※PLキャラクター(プレイヤーキャラクター、略してPC)の能力等はこちら(別窓で一覧ページが開きます)
03 光点
2191.03.03 AM08:26〜(トリトンY内)
BGM Stories to Tell(アニメ『トライガン』サウンドトラックより)
いつも通りのホログラフの朝日(こちらには異常は見られません)を見ながら迎えた、翌朝。ザブングル突撃輸送兵団、滞在3日目。
一同は昨夜話し合っておいた通り、行動を開始します。
ユージ 「それじゃユージ君は、昨日見た絵が忘れられないということで、『萌えるバイド図鑑』第二巻を持って、もちろん大型拳銃も持って、公園区に向かいます」
GM 「複数巻あったのー!?(汗) まぁ、するとエレナさんがお弁当なども持たせてくれますよ」
ケイ 「こちらは調査できる能力がないので……マザー牧場みたいな場所があるって言ってましたよね? じゃあそこへリッちゃんと一緒に行きます」
ガリレイ 「じゃあ、さすがにそちらには大人がいなきゃマズかろうということで、同行しましょう」
テイトク 「おお! ついにエレナさんから離れたよ(笑)。こちらはジョセフ・ロッドマンについての情報を、この場を動かず《情報処理》で調べてみます」
GM 「先程出ていた、図書館などで調べるわけではないんですね?」
テイトク 「うーん……《情報処理》よりも、近辺の気のいいおっちゃんにそういう話を聞きに行った方がいいかな。そうしよう」
GM 「まぁ、《情報処理》での調査は夜にもできますからね。では、順番はどうします?」
ガリレイ 「まぁ、マザー牧場からでいいんじゃない?」
GM 「ほほう、ではマザー牧場っぽい牧場の場面から。車で第一居住区の奥の方まで走って行ったところにありますね」
ガリレイ 「《運転》スキルは持っているので、完璧に運転できます」
GM 「すると平日午後ののどかな牧場に到着しまして、リタは『わーい! 牛さんだー!!』とはしゃいでいますね」
ケイ 「リッちゃん以上にはしゃぎます! 動物大好きなので(笑)」
情報収集に向かない組の二人は、そのままマザー牧場でリタと一緒に、馬に乗ったり牛に触れたりと、いろいろな触れ合いを楽しみます。
こちらでは特に変わったことも起こらず、続いてテイトクのおっちゃんたちへの聞き込みとなりましたが……。
ガリレイ 「こちらが知性度-20%で判定させられたぐらいだからなぁ。おっちゃんたち、まず気付いてないよなぁ」
テイトク 「毎日見慣れていたら、何か気付くかも……(コロコロ)《交渉》スキルは成功です」
GM 「『いやー? そんな話ァ聞いたことねぇなぁ。変わったこともあるもんだなぁ〜』」
テイトク 「ダメか……公園の方に任せた!」
ユージ 「では、その情報を聞きつつ公園の方に歩いて行きます。展望台のところに、あの人はいますか?」
GM 「ええ。今日も高齢者やらジョギングしている人やらリア充やらのほかに、展望台のところで絵を描いている人影がありますね」
ユージ 「では気さくに、『ジョン!』と呼びかけてみます」
GM/ジョセフ 「ほう。では、『……おや?』と振り返ってにっこりとほほ笑んでいますね」
ユージ 「『おはよう。今日も早いんだね?』」
GM/ジョセフ 「『まぁ……ね』」
ユージ 「そう挨拶しつつ、描いている絵を覗き込んでみますけど」
GM 「昨日の絵の続きを描いていたようですね。まずはこれを完成させないと、次のところへ旅立てませんし」
ユージ 「なるほどなるほど……。『見れば見るほどいい絵だね。ジョンはこういう絵を売って、旅を続けているのかい?』」
GM/ジョセフ 「『いや、退役した時にある程度お金をもらえたからね。それで細々とやってるんだ』」
テイトク 「(遠くの空の下から)……《欺瞞》してぇ……(笑)」
ガリレイ 「うーん、これはたしかに《欺瞞》してぇなぁ(汗) そんなに退役する時にもらえるもんなのか?」
ユージ 「じゃあ、さっきの発言を受けて《鋭敏感覚》は使えますか!?」
GM 「残念。嘘かどうかなどを見抜くスキルは《欺瞞》ですので」
ユージ 「そうか〜……じゃあ、『ところで』と話題を変えて。『昨日宿に帰る時に夕日が見えたんだけど、最初に見た時よりもだいぶ濃く見えたんだ。ジョンにはそんな風に見えたかい? 僕の周りにはそうは見えなかったって人が多いんだけど、気のせいなのかなぁ?』」
GM/ジョセフ 「『……おや』と、ちょっと驚いたような表情を見せますね」
ユージ 「ん?」
GM/ジョセフ 「『ちょうど……』」
「今、絵に描き足そうとしていたところなんだ……」
BGM ステージF-B(夏の夕暮れ)(R-TYPE FINAL)
ユージ 「…………ほぉ……う?(汗)」
テイトク 「…………(聞き覚えのある音楽に固まる)」
GM 「よく見ますと、ジョセフは絵の中の宇宙のとある一点を、小さくですがオレンジ色に塗っていますね」
ユージ 「宇宙空間……を?」
GM/ジョセフ 「『ちょうど……色が変わって見え始めたところだ……』」
テイトク 「てゆーかBGMが、BGMがよぉー!!(汗)」
ユージ 「いやいやいや、なんかめっちゃイヤな予感してきたんだけど!?(汗)」
GM 「……見事にジョセフを誘導し、この情報を手に入れましたので、ユージさんは判定の必要もなしにこのことに気付くことができるでしょう」
宇宙空間と、描かれている絵のその一点。位置は、星の位置などから推測できる。
肉眼では何も、その空間には見えない。だがユージは、すぐさま展望台に備え付けられている、望遠鏡をその方向に向けた。
GM 「その位置、普通の肉眼では確認できないサイズですが……亜空間の裂け目などに見られる次元の揺らぎが小さく見られまして、その周辺の宇宙空間が、琥珀色に変色しています」
ガリレイ 「……え、絵の中で?(汗)」
GM 「いえ。実際の宇宙が、です」
ユージ 「で、ではユージ・ウズガシラは額に脂汗をにじませて、速攻で無線を使って艦長に連絡を入れます!」
テイトク 「『ん!? どうした!?』」
ユージ 「そこは『うむっ、緊急連絡だ!』って言ってくれよォォォォオオ!!」(←伝統の台詞)
テイトク 「あーそうか! いやーごめんごめん!(笑)」
GM 「(……こやつらまだ余裕あるな、トドメ刺さんと)」
その後、ユージからのコミュデバイスでの画像付きの状況報告を受け、今度こそテイトクの「うむっ、緊急連絡だ!」の叫びと共に、各員のコミュデバイスに緊急コールが入ります。
マザー牧場で楽しい時間を過ごしていた残り二人も、リタともども急いで帰ることになりました。リタは少しつまらなそうでしたが、もうだいぶケイたちに懐いており、特にむずがったりすることもなく一緒に帰ってきます。
そしてルールにのっとり、集合できたのは全員の行動終了後、夕飯前の時間になりました。
GM 「ふむ……三日目で気付いたか……(ボソ)」
テイトク 「とりあえず、宿泊施設にリタを送り届けたら、宇宙港のところに集合!」
ユージ 「それじゃ僕は、ジョンに『もしかしたら戦闘になるかも知れない! 安全なところに避難するんだ!』と言って、お弁当を食べられないことを悔やみつつも、宇宙港まで調べた最短ルートも使って行きます!」
ケイ 「……ジョンに言っちゃっていいんですか? なんか、来るのが待ち遠しいみたいな様子で怪しかったですけど……」
ガリレイ 「普通の人間に見えないもんを、肉眼で見てたしなぁ……」
