん、今日はどうされます?」
ユージ 「では、今日は私物の『萌えるバイド図鑑』を持って、公園区の宇宙空間が見える展望台に行って、宇宙を眺めつつ図鑑で萌え萌えしてます(笑)」
テイトク 「何その図鑑(笑)」
GM 「まぁ、ルールブックにあるアイテムではないので、特に何か効果がある図鑑ではないですけど(笑) ケイさんたちの艦見学と、どちらを先にします?」
ケイ 「あ、じゃあそちらが先でいいですよ〜」
公園区。のどかなこのコロニーの中でも、さらに際立ってのどかで、かつ緑も多い自然公園。
なぜかその空間に、今日はすごい図鑑を小脇に抱え、腰に大型拳銃をさげた若者が闖入しました……(笑)
BGM 青葉公園(『ペルソナ2罪』より)
ユージ 「では、展望台で宇宙を感じつつ、バイドたちの艶姿(あですがた)を見て萌え萌えしつつ(笑)、展望台から宇宙を眺めて《鋭敏感覚》で判定します。来る時にバイドの襲撃設けたし、何か異変はないかな……?(コロコロ)02、乾坤一擲なのでクリティカル!」
GM 「(な、何ッ!?)……ああ、綺麗な宇宙だ(笑)」
一瞬動揺しまくったGMでしたが、この「二日目」の段階では特に宇宙を見てクリティカルされようと、シナリオ上は何も起こらないのでした。……いや、ちゃんとこうして決めておかないとわりと危なかったですね(汗)。
クリティカル怖い、クリティカル怖い……。
GM 「するとですね。ユージさんは展望台まで来る間に、公園で散歩しているご高齢の方、ジョギングなどで汗を流す人、真昼間から何やってんのというリア充などを見かけますが……展望台のところで、変わった人を見かけますね」
ユージ 「ほほう、変わった人?」
GM 「宇宙を見て、今時珍しくキャンバスに絵を描いている人ですね。いや、恰好自体は金髪碧眼で、ごく普通なんですが……こんな人(下イラスト参照)です」
テイトク 「これは……20代くらいで、画家?」
ガリレイ 「男? 男か。いいや無視だ、拷問しろ!(←コラ)」
ユージ 「ま、待ってくれ(汗)。ちなみに何歳くらい?」
GM 「20代半ばくらいですかね?」
ユージ 「うーん……絵の雰囲気を見てみます。油絵ですかね?」
GM 「油絵ですね。星々の瞬き、輝きを、しっかりと描いています」
ユージ 「おお、今時珍しいですよね? 顔料使うなんて……。そう思いつつ、ついつい話しかけてみます。『おはようございます!』」
GM/画家? 「『……? ああ……おはよう』」
ユージ 「『こんなことを言うと失礼かもですけど、今時珍しい本格的な絵を描いてらっしゃいますね』」
GM/画家? 「『……まぁ……ただの趣味さ。宇宙が、好きなんでね』と、頬のあたりを掻いていますね」
テイトク 「油絵の顔料なんて、今時手に入るもんなんでしょうか?」
GM 「いえ、珍しいですが滅多に手に入らなかったりするものじゃないでしょうね。むしろこのコロニーでなら、手に入りやすいでしょう。回顧主義の人間も多くいる世界ですので、油絵を趣味にしている人というのも世間には結構います」
ユージ 「知性度50あるワケですけど、そのユージの目から見て、その絵はどれくらいのレベルのものなんでしょう?」
GM 「うーん、しかしあなたは《知識(絵画)》などの芸術系スキルは持ってませんよね? なら、知性値-20%で判定してもらいます」
ユージ 「しょうがないね。30ジャストで判定……(コロコロ)06! ジャストでクリティカル!!」
GM 「に、二連続クリティカル、だと……!? かなり上手いということが分かりますね。ただまぁ、宇宙と星を描いただけの絵です。売り物になるものではないでしょう」
ユージ 「じゃあ、その上手い絵を見られた感動を、素直に伝えましょう。その上で、『宇宙がお好きとおっしゃいましたけど、やはりこの周辺の宇宙は、ほかのコロニーとは違うんですか?』」
テイトク 「なるほどなるほど、うまいなぁ(笑)」
GM/画家? 「『ああ、そうだね……』と、にこり、と静かに微笑みます。『辺境宇宙の星々は、強く輝いている……。そこに力強く生きる人々の、息吹が伝わってくるかのようだよ。だから、私もあの星々を、力強く描かざるを得ないんだ』 言われて見てみると、確かに星々の輝きが強調されているように見えますね」
ガリレイ 「色彩、普通ですよね?」
GM/画家? 「ええ。別に琥珀色じゃないですよ(笑) 『生命(いのち)というのは、素晴らしいね……』」