GM 「うーん? そういう風に待ち遠しいという感じではなかったですね。いつも通り、超然とした態度であったとは思いますけど。あと、オレンジ色の光は一般人に肉眼では確認できませんが、芸術家なら……というより、望遠鏡で確認した後は、あなたにも肉眼で小さくですが確認できるレベルです」
テイトク 「GM! あそこからどれくらいでバイドが出てくるか、調べることはできますか!?」
GM 「は? バイドが出てくるぅ? あれが何なのかさっぱり分かりませんから、そんなことには思い当りますまい? まずはアレが何なのか、そこから調べないといけませんねぇ〜」
プレイヤーの知識では「アレ」が何なのか、テイトクのPLは気が付いているようですが、それはキャラクターもそうであるとは限りません。TRPGを遊ぶ際には、この辺の線引きはGM次第ですが、きちんとするべきでしょう。そうでないと、リアルで知識がある人とない人で、シナリオの難易度の格差が開きすぎます。知っている人でも、あくまで「知らない」キャラクターの行動を宣言していかねばならないことがほとんどで、これが辛い点であるとともに、TRPGならではの面白い状況でもあります。
逆にPLの知識があること前提でシナリオを組んでいる場合なら、線引きなどは無くても問題ないでしょう。
テイトク 「とにかく、琥珀色の光が見えたということで調べていくしかないか……! どのスキルで調べればいいんだ?」
ガリレイ 「何か調べられるとしたら、艦長くらいですからねぇ……」
GM 「(ん? 完全に忘れてるなこれは……救済考えんと)では、皆が集合したところで恒例の、情報共有と夜の調べものフェイズしか三日目には残っていないことになりますな。この調べものは別に代表者じゃなくても、だれでも調べることはできますからね(ちらり)」
ガリレイ 「艦長は発光現象について調べて、ほかのメンツはジョセフについて調べればいいんじゃないですかね? 多分、夕日の色が変化して見えたのは、あの発光現象が原因でしょうから……あ、裏は取れてないのか(汗)」
ユージ 「そもそも、あの揺らぎが何かについてから調べないといけないんですね」
ガリレイ 「それは艦長の役目。というワケで、やはり我々はジョセフの調査を……」
GM 「(ん、やっぱ駄目だ。ここはサービスしよう)ああ、そうして艦長がコンピューターなどであの揺らぎについて調べようとしたところで、この情報を公開しましょう。あの揺らぎについては、キャラメイクの時にもオススメした《知識(バイド)》の判定で調べることができます」
ユージ 「……あ、私か!」
テイトク 「おお!? キターーーーー!!」
ちょっとサービスしすぎだったかも知れませんが、そのスキルを持っていたのが今まさに事態にテンパっている初心者のプレイヤーさんのキャラでしたので、これぐらいはやってもバチは当たるまい、と思いまして……。
ちょっと強引すぎたかもですが、何とぞその点についてはご容赦を。実際、ヘタに『R-TYPE』に詳しいプレイヤーさんたちは、「アレ」の出現で完全に動揺しきっていたのです。
ガリレイ 「なら、あの揺らぎについて調べるのはユージさんですね。その結果を見て、テイトクの調べるものなどについては変えていってもいいですか?」
GM 「許可しましょう。それが今回のルールです」
テイトク 「頑張って、ユージ君!」
ガリレイ 「じゃあ判定を……(ユージのキャラクターシートの片隅を見て)お、イラスト描いてる。絵心あるんですなー、いいなー」
ユージ 「はははいやちょっとシエスタさんを描いてみようかと」
ガリレイ 「なんでシエスタなんか描いてんすか!(笑)」
GM 「(ああ、こりゃ相当テンパってたな……)」(←音楽などで煽った元凶)
ユージ 「じゃあ、《知識(バイド)》で、知性値50%に+20%で、70%で判定!(コロコロ)……はい、46で普通に成功!」
GM 「分かりました。では、あの歪みについての情報を一段階公開しましょう」
バイドは、空間そのものすらをも侵食することが可能である。
そして宇宙空間をも侵食し、広がってくる現象がまれにあるという……
今トリトンY宙域で確認されたその現象は、「それ」と酷似している。
ユージ 「……分かりました……」
GM 「さらに詳しい、第二段階以降の情報を手に入れたいなら、以降の行動できるタイミングで同じく《知識(バイド)》の判定が必要です。ただし、1段階進むごとに、判定値に-10%のペナルティーが累積します」
ユージ 「ここでもいっちょ……はダメか。今行動しちゃったもんなぁ」
ガリレイ 「同じ情報について、《情報処理》で調べることはできます?」
GM 「できます。ただし種類が違うスキルでの判定ですので、さらに-20%の修正が入ります」
この辺の「違うスキルで調べる」という今回のルールについては、冒険企画局さんのサイコロフィクションの判定ルールを参考にさせていただきました。
ガリレイ 「-20がかかって……艦長、どうすか?」
テイトク 「ちょうどスキルの修正が消えて、知性値そのままでの判定になる。35%」
ガリレイ 「……いや、次の第二段階の情報の調査だから、さらに-10%ですね。25%だと、スワップダイスで成功する確率は43%。賭ける価値はある」
テイトク 「最悪、残機ポイントを使って振り直してもいいかも……」
ガリレイ 「とりあえず、これが最優先の情報でしょう。振ってみちゃいましょう」
GM 「(まぁ、《情報処理》で判定する例の情報については、もうテイトクはクリティカルで第二段階まで暴いてるから、仕事は終えてるしなぁ……)」
テイトク 「(コロコロ)……46、失敗! 一回くらいは残機ポイントを使って振り直しておこう、せっかく3点あるんだし」
残機ポイントを使えばこうした重要な場面で、サイコロを振り直すことができます。しかしこのポイントをR戦闘機戦闘まで温存できれば、戦闘が格段に楽になります(敵のジャージ兵器ですら無効化できたり、自分に命中してチャージを消してしまう攻撃ファンブルを振り直したりできるのはおいしすぎます)。
できれば温存したいところですが、テイトクはそもそも後方にいる戦艦乗りですので、被弾する可能性は低く、戦闘で残機ポイントを使う場面はそう多くありません。むしろ情報収集に特化したキャラクターですので、ここは使いどころと言えましょう。
テイトク 「というワケで、もう一度!(コロコロ)……あっちゃー、39! ごめーん!!」
GM 「いやいや、ダイス目は仕方ないです。これは神が気付くなと、暗に言っているのですよ(にっこり)」
テイトク 「ぜっっっってぇ嘘だ!(笑)」
ガリレイ 「適したスキルもないとなると、我々がチャレンジしても無理だなぁ……こちらはやはり、ジョセフについて調べてみましょう」
GM 「ほう、ジョセフの何について?」
ガリレイ 「……軍人としてのジョセフについて」
GM 「うーん、それは難しいから-10%……いや、逆に傭兵なら調べやすいか? 《情報処理》がないなら、知性値-10%で判定していいだろう」
ガリレイ 「軍に対して《コネクション》とかあれば、もっと調べやすかったかもなぁ……判定値11%(コロコロ)ただの失敗です」
GM 「じゃあ、ジョセフ・ロッドマンという名前の軍人が何人か出てきましたけど、どれも関係なさそうな他人でしたね。ケイさんはどうします?」
ケイ 「大胆不敵なんで、00狙ってダメモトで歪みの二段階目の情報に挑戦を。どのみち何を調べるにしても、知性値10だと0%以下になるので……(コロコロ)45、ただの失敗です」
ユージ 「では、ユージはみんなに自分が見たものについて、調べたことと結果の憶測を伝えます。『やべぇぜ! これまずいんじゃね!?』(汗)」
テイトク 「『なん……だと!?』」
ガリレイ 「ユージさんは、知り合いにバイドフェチ仲間はいないんですか?」
GM 「《コネクション》スキルは取っていなかったろう(笑)」
ガリレイ 「うーん、となるともう、翌日になっちゃうな……ほかに確認しておきたいこととか、皆さんあります?」
ケイ 「あ! そうだ、今日の夕日の色を確認しておきたいんですけど」
GM 「ほほう……(ニタリ)。ちょっと色が濃かった気がします。前日よりも、さらに、ですね。そしてこれくらいになると、そろそろコロニーの住民の中にも、気付き始める人が出てきています」
ちなみにこちらについては、具体的には日ごとに夕日の色が濃くなることで、マイナス修正が減っていく仕組みになっていました(この日に気が付けるかの判定は前日の知性-20%から緩和され、知性-10%でした)。日にちが経っていくごとに、事実を知らなくてもいい無垢な一般市民たちも、「そのこと」に+の修正が入っていき、気が付かされてしまうのです。
そうして、恐るべき「琥珀色の宇宙」の出現を確認できたその翌日。ザブングル突撃輸送兵団、滞在4日目。
街中で前日の夕日の話をしている人もほんのわずかですがいる、というような、まだ平穏な朝を迎えることができました……。
ガリレイ 「ちなみに、今まで夜に調べていたこの揺らぎの情報の調査とかは、昼のフェイズにもできますか?」
GM 「可能です。ただしもちろん、調査に費やしたら夕方まで行動はできなくなります」
テイトク 「ならやっぱり、まずは第二段階を開けるしか……あ、ユージが《知識(バイド)》の判定を試みる時に、僕が《指揮》のスキルを使って有利補正をかけることってできますか?」
《指揮》は戦闘中はもちろん、こうした調査の際なども味方に的確な指示を出すことで、判定値に+の修正を与えることができる便利なスキルです。
ちなみにテイトクの《指揮》のレベルは3。判定値に+15%のボーナスか、それがダメージ判定などならその+15%の代わりに1D6+2(あるいは固定値で5)のボーナスを与えることができます。判定値+15%は、スワップダイスの本作ではかなり馬鹿に出来ない数字です。
GM 「ただ、あなたは《指揮》でユージに付き添うことになるので、行動をそれで消費してしまいますね」
テイトク 「それで成功率を上げられるんなら、その方がよくない?」
ガリレイ 「いや、今は手数をできるだけ増やして、スピードを優先したい……それだったら、テイトクがまず二段階目に《情報処理》でチャレンジして、三段階目がまだあるならユージさんが《知識(バイド)》でチャレンジしてくれた方が、効率はいい。3段階目以降があるか分からないから、正直どちらがいいかは分からん! +15%もデカいんだよねぇ……。」
GM 「ああ、あとこのことは言わずとも分かるでしょう。歪みの大きさは、昨日より拡大しています」
テイトク 「おっとやっぱり!(汗)」
ケイ 「これだけ歪みがでかくなってきたら、船に行けば機器で観測できるんじゃないですかね?」
GM 「(ほう、鋭い)ふむ、それはできるでしょう。それなら《知識(バイド)》の判定に、ボーナスが付くでしょうな」
ユージ 「ちょっと待って待って、いや船であそこに近付くのはヤバイ! 近づいたらいきなり活性化して、バイドがうじゃうじゃ湧いて出てくるとかあるかも知れない!」
GM 「ん? 艦をここから出港させて歪みに近付かなくても、単に港の中から観測機器を使ってボーナスを得ることができますよ? 近づけばまぁ、もっと詳しく調べられるかも知れませんが、実際に出港するには出港準備に時間がかかりますねぇ」
ガリレイ 「なら4日目最初の行動は、通信で軽くシエスタにいつでも出港できるようにしておくよう伝えることが一つ。これは行動消費しなくてもいいですよね?」
GM 「まぁ、連絡するだけだしね。『うっすー! 準備しておくっすー!!』と、整備班は急いで準備に取り掛かる」
ガリレイ 「あとは艦内の設備で修正をもらって、歪みの情報収集か……」
GM 「この距離で艦の設備を使うなら、+10%のボーナスを与えますよ」
ユージ 「じゃあこちらの判定値は70だ!」
ガリレイ 「性格は乾坤一擲ですよね? 乾坤一擲、かぁ……」(←クリティカル率を考えているようです)
ケイ 「……あと、コロニーの住人への対応ってどうします?」
GM 「ああ、朝にも描写した通り、夕日のことはちょっとした噂にはなってますよ? そろそろ『あ、あそこの宇宙にオレンジ色の光が……』というような話もちらほらと出てきます。ちなみにマルコさんが、何か対処に動いている様子はありません。知っているのかすら分かりませんね」
ケイ 「代表〜!!(汗)」
GM 「ちなみに宿泊施設にいるエレナさんは、『あら? 何かあったんですか?』と皆さんの様子を見て尋ねてくる程度です」(←町にあまり出ないので、噂話を聞く機会がない)
テイトク 「……うーん、エレナさんにだけは話してみようか……? 何か関連話がね、心当たりが……」
ユージ 「(ひらめきつつ)あ! ちょ、もしかして、冥王星のコロニがやられた時の状況に似てるのかも知れない! バイドに抜かれた、って言ってたよね? 普通に考えて、R戦闘機の精鋭部隊がそう簡単に抜かれるとかおかしいし……」
GM 「(な、何!? そこにこの段階で気付くとは、本当に初心者か!?)……うーん、となると状況を話すワケですから、えーと……(マイルドな表現を探しつつ)不安を与えてしまうかも知れませんよ?」
ケイ 「ん? でも噂に対する反応はなかったんですよね?」
GM 「表面上はね。ただ、これからこの噂は拡大していくかも知れませんし、そもそも今の段階で実は噂を聞いている……という可能性もゼロではありません。パニックに陥る可能性がありますね」
実はこのエレナさん、先ほどPLの一人がなんとなく呟いた言葉の通り、物語を左右しかねないトラウマの爆弾を抱えています。
GMとしてもこのように、慎重な対応を求めるよう誘導せざるを得ませんでした。
ガリレイ 「とりあえず、代表に事実を告げてパニックにならないようにみんなを誘導できる力があるかとなると、分からない」
ユージ 「むしろ疑問ですよ、むしろ逆効果になりそう(汗)」
テイトク 「まぁ、有能そうではなかったよねぇ……」
ガリレイ 「しかし、ここで言わないのが立場上どうかともね。ただ、言ってパニックになっちゃうと困るんだよなぁ……」
テイトク 「異変の調査はしています、という連絡だけ入れておくのはどう?」
ケイ 「……むしろ、住民の不安をあおりそうですね」
ガリレイ 「いや、知らせるにしても判定に成功していって、我々が真相をちゃんと知ってからの方がいいっちゃあいいんだけど……それがスピード的に間に合うかだよね。まぁ、どうせ代表に会いに行くのは1行動になっちゃうんで、知性値で判定ができない俺やケイさんが行けばいいんだから、とにかくまずはここで《知識(バイド)》だな。その結果を見てから、ほかの人が行動を決めてもいいんですよね?」
GM 「うむ。それが今回のルールだ」
ガリレイ 「《指揮》で増える判定値のボーナスは、いくつでしたっけ? 25%?」
テイトク 「うん、25%だね。するとユージの判定値が95%になる」