ユージ 「『あの、もしよろしければ、お名前を……』」
GM/画家? 「『ああ。ジョセフ……ジョセフ・ロッドマンだ』と言って、すっと手を差し出してきますね」
ユージ 「では、その手を取って握手しましょう」
GM/ジョセフ 「『気軽に、ジョンとでも遠慮なく呼んでくれたまえ。……よく見たら、君も私と同い年くらいじゃないか』」
ユージ 「『私はユージ・ウズカシラ。よろしくお願いします』」
GM/ジョセフ 「で、挨拶の間に君が提げている大型拳銃に気が付いたようで……『ひょっとして君は……駐屯任務で来た人かい?』」
ユージ 「うん、来たな(笑)。『分かりますか?』と苦笑します」
GM/ジョセフ 「『まぁ、それはね……』と、また頬のあたりを掻きながらこちらも苦笑しますね」
その後、画家風の青年・ジョセフと打ち解けたユージは、彼がこのトリトンYにいつごろ来たのかなど、いろいろな話を聞くことができました。
彼がこのコロニーに来たのは、一週間ほど前。それからこの絵を完成させるべくずっと書き続けている、いわゆる放浪画家です。
また、前任の駐屯部隊の傭兵についても、非常に気さくな連中だったということだけですが聞くことができました。しかし彼が来るのとほぼ入れ違いで前任者は去っており、1週間の間、ここには駐屯部隊がいなかったことも分かります。これはマルコの「敵なんぞ来ないから1週間くらいいいだろう」という、いい加減さが招いたミスだったようです。
ユージ 「では、自分で見た宇宙と絵に描かれた宇宙がちょっと違う点について、聞いてみたいんですけど……一般人と、芸術家との差なんですかね?」
GM/ジョセフ 「『ああ……そうだなぁ。これは私の、願望、かも知れない』」
ユージ 「『……願望?』」
GM/ジョセフ 「『皆には強く生きてほしい……。切に、そう思うよ。私も昔は、因果な仕事をしていたからね……』と、彼が着ている服をよく見せてくれますが、それは着崩した古着ですが、地球連合軍の軍服です」
一同 「おおっ!?」
GM/ジョセフ 「まぁ、今時地球連合軍の軍服など、上野の中田商店みたいに普通に売ってますけどね(笑)。『……退役軍人なんだ。すぐに、やめてしまったけどね……』」
テイトク 「階級章は!?」
GM 「それはさすがに退役時に返却したか、捨ててるでしょうね(笑)」
ユージ 「『現役時代は、どんな機体に乗られていたんですか?』と聞いてみますけど」
GM/ジョセフ 「『いや、恥ずかしいな……色々とあったから、詳しく話したくはないんだ……。後方支援だった。前線に出て行けるような、度胸はなかったよ』」
ユージ 「なるほど。退役して、今は転々と絵を描きながら旅している、と……うーん、さすがにちょっと疑わしく思いますね。でも、《欺瞞》とかのスキルは持ってないし……」
テイトク 「すまん、今は私、艦の方にいる(汗)」
ガリレイ 「それなら、『いつもここで絵を描いているんですか?』と聞いておくといいかも。もしいつもいるということになれば、明日以降テイトクを連れてきて《欺瞞》を試みることができる」
ユージ 「あ、なるほど。『あなたの宇宙の絵、すごく気に入りました! またここに来れば、会えますか?』」
GM/ジョセフ 「『ああ、構わないよ。ここでまた、絵を描いてると思うから……。私も、君と話しているうちに、インスピレーションが湧くかも知れない』」
ユージ 「ではまた、明日もこの時間くらいに来ますので……と言いつつ、ちょっと『萌えるバイド図鑑』をちらちらさせてみますけど?」
GM 「ん? いや、それはきょとんとした表情で見送って、苦笑してますよ(笑)」
ユージ 「よかった、バイド主義者とかじゃなさそうだ!」
GM 「え、それ確認したかったの!? 大丈夫。『うっひょー、バイドだバイドだぁー!!』みたいな表情にはならなかったですから(笑)」
ユージ 「生命がどうのと言ってたから、そういう人なのかなぁと、ちょっと(笑)」
TEAM
R-TYPEがその代表格ですが、世の中には人間よりも数段上位の生命体であるとも呼べるバイドに心酔している、狂信的な人物も悲しいことに存在します。
しかしどうやら、ジョセフ・ロッドマンはどこか超然とした雰囲気はあるものの、そういった類の人物では(表面上は)ないようです。芸術家らしいといえば、らしいのですが、ユージはまだ何か彼に引っかかるものを感じている模様です。