ちょっとここで「?」と思った方も多いでしょうが、ここからPL側はルールブックの表記を見間違えており、《指揮》Lv3の「指揮そのものが成功するか」の判定に加わる+25%のボーナスと、「成功後に対象に与えることができるボーナスの値」15%を混同し、《指揮》Lv3で対象に与えられるボーナスは25%だと、急にさっきまではなかった勘違いを始めています。そしてGMも、その異変に気が付いていません。
なのでここからセッション終了後まで、《指揮》のボーナスについての間違いが多発していきますが、その場では誰も気が付いていなかったということでご容赦ください。新しいルールブックで遊ぶセッションでは、稀によくあることです(←おい製作者)
テイトク 「でも、指揮なくても70%あるんだよね? それなら、やっぱり俺は《指揮》じゃなくて別行動してもいいんじゃない?」
ガリレイ 「いや、ユージさんは乾坤一擲なんで、判定値が上がるとクリティカル率が増えるんですよ。多分ここでクリティカルすれば、威力2倍ってことで情報が2段階解放されるんです」
GM 「メタるな、そこ(笑)」
ガリレイ 「95%にすればまず失敗するもないですし、分散して2回チャレンジして失敗の確率が増えるくらいなら、ここに賭けてみるのもいいんじゃないかと。後々不利な修正が段階が進んで入っていくと、クリティカル率も下がっちゃいますし」
GM 「なんで情報収集役が、ファンブルも怖い乾坤一擲なんて物騒な天性を持ってるんだ……(笑)」
テイトク 「了解! じゃあまずは《指揮》からいってみようか。(コロコロ)はい、47で成功!」
ユージ 「では、《知識(バイド)》で判定! ふぉぉぉぉぉぉぉ!!(コロコロ)……68! 普通の成功、か……!」
GM 「では、二段階目の情報を公開しましょう」
「あれ」は、増殖し侵食し、拡大し続ける。
そしてあの空間に取り込まれたものは、すべからくバイド化していく。
通常のバイドの枠を超えた、あまりに危険な存在である。
ガリレイ 「なるほどね……ちなみに、第三段階があることは分かりますか?」
GM 「ええ、それは分かりますね」
ケイ 「拡大のスピードについては分かります?」
GM 「それは、現段階の情報だと分かりませんねぇ〜」
テイトク 「おいおい、これヘタすると5段階目くらいまである可能性あるぞ!?(汗)」
GM 「あ、あと艦に来たんですよね? するとこれは自動で、シエスタから別の情報がもたらされます」
ユージ 「はい、何?」
GM 「では……っと、シエスタには今の事態を伝えているんですよね? 念のため確認しますが」
ユージ 「まぁ、緊急連絡で部隊には伝わってるはずですし……」
GM/シエスタ 「了解しました。『え、今やばいんスか!? ヤバイんスか!?』」
ユージ 「『それは、正直、今の段階だと分からない……』」
GM/シエスタ 「『むぅぅぅ、正直ここから脱出とかって話になったら結構ヤバイっスよ? この船とこのコロニーにあるちょびっとの船舶、全部使っても多分、コロニーの住人の半分しか連れ出せないッス!!』」
ガリレイ 「……コロニーごと移動はできないのか?」
GM 「無理ですね。重力圏から出る出力が得られません。そしてこれは宣言しておきますが、周囲の軍はセッションの最初に触れた辺境各地の騒動の対応に行っているので、軍の協力は絶対にないと思ってください(断言)」
ユージ 「……絶対に、か……」
GM/シエスタ 「『とりあえず、艦とR戦闘機はいつでも出せるようにしとくッス!』」
ユージ 「それは、お願いするよ……」
人知れず、次々と悪化していく状況。
今後の行動消費についてはますますスピードと、それに反してデリケートさが求められるということで、PLたちは慎重に話し合いを進めていきます。
テイトク 「うーん、こうなるとジョセフ・ロッドマンのことも気になるけど、まずは歪みの方だな。次からはやっぱり、二人別々に挑戦する?」
ユージ 「次からは結構なマイナス修正かかってくるよ?」
ガリレイ 「《情報処理》で判定するとなると、次の第三段階の時点で-40%の修正か……」
テイトク 「難しいなぁ……駄目だなぁ。20しか残らないな」
ガリレイ 「それなら、艦長は《指揮》か、別の行動ですね」
ユージ 「マルコさんに頼んで、自由傭兵の皆さんをもっと雇ってもらえませんかね?」
GM 「そういう増援を呼ぶとなると、辺境ですのでだいぶ時間がかかると思ってください」
ガリレイ 「……そういや、資料に年齢別人口分布なんてもんがあったんだよな……これ、何に使うのかと思ってたんだけど……」
GM 「え? 無論、逃がすならその年齢層をどれくらい逃がしますか? という判断材料です(にっこり)」
ガリレイ 「ですよねぇええええええ(汗)……半分は乗せられるんですよね……」
ユージ 「というか、相手にするの無茶がありすぎるだろ! なんだよ、宇宙と同化するバイドって!(汗)」
テイトク 「『TACU』で最終ボスが弾けた後に出てきたレベルの、真ボスですよねぇ……これ、ヤバすぎません?」
GM 「(爽やかに無視)まぁ、セッション冒頭の方でも触れましたが、太陽系外周部のあちこちで最近いざこざが起きてるんですよね……」
ユージ 「……やべぇ、これ、バイドの大規模侵攻……!?」
テイトク 「そうなってくると、やっぱりジョセフ個人でどうこうってレベルじゃないはず! 単に絵描いてるだけなんだから!」
ユージ 「まずいな。軽くこの戦況、詰んでるって……(汗)」
ケイ 「仮に敵が襲ってきたとして、助かるのは逃がした人間なのか、それとも全員コロニーにいてもらってボクらがあれを倒せば、ちゃんとコロニーに残してきた人たちは助かるのか……」
ユージ 「うーん、今の段階だとその辺の情報も足りないなぁ……そもそも、アレの倒し方すら検討ついてないもんね」
GM 「まぁ、現段階の情報から言えば、アレは拡大し続け、このコロニーもやがて飲み込まれるということは分かってますね」
ガリレイ 「(人口分布とにらめっこを終え)……とりあえず、40歳以下の人間は全員助けられる」
GM 「ほう、あの港で触れあったおっちゃんたちは見捨てると?」
ガリレイ 「そういう話になりますな……」
ユージ 「気のいいおっちゃんたちだったから、助けたいけど……戦争全体のことを考えると、人口が減ってるからね。若いのを優先した方がいいのは間違いない」
ケイ 「逃げ出すとしても、向かったほかの宙域で同じようなことが起こっていたら……」
テイトク 「それを事前に情報収集しているヒマはなさそう……うーん……とにかく、あの現象の情報を手に入れることが最優先だね!」
ガリレイ 「で、4日目の昼、行動が残っているのは私とケイさん。さて、どうします? 我々知性度低いので、情報を調べるよりもむしろ、何かロールプレイをしておいた方がいいと思うんですが……」
GM 「ああ、さっきも言いましたけど、エレナさんは『どうしたんですか?』と尋ねてきますよ」
ケイ 「……誠意をもって話していけば、分かってもらえるとは思うんですが……」
ユージ 「うーん、でもこの人、トラウマ持ちっぽいよ!?(汗)」
ガリレイ 「とりあえずそういうことなら、エレナさんにはこのウェーバーが行きますか……」
ケイ 「それなら、ボクはリッちゃんに行きますか」
GM 「リタは無邪気に遊んでいますね。ただ、ケイさんがどこかに行こうとするなら、今日も喜んでついて行こうとしますが」
ユージ 「……(二人のイラストを見つめつつ、血を吐くような声で)……助け……たい……ッ!!」
テイトク 「うん……マジ助けたい。助けてぇよ!」
GM 「ちなみに、艦に行く間も、おっちゃんたちは今日も元気に声をかけてくれましたね」
どうすればいいのか、何をすればいいのか、どうすれば助けられるのか。
悩みに悩んだ、その結果……。
ガリレイは、ついにエレナさんに、今の状況を伝える覚悟を決めます。
ガリレイ 「……ではエレナさんに、『まずはエレナさん、これからの話は落ち着いて聞いていただきたいんですが……』って、そういやリタちゃんは一緒にいるんですかね?」
GM 「そりゃもちろん、側にいますよ」
ガリレイ 「では、まずは二人きりに……ケイ姉さんに目配せをして……」
ケイ 「じゃあ、二階に連れていきます」
GM 「では、二階でR戦闘機ごっことかしてる感じですかね。『わーい、はどーほーはどーほー!』(笑)」
ガリレイ 「というワケでさっきのように切り出すんですけど、落ち着いている様子ですか?」
GM 「現段階では、特に慌てたりはしてないね」
ガリレイ 「『まだ、確実なことは何も言えないのですが……危険な兆候が出ています』」
GM/エレナ 「『……えっ?』」
ガリレイ 「『最悪の場合……避難が必要になるでしょう』」
GM/エレナ 「『何が……起こっているんですか……?』と、少し震えていますね」
ガリレイ 「では、その震える手をそっと取って包んであげるような感じで……一言。」
『バイドが……』
GM 「……………………それを、言ってしまいましたね?」
ガリレイ 「……はい」
GM 「分かりました。さて、彼女がその言葉で恐慌状態に陥るか、あなたの外交値で判定していただきます」
ガリレイ 「……はい……」(←外交値10)
GM 「ただし! あなたは三日間、ずっと一緒に彼女と親密に過ごしていました」
テイトク 「おっ!?」
ガリレイ 「……はい。片時も離れず、一緒にいました」
GM 「彼女にこの判定をする者がそのように彼女と過ごしていた場合、1日につき判定に+20%のボーナスが加わります。すなわち、合計+60%のボーナスを差し上げます!」
テイトク 「おお……すげぇ!!」
ケイ 「素晴らしい……!」
GM 「ちなみに《交渉》のスキルなどがあれば、さらに有利ですが……ないよね?」
ガリレイ 「それはないので、70%で判定ですな。……ロールプレイとしては……恐慌状態になりかけるっていうのは、何か叫びだすとかそういうことですか?」
GM 「いいえ、これはもっと根深いものです。今後のシナリオ上での、彼女の行動などがすべて決まります」
ちなみにもちろんPLにはこの時伝えていませんが、もし、彼女が恐慌状態に陥った場合……。
多くは語りませんが、彼女も、そしてその娘であるリタも、決して幸せとは思えないであろうことになる結論に彼女は至り、独断で行動し、そして恐ろしい事件を引き起こすことになります。
無論、それらは後からPCたちが止めていくことも可能なのですが、それはもちろん行動の消費に繋がっていくのです。
ガリレイ 「……なるほど、なら紳士的に、目を強く見つめて……『落ち着いて、ください……!』」
GM 「おお、ならさらに判定値に+10%をあげよう」
ガリレイ 「OK、それなら判定値は80%……(コロコロ)……クリティカルしなかったけど、普通に成功!」
GM 「…………了解しました。彼女は恐慌状態には陥らず、あなたの真摯な態度を見て、落ち着いた表情のままです。『……分かりました、話してください』と、協力的になります」
ガリレイ 「では、今私が知っている状況を話します。私が知っているのは、近くの宇宙空間に琥珀色の光が溢れだしており、それはバイドが漏れ出し、拡大していることの証だということを」
GM/エレナ 「なるほど……それは……協力的で、なおかつ……(シナリオを確認しつつ)了解しました。それを聞くと、何かを思い出したかのようにはっと顔を上げまして、『ひょっとして……あの……夕日が、濃くなりませんでしたか……?』」
ガリレイ 「『ええ、一昨日から』」
GM/エレナ 「『主人が亡くなった時も……夕日の色が、変わって……』」
ガリレイ 「……ビンゴ! 『それから、惨事になるまで……どれくらいの時間がありましたか?』」
GM/エレナ 「『…………夕日に気が付いて……コロニーの私たちが襲われる日まで……間は……』」
『4日ありました』
ガリレイ 「……!!(無言で固まる)」
テイトク 「ま、待て!? 一昨日に夕日が濃くなって、それが二日目の夕方だったから、それで今日が滞在4日目で……!?」
ガリレイ 「……三日ですね。今日を入れて、有余はあと三日」
GM 「はい。具体的には、もし過去の事件と今回の事件が同じなら、滞在7日目に彼女がバイド汚染を受けた時のような展開が起こる可能性があります」
ガリレイ 「7日目の昼の行動は、とれる有余がありますか……?」
GM 「彼女の話通りなら、昼は行動できますね。何か起こるのは、夜のフェイズからです」
ガリレイ 「なら、ルール的には7日目昼までは行動できるってことですね!」
テイトク 「OK、これが分かったのはでかいぞ! ウェーバー君のナンパっぷりに、今回は完敗だね!」
GM 「(ええと、あと彼女がもっている情報が……)では、誰か彼女がトラウマに負けずほかのことを思い出せるか、諸々修正を入れた結果の判定値50%で判定してもらえるかな?」
ガリレイ 「なら、やっぱり自分が。彼女の天性は?」
GM 「無論、平穏無事だよ(笑)」
ガリレイ 「(コロコロ)……うーん、なんのことかなー?」
ユージ 「Oh……」
ガリレイ 「残機ポイントは、まだ腐るほどあるぜ!」
GM 「うーん、これは君ではなく彼女の判定なので、本来残機ポイントは他人には使えないから不可なんだが……いいだろう、これまでの献身を見て許可しよう」
ガリレイ 「わーい!(コロコロ)クリティカルはしない、成功!」
GM 「ならもう一つ、思い出せそうで思い出せなかった情報を思い出してくれますね。『そういえば、主人が出撃する前に、変わったことが……』」
ガリレイ 「『変わったこと?』」
GM 「『はい。出撃する前に、何か……周囲に何かを集めるんだと、いろいろと飛び回っていたようです』」
ガリレイ 「集……める……?」
ユージ 「! そうか、冥王星の事件はなんだかんだで鎮圧できてて、コロニーは無事そのまま使われているんだよ!」
ガリレイ 「……それは、エーテリウムではありませんかね?」
GM 「ほほう、鋭いね! それを言い当てたなら、判定の必要はもうない。『そう、それです! 近所の鉱石商や、板金工場なんかを当たっていたようです』……というワケで、6年前の事件の際、軍はエーテリウムを集めていたことが判明しました」
テイトク 「……まさか、エーテリウムに反応してアレが来たとかないよなぁ?(汗)」
GM 「この程度の採掘量で来るなら、宇宙は今頃大変なことになってるでしょうな(笑)」
ガリレイ 「なら、エーテリウムを集めていたのは、軍が何かに使うためか……それを集めていたのは、夕日が変わってからですか?」
GM 「エレナさんに確認すると、後のようだね」
ガリレイ 「やっぱり、対策のためだな」
ユージ 「エーテリウムっていうのはそもそも、異層次元航法推進システムに使われているんで、空間に対する干渉力があるはずなんだよね……」