その後、場面は変わり、ケイとテイトク、そしてリタの場面。宇宙港に向かう道すがら、今日もまた気のいい採掘者のおっちゃんたちが、気さくに話しかけてきます。彼らに着任後の挨拶をすませつつ(ケイは気に入られ、アメだのジュースだのをもらえました)、ヴァナルガンド級巡航艦のところまで向かいます。
BGM PARADISE PLANET(R-TYPE LEO)
GM/リタ 「すると巡航艦のところまで来ますと、初めて見る戦艦に目を丸くしてますね。『うわぁぁぁ〜、おっきいおふね!』」
テイトク 「『これが我々の戦艦なんだよ〜?』」
GM/リタ 「……(GMがこれまでリタが見たテイトクの姿を反芻しつつ)すると、『えー?』という感じで、無邪気ながらも疑わしい目を向けてきますが(笑)」
テイトク 「ぐっ……(汗)『こ、ここからたくさんのR戦闘機が出てくるんだぞぅ?』」
GM/リタ 「『えー!? すごいね〜! でも、うちのパパのほうがすごいんだよ!』」
テイトク 「『はっはっは、そうだねぇ同じくらいすごいかもねぇ〜』」
GM/リタ 「そんなことを言われるとぷくーっと膨れて、『同じじゃないもん!』とじたばたしますな(笑)」
テイトク 「ああ、そうだねぇ強いんだろうねぇ……と機嫌を直してもらいつつ。整備班はまだ艦の方にいるんですかね?」
GM 「ええ、まだ艦の外装とかは修理しないといけませんので。『ったく、どっかのだれかが無駄にリボー相手にヴァーン砲とか撃つから艦首の塗装が!』」
テイトク 「……ぉや?(笑) ま、まぁさておき、おっちゃんたち以外に不審な人物とかいますか?」
GM 「それは《鋭敏感覚》ですな。まぁ、スキルがなくても知性値そのままで判定できます」
テイトク 「(コロコロ)09、成功!」
GM 「怪しい人影どころか、おっちゃん以外には人もいないまばらな港ですな。そういう人物は見当たりません(内心:多分ここで一番不審なのはあなたでは……)」
ケイ 「じゃあこっちは、おっちゃんたちと仲良くなりつつ、コロニーの歴史を聞いてみます」
GM 「それは喜んで聞かせてくれますね。ここは宇宙の開拓時代からある古いコロニーの一つで、カイパーベルトにある重要戦略拠点・ウートガルザ・ロキからも離れてますし、大きな戦争などにも巻き込まれることなく、海王星周辺の資源を採掘してきました。武勇伝的なことはそんなにないんですが……『昔は海王星の秒速2000kmの風に負けねぇように、工作機で資源掘っててなぁ! 命がけなんだよねーちゃん!』」
テイトク 「屈強な男たちだなぁ……」
GM 「まぁ、でも海王星のダイヤモンドや水素、メタンなどの資源は、今では大した価値もありません。そしてこんな辺境ですと、わざわざ航路にしたがる商隊も少ないですし……何よりバイドのほか、戦争が小康状態の今、危険に見合うものが資源にないんです」
ユージ 「そうだろうなぁ……危険だらけだもんなぁ」
GM 「まぁ、資料に少し書いておきましたが、それでもこのコロニーがもっているのは、近隣で稀にエーテリウムが採れるからです。これを売ることで、コロニーが存続しているという感じですね」
テイトク 「そうだねぇ、本来はワープ空間でしか取れないんだもんねぇ……」
ユージ 「そこから転がり出てくる隙間があるんだから、バイドもそこから出てくるんだろうねぇ」
GM 「『だからよぅ、あんたらがしっかり守ってくれると心強ぇんだよ! これからもよろしく頼むよねーちゃん!! むしろ2か月と言わず、1年でも10年でもいてくれてもいいんだぜ!?』(笑)」
テイトク 「この辺に関わりそうな話も、今回ありそうなんだよなぁ……すごくメタな発言だけど(笑)」
というわけで、あとは今日も朝から夕方まで、エレナさんの手伝いを付きっ切りでガリレイがしていたのみで……。
夕方。それぞれのPCたちが、帰路につこうとしていた時のことでした。
GM 「じゃあ、その帰り際……そうですね、やはりウェーバーさんを除く、外に出ている3人。知性度-20%で判定をお願いします」
テイトク 「-20%!? スキルで何か付け加えることはできませんか?」
GM 「これは自発的に行う判定でもありませんし、許可できませんな」
ケイ 「-10%ですけど、00なら……(コロコロ)47です(汗)」
テイトク 「(コロコロ)12! いった! 成功!」
ユージ 「(コロコロ)27、成功!」
GM 「ほうほうほう、なるほどなるほど(……この段階で二人も成功者が出るか……)」