テイトク 「なるほど、その干渉力を利用して何かをした、ってことか……!」
ガリレイ 「『分かりました、ありがとうございます。他になにか、お気付きの点などは?』」
GM 「彼女は今のところ、ないと言ってますね」
ガリレイ 「了解です。……では、目に力を込めて、『ありがとうございます。エレナさんのおかげで、トリトンYは救われるかも知れません……! 僕たちも頑張りますので、どうか落ち着いて行動してください』」
GM/エレナ 「では、そちらの手をぎゅっと手に取って、『おねがいします。……あの子のためにも……! でも、本当に、危なくなったら……逃げてください……』」
ガリレイ 「……うーん、そう言われると……えーと、誰もいないんだよね? じゃあ出ていく前に、抱きしめてキスする、で☆」
一同 「おぉぉぉぉぉぉう!?」
GM 「それはもう、びっくりしちゃって抵抗とかそういうレベルの話じゃないね(笑) ……ただし、そうやってから去っていこうとするなら、こう呟いてしまうな……」
『……主人はそう言ってたのに……死んだんですよ……?』
ガリレイ 「……では振り向いて……『僕は……死にません!』」
GM 「そうですね、そう言われるとはっと気づいて笑顔を無理矢理にでも作って見送ってくれます」
テイトク 「死亡フラグゥゥゥゥゥゥゥ!!(笑)」
ユージ 「ちくしょう、この未亡人マジでたまんねぇ(笑)。とりあえず、絶対この人も守る!」
ガリレイ 「では、私の昼の行動はこれで。もちろん情報は全員に公開します。……キスしたことは話しません(笑)」
ユージ 「ちくしょう、ツッコミ入れたかったのに!」
エレナがトラウマを制して回復した記憶により、光明を見出した一同。
しかし、まだまだ情報は足りません。そもそもエーテリウムを集めて冥王星宙域駐屯部隊が何をしていたのかが、まったく不明なのです。
ガリレイ 「よし、引き続き歪みの情報収集も必要だけど、エーテリウムが何のために必要だったのかは、情報を掘っていけば分かると思うんで、情報を掘りに行けないメンツは先にエーテリウムを集めるために動く。掘れる人は、引き続き判定ですね。ケイさんには、仲のいい採掘者のおっちゃんたちに話を聞いてくれると助かります」
ケイ 「了解しました!」
テイトク 「幼体固定だから、話を聞いてもらえるかがちょっと不安だけど……」
GM 「いえ、挨拶の時とかにいい態度で接してもらいましたし、その後も向こうから声をかけてくるくらいですから、ちゃんと聞いてくれると思いますよ」
ユージ 「あと、今あるエーテリウムの総量。これもできれば確認してもらいたい」
ケイ 「なるほど……」
ガリレイ 「で、私の方は代表のところに行って、エーテリウムの話をしてみようかと思います」
テイトク 「うーん、エーテリウムをどうすればいいのか、調べられるかな……?」
ガリレイ 「冥王星の部隊は少なくとも、何をすればいいのか知ってたはずなので、軍関係に当たれば分かると思うんですよ。で、《コネクション》がない我々が今当たれる軍関係者というのを考えると……ジョセフ」
ユージ 「……だね! だけどそれをやるには多分ユージが一番いいと思うんだけど、すると《知識(バイド)》の判定ができなくなっちゃうという……」
ガリレイ 「となると、やっぱり一番優先すべきは、情報掘りの方だと思います」
ユージ 「まぁ、万が一だけど、彼が丸きり全部知ってるかも知れないよね(笑)」
テイトク 「調べてないけど、場合によっては冥王星部隊の生き残りの可能性もあるんだよね!」
ガリレイ 「いや、それにしてはジョセフは若いんですよ。あと、生き残りに退役した人間はいるか? と聞いた時、退役せずみんな別のところで戦ってるって言われたんで、ジョセフはそこの部隊の退役者ではないんです。
……まぁ、ジョセフは関係なくても友達にえらい人とかがいるかも知れないから、話を持っていったら実は僕のパパが元帥でね〜という話が」
GM 「ねぇわ!!(笑)」
とりあえずまずは後の行動に影響する情報が出るかも知れないと、ケイが第二居住区のおっちゃんたちのところへ向かいます。
ケイ 「では、行きます! まずはリッちゃんに挨拶をして……」
GM/リタ 「『いってらっしゃ〜い!』と手を振って見送ってくれますね」
ケイ 「で、労働者のおっちゃんは、どれくらいいるんですかね?」
GM 「まぁ、最初から触れている通り、まばらとはいえ結構な人数はいるかと。あと、いつも話しかけてくれる例のおっちゃんは見つかりますよ」
ガリレイ 「イラストはないんですね?」
GM 「さすがにねぇよ(笑)」
ケイ 「ではよく挨拶するおっちゃんに話しかけますね」
GM/おっちゃん 「『おう、嬢ちゃん今日も元気だね!』」
ケイ 「『子供は風の子って言うしね!』」
GM/おっちゃん 「『おう、そりゃいいことだ! アメちゃん食うかい?』」
ケイ 「『ありがとー!』」
GM/おっちゃん 「『んで、どうしたんだい、こんな時間から?』」
ケイ 「まずは……『ここで掘れるものって、どんなものがあったっけ?』」
GM/おっちゃん 「『そりゃ前もいったろ、水素やらメタンやら……で、時々昔のマグロ漁みてぇによ、エーテリウムが出たぞーって時はみんなで掘りにいくのさぁ』」
ケイ 「『へー。エーテリウムってどれくらい手に入るものなの?』」
GM/おっちゃん 「『あん? でもまぁショボいもんよ。砂金を川であさるよーなもんさ』」
一同 「ぐおっ!?(汗)」
GM/おっちゃん 「『まぁ、そうしてせこせこ集めたエーテリウムはよ、一か所に集めて管理すんだ。それを管理してんのぁ、マルコさんだよ』」
ユージ 「……まぁ、そうなるよなぁ(汗)」
ガリレイ 「あとは総量ですね。なにせ外交値10の俺が行くと、マルコに《欺瞞》される可能性があるから(笑)」
ケイ 「では、聞いてみますけど」
GM/おっちゃん 「『そーだなぁ……何年も何年も、オレっちとかおっちゃんたちが生涯掘ってきた量は、結構なもんよ』……あ、そういえばこのおっちゃん、ケイを傭兵部隊の人だと認識してるんですかね?」
ケイ 「多分、言ってなかったですね」
GM/おっちゃん 「すると……『そうだなぁ。あのでけぇ軍艦あんだろ? あの船の戦闘機とかなら、何隻か作れるくらいの量があんだろうよ』」
ユージ&テイトク 「おおーっ?」
ガリレイ 「ということは、4ケタクラスか。かなりの量だな」
ケイ 「一応、使い道についても聞いてみますけど」
GM/おっちゃん 「『売るしかねぇなぁ(笑)』」
ケイ 「ですよねー(汗)」
なんとかエーテリウムのあてがマルコであることが判明し、またかなりの量がある可能性があることも判明しました。
ついでにジョセフについても聞いてみましたが、不思議な画家さんということ程度の認識で、おっちゃんたちが彼について何か知っているということはありませんでした。おっちゃんは帰るケイにたくさんのアメちゃんをくれ、ケイはそれをリタちゃんへのお土産に持って帰ります。
GM 「では、これで昼の行動は全員終了。滞在4日目の夜ですね」
ユージ 「ジョンは、ずっとあそこにいるって言ってたんですよね……」
ガリレイ 「とはいえ、夜までいるかは分かりませんよ? 連絡先も交換してないんですよね」
ユージ 「そーなんだよねぇ(汗)」
テイトク 「明日行くならユージ以外にも、ジョセフのところには《欺瞞》や《交渉》があるから、私も同行してってもいいかもねぇ」
ガリレイ 「正直、ユージさんには《知識(バイド)》の判定を続けてほしいから、むしろ明日は繋がりこそないけど、テイトクやほかの人が行って話を……(ケイの方を見て)……ジョセフ、隠れロリコンとかじゃねぇかなぁ……」
テイトク 「それなら、こっちは情報収集してた方がいいかねぇ?」
ガリレイ 「どっちに行くのがいいか、正直私も自信を持っては判断できません。ジョセフが情報を持っている可能性はもちろんあるけど、それを言ってくれないとかいう可能性もあるので……まぁ、まずは今夜の行動ですよね。私はできれば今夜のうちにジョセフのところに行ってみたいんですが、まずは先に歪みの情報の判定をお願いします。その結果で行動が変わることもあるので」
テイトク 「おっしゃ、まずは《指揮》!(コロコロ)……62、じゃない、26! 成功!」
ユージ 「第三段階だから……判定値は-30されて、75%。クリティカルは15%以下……! 行くぜ!!(コロコロ)……12!!」
一同 「クリティカルきたぁあああああああああ!!」
GM 「ま、また情報収集で、3回目のクリティカルだと……!? では、一気に第三段階、第四段階の情報が公開されますね」
ガリレイ 「私の読みでは、あと一段階です!」
GM 「いや、安心しろ。もう次の段階がないことが分かる。初心者向けということで、4段階目までに減らした(キリッ)」
ガリレイ 「…………ということは、やっぱり最初は5段階だったんかい(笑)」
GM 「というワケで、一気に情報が開きましたね……まず第3段階ですが、これは拡大速度についてなので、調べてみるとエレナが言っていたのと同じ期限が判明します。そして最後の、第四段階目が……『対処法』、です」
テイトク 「おお、来たっ!!」
この不滅の脅威に対抗しうる方法は、ただ一つ。空間もろともに、この存在を「弾き飛ばす」しかない。
その方法とは、エーテリウムから得られる異層次元航法エネルギーを、波動エネルギーで収束して放出する……
すなわち、「エーテリウムブースター」を用いた「エーテリウム波動砲」を、中核に叩き込むことのみである。
ガリレイ 「エーテリウム波動砲……?」
ユージ 「これを作るための技術力……足りるのか……!?」
GM 「あと分かることですが、エーテリウムブースターを作るには、まずエーテリウムが大量に必要になります」
テイトク 「どれくらい必要かは分かりますか?」
GM 「1000です」
ユージ 「……せ……ッ!?」
現在ザブングル突撃輸送兵団が持っている、機体修理用などの備蓄のエーテリウムは、余りに余っていると言われる状態ですがそれでも200。
1000という量は、はっきり言って傭兵部隊がお目にかかれるレベルの量ではありません。
ガリレイ 「……了解です。では具体的にエーテリウム波動砲を撃つには、どうすればいいんでしょう?」
GM 「エーテリウムブースターという装置を作り、装備した機体が通常のように波動砲を発射すれば、それは自動でエーテリウムと波動エネルギーが反応し合ったエーテリウム波動砲となります。そしてそれを、あの現象の中核に撃ちこむ、以上です」
テイトク 「ちょっと、それ……あの空間のド真ん中に突っ込む、って……!?」
ガリレイ 「……エーテリウムブースターの、作り方については?」
GM 「それはこの情報からは分かりませんね。これはあくまで、《知識(バイド)》の判定ですから」
ガリレイ 「すると……《オールテクニクス》での判定か!?」
GM 「いえ、これも《情報処理》ですね……あ、あと今更で申し訳ないですが、カタストロフが起こり始めるのは推定滞在7日目からですが、それはあくまで起こり始めであって、いきなりコロニー全滅、というワケではありません」
テイトク 「……ああ、なるほどね、1日目、2日目、3日目とじわじわと……(汗)」
ガリレイ 「それで、バイド汚染の崩壊判定に失敗した人間から順番に消えていく、と……」
バイド汚染を受けた人間は、[(現在の生命点+現在の精神点)-(バイド侵食率)]%の判定に失敗すると、即座にバイド化し、消失します。この判定を、「崩壊判定」と呼びます。
バイド汚染による侵食率の上昇は通常の場合、1D10ほどずつ受けるのがふつうです。そうしてバイド侵食率が1%でも増えるたびに、汚染された人間は崩壊判定を強いられます。何度も侵食を受け続ければ、崩壊判定の目標値は下がっていき、やがては抗えなくなってしまうのです。侵食率が高まっていなくとも、生命点や精神点が減った衰弱した状態になれば、抗う力が弱まってしまいます。
ユージ 「なるほど、バイドハザードが起きるワケですな……」
GM 「いや、『バイオハザード』じゃねーから! 誰がうまいこと言えと(笑)」
テイトク 「いや、かなり近いと思うけどね。阿鼻叫喚の地獄絵図になるぞ……」
ガリレイ 「とにかく、この得られた情報を持って……私は行先はジョセフじゃなくて、マルコに変更します。まずマルコに電話!」
GM/マルコ 「『……ぁぁ? なんだ、こんな時間に?』」
ガリレイ 「『ひっっっっっじょーーーーーーーに重大なお話があるので、時間をください!』」
GM/マルコ 「『ぁぁ? (とてもけだるそうに)なんだ? 電話でいい話なら、このまま電話で聞くが?』」
ガリレイ 「『……いえ、電話ではなく、直接お会いしたい。今、これから』」
GM/マルコ 「『んん〜?』と渋りますね。これは《交渉》が必要です」
ユージ 「……こ、このクズ男……(汗)」
ガリレイ 「電話口で《交渉》かよ(汗) スキルがないと、外交値そのまんまですかね?」
GM 「マイナス修正は、なしでいいでしょう」
テイトク 「そこに《指揮》は飛ばせます!?」
GM 「ふむ……可能ですな」
テイトク 「(コロコロ)成功! +25%!」
ガリレイ 「これで35%……では電話口で、『このコロニーを、滅ぼすおつもりですか?』」
GM/マルコ 「『なっ……!?』と、激しく動揺しますね。さらに+20%のボーナスをあげましょう」
すでにお気付きの方も多いと思いますが、マルコの基本的な考え方は「自分が一番大事」。このコロニーを基盤として彼が得ている利権や立場などを考えれば、この一言はとても看過できるものではありません。
ガリレイ 「なら、目標値は55%で判定!(コロコロ)68は失敗……なので振り直す。まだ残機はあるんだ(コロコロ)……成功!」
GM/マルコ 「『わ、分かった。ちょっと待っていろ!』と、あわてて通信機を切って、血相変えて向こうから車で飛んできますな」
ガリレイ 「こっちから行ってもよかったんだが、まぁいいや(笑)」
GM/マルコ 「『で、一体なにがあったってんだ!?』」
ガリレイ 「では、この段階で情報を公開します。一昨日からバイドによる宇宙空間の侵食が……」
GM 「ほっほーぅ、マルコにそれを明かしましたね? エレナさんの時と一緒です、彼が恐慌状態に陥るかどうか、判定をしてもらいましょうか。しかしだれもマルコには、話しかけたりとか説得したりとか、だれもしてなかったよねぇ(にこにこ)」
ガリレイ 「……してなかったですね」
テイトク 「となると、プラス修正がないねぇ……」
GM 「というワケで、明かした人間! 外交値そのままか、《交渉》スキルなどで判定してもらおうか?」
彼が恐慌状態に陥ったら……言うまでもなく、何が起こるか、聡明な読者の皆さんならある程度は予想がつくことでしょう。