ユージは、公園から帰ろうと。
テイトクは、ケイとリタを連れて宿泊施設に帰ろうと。
帰路についた、その時。
GM 「成功したお二人は、気が付きますね。……夕日が、沈んでいくんですが……」
テイトク 「夕日? コロニーで?」
GM 「ホログラフなどを使用して、時間に合わせてコロニー内壁に投影して造り出す、人工の夕日ですね。
その夕日が、濃かったような気がします」
テイトク&ユージ 「……濃い……?」
GM 「……ええ。昨日も同じ夕日を見たはずですが、今日の夕日はちょっとまぶしい、というか……違和感を覚えましたね」
「……より、オレンジっぽかったような……」
ケイ 「…………ははははは(汗)」
ユージ 「………………あ、あれ?」
テイトク 「い、いや……ちょっと待て!?」
ユージ 「知らず知らずのうちに……なんか食らってるのかも?(汗)」(←自分の瞳孔が琥珀色化したことで、こう見えるようになったのではと思ったようです)
テイトク 「いや、侵食されたならその判定があるはず……!」
ケイ 「ホログラフを使ってるんですよね? そこに異常があるってことでは?」
GM 「ちなみに、自然光も取り入れて利用している夕日のホログラフですね。ケイさんが見事言い当てたので調べる判定などは免除しますが、こうしたコロニーでは太陽光のエネルギーを利用するついでに、自然光を使って夕日や朝日のホログラフを強化することもよくあることです。エコですね!」
ケイ 「ということは、ホログラフの異常か、太陽光の方の異常か……」
違和感を覚えつつも、夕飯の食卓に戻った一同。
食事の際に夕日の違和感についての情報を交換し、エレナにもその話はしましたが、「?」と首を傾げられます。
GM/エレナ 「『いえ、よくあることとか、そういうわけではないと思いますけど……』ちなみにエレナさんは今日一日屋内にいたので、夕日を見てません。特に反応しませんね」
ユージ 「リタちゃんも外にいたよね?」
GM/リタ 「ん? まぁいましたけど、多分知性値は10だな。で、−20%だと……おやぁ? 天性が大胆不敵じゃないから、判定することさえできないねぇ。『わかんなーい! おふね、おっきかったのー! でもパパの方がえらいのー』(笑)」
ユージ 「くっ、かわいいなぁ! かわいいから許す!(笑)」
ガリレイ 「まぁ、そこはアレっすね。未来の父親として、うんうんと」(←エレナにべったりだったため、今日の夕日を見ていない男)
GM 「まぁまぁ、とりあえずは夕食にしましょうか〜。今夜はシチューですよ?」
ユージ 「ブロッコリーは入ってますか? 入ってる!? やったぜ!」(←大好物のようです)
ブロッコリーだのニンジンだのを奪い合ったり押し付け合ったり、幼女が残したニンジンだとじゅるると暴れ出したりと大騒ぎしつつ、エレナにユージがジョセフのことを話してみたりと(エレナ「ああ、いつも公園にいる絵描きさんですね?」)情報を確認してみた夕食後。
テイトクが昨日と同じく《情報処理》で、こうした現象が過去にあったか、何かが原因でこのような現象が起こり得るかを調べてみようかという話になりましたが、前提となる情報もない現段階だと、-30%の修正がかかるため、さしものテイトクでも判定に失敗してしまいます。
《情報処理》を持っていないほかのPCは、宿泊施設の中で昔のエレナさんと旦那さんの写真(冥王星宙域のリゾート地で撮った記念写真)を見つけることで、アレン・レイノルズの顔を確認でき、先日テイトクがクリティカルで探し出した情報の写真と完全に一致しました(イラストは描いてませんでしたが、イメージ的には『TACU』のマッケランのような熱血漢)。
あとは調べもののために図書館の場所をエレナに聞いてみたり、色彩の話なら絵描きのジョセフに聞けば分かるのでは? という話になったりはしましたが、すでにテイトクは行動しているため、このタイミングでは情報収集はもうできません。それに普通に検索したところで、ジョセフ・ロッドマンなどという名前は山ほど出てきますし、「ジョセフ・ロッドマン」「画家」で一発でヒットしたりするような有名人ではないのです。しかしそうなると、無名な放浪絵描きがそれで本当に生活できたりするのか? と、疑念がさらに増えていきます。
明日以降にそれらの調査は回すことにし、一同はとりあえずこの晩はゆっくり休むことにしました。
そして、次の日。
一同は滞在、三日目の朝を迎えます……。