そして彼と親しくするような人物は、まずいないとマスターも想定しています。彼に真実を告げるのは、当初PLたちが予想した通り、かなりの地雷です。現に今、ガリレイが外交値10で判定するような状態に陥ってしまいました。
……ですが。
ガリレイ 「では、マルコが恐慌状態に陥りそうな兆候を見せた段階で、持っているゴム弾の拳銃を抜いて、天井に向けてバンバンバンバン!! と撃ちます」
GM 「え、え!? このかんぽの宿で!?」
ガリレイ 「ええ、撃ちます! そして、『落ち着け!!』と大喝します!」
GM 「(むぅ、マルコは自分大事だから、こう命が危なそうなことをされると……)では、判定に+30%のボーナスをあげましょう」
ケイ 「上手い……!」
テイトク 「やっぱ慣れてるねぇ(笑)」
ガリレイ 「すると判定値は40%だな……」
GM 「ああ、ただし……(こっそりコロコロ)……あ、駄目だ。その銃声で建物内のリタが起きるか判定をしたんですが、99とか出たからぐっすり寝てる(笑)」
ガリレイ 「99かよ!?(笑)」
GM 「見てみろよ! ダイスの神様、空気読んだな!(笑)」(マスタースクリーンを外して出目を公開)
テイトク 「うわぁ、ホントに99だ……(汗)」
今さらですが、GMは「マスタースクリーン」と呼ばれるものやほかの衝立などを使い、シナリオが書かれた紙や、判定で使うサイコロをPLたちから見えない状態にしてセッションを進めるのが普通です。いわばスクリーンの内側には、シナリオの秘密がぎっしり詰まった、アンタッチャブルな空間であると言えます。
つまり普段GM側は、スクリーンの内側でサイコロを振り、PLに見えない状態で出目を申告するのですが(どうしてもシナリオ上致命的な不都合が出る出目が出てしまった場合などは、物語の方を優先して出目を虚偽申告することも、GMのそれぞれのスタイル次第ですが稀にあります)、あえて今のように出目をPLに公開したり、PLの目の前でオープンでサイコロを振ったりする(オープンダイス)ことも、セッションの場を盛り上げるためのテクニックの一つです。ただしもちろん公開するサイコロでの判定は、絶対に虚偽申告できないワケですから、出目次第では大変なことになりますが……。
ガリレイ 「……そうか、リタが起きてくる可能性は失念してた。とりあえず判定だ! 残機ポイントはまだ1点ある……逆に言えば、あと1点しかない(コロコロ)……よし、成功した!」
GM 「なんだと!? ではエレナさんと同じく、彼も協力的になる。それどころか事実を知ると、あわてて『た、助けてくれ!!』とすがりついてくるね(笑)」
ガリレイ 「『安心しろ、まだ時間はある。空間侵食は始まっているが、影響が起こり始めるのは明々後日からだ。俺はこのコロニーを守りたい、だから協力してくれ!』」
GM/マルコ 「……えー、彼はとっても生き残りたいです。というワケで、そう言われると判定の必要もなく、『わ、分かった協力する! 何をすればいい!?』」
ガリレイ 「『まずはエーテリウムブースターを作るために必要な、エーテリウムが1000必要だ』」
GM/マルコ 「『何、そんなもんで助かるのか? ならいくらでも出してやるぞ、溜めこんである! 戦争が進んだら、高値で軍に売ろうと思ってたんだ!』」
テイトク 「よし、これで条件の一つはクリアーした!」
ガリレイ 「『それはすぐに宇宙港に運び込んでくれ。あとあんた、地球連合軍にコネはあるか?』」
GM/マルコ 「『んなもんねーよ!』」
ガリレイ 「ない、か……」
エーテリウムブースターの作り方について、知っていそうな技師や地球連合軍関連のコネを持っていそうな人脈などを聞いてみましたが、マルコはそのいずれも持っていませんでした。
ガリレイ 「『……分かった。作り方についてはこっちでなんとかする。あんたは作業できそうな人間を集めておいてくれ』」
GM/マルコ 「するとすぐに夜でも構わず、あちこちに連絡し始めますね」
ガリレイ 「『あ、あとあんたはコロニーの代表だ。このコロニーは必ず守る! 代表のあんたが浮足立ってちゃ、みんな自分の力が出せない。だからあんたはまず、落ち着いて対応するんだ』」
GM 「……むぅ。しっかり釘を刺されたので、恐慌状態で電話をかけて回ったりなどと言ったこともありません。余計なことは起こさないでしょう」
テイトク 「ああ、ということは本当は余計なことを起こす予定だったのか(笑)」
ガリレイ 「パニックからの暴動、っていうのが一番まずかったですからね」
GM 「(……読まれてるなぁ)」
なんとかマルコはパニックを引き起こすようなこともなく、比較的冷静に事態に対応することとなりました。
そしてここで、テイトクがあることに思い当たります。
テイトク 「そういや、私は前に冥王星宙域の事件についてクリティカルで判定成功してたよね? この事件でも多分、エーテリウムブースターは使われているはずなんだ。ここから作り方とか、あるいは当時の作戦指揮官とか作戦の概要とか、分からないかな?」
GM 「……最初に言ったように、それは民間レベルからの情報です。しかし現在、《知識(バイド)》で判明する情報はすべてオープンされました。そして先程クリティカルしているため、情報が2段階目まで公開されており……さらに《知識(バイド)》の情報のフルオープンによりまして、隠されていた三段階目の情報が出現します。《情報処理》の修正なしの判定に成功すれば、より詳細が分かるようになっています」
ガリレイ 「ただ、それはもちろん行動を使うんですよね? 今回は《指揮》を使っているから、この夜艦長には行動がない」
テイトク 「そうかー……」
ガリレイ 「あとはケイさんですけど、知性値の判定は無理だから……パニックを防ぐような行動とかですかね。えっと、何すればいいんだ(笑)」
ケイ 「(えらく唐突に)歌います。」
ガリレイ 「…………………………ええと、歌? 判定はどの能力値でしょう?(汗)」
GM 「ただ歌うだけなら判定はいらん。だが単に歌うだけでこの事態を収め、パニックを鎮めるような歌を歌いたいなら、何にしろ判定に−200%くらいの修正はかけるがな(笑)」
ユージ 「なんというマクロス展開(笑)」
GM 「ランカさんの歌は200%以上はあったよ!」
いまだに、コロニーの人々は起こっている事件のことをほとんど知らず。
そのような中でも、確実に琥珀色の宇宙は拡大し。
しかし、その対策や情報についても、出揃いつつあります。
……望まれたものも、望まれざるものも。
ケイ 「……では、せめてこの宿の人にだけは、今夜のうちにでも……多分ボクはパイロットだということは打ち明けていなかったと思いますけど、自分の実力にも、隊の実力にも、それなりの自信はあるつもりなので、そのことを告げて少しでも勇気づけようとします。『大丈夫です、この艦隊ならなんとかなります!』」
GM 「……それは、エレナさんはもうガリレイに話を聞いているので、少し瞳にうるっと涙を浮かべて、『ありがとう……』とほほ笑んでくれますね」
ガリレイ 「……正直、能力的には、多分エーテリウムブースターを詰んでいくのはそこの機体になります」
ケイ 「……ですよね……」
ユージ 「最悪、歴代『R-TYPE』の主人公みたいに、帰ってこれないぞ……?」
GM 「ちなみにリタの方は、先ほどの出目の通り、今夜はぐっすりと寝ていますが」
ケイ 「……それは……明日、言います」
テイトク 「では、一晩明けて5日目に入ります、か……」
そうして、激動のままに夜は明け。
滞在5日目の朝が、静かに訪れます。