※PLキャラクター(プレイヤーキャラクター、略してPC)の能力等はこちら(別窓で一覧ページが開きます)
04 それが、僕らの決めたこと
2191.03.05 AM06:49〜(トリトンY内)
BGM ステージF-B(夏の夕暮れ)(R-TYPE FINAL)
夜が明け、そして迎える滞在5日目の朝。
町には少しずつ、昨日のより色濃くなった夕日の噂が流れ……その空気が、変わり始めていました。
白色光が強めに設定されている朝日のホログラフが、まだオレンジ色に変化していないのだけは、救いではありましたが……。
GM 「では、5日目の昼フェイズ。先程言った通り、行動を消費して《情報処理》の修正なし判定に成功すれば、エーテリウムブースターの作り方は分かりますが?」
テイトク 「まずはその判定からですね。判定値は……55%!(コロコロ)16! いった!」
GM 「では、作り方が分かりましたね。構造的には非常に単純なもので、出港準備しつつ作れるくらいのものです。簡単な反応推進装置の先端に、エーテリウムを触媒として核ミサイルの核物質のごとく詰めるだけですからね。あとはその臨界に達したエーテリウムに反応させつつ、波動砲を発射するだけです」
ガリレイ 「となると、作ることによる時間のロスはなし、か。ルール的には、チャージした波動砲を目標に撃って、当たればそれでOKという感じ?」
GM 「そういうことになりますね〜。ちなみに、このブースターを積んでも戦闘中は何のペナルティーもありませんし、積んでいる間もスイッチで切り替えておけば、ブースターを使わずに通常の波動砲が発射できます。艦載中なら、ほかの機体にすぐ積み替えることもできますよ」
ケイ 「ということは、撃墜さえされなければいいんですね」
GM 「そうですね。撃墜されたら、積んでいたブースターは一緒に失われます」
テイトク 「そしたら、それこそゲームオーバーだぜ……」
ガリレイ 「エーテリウムに余裕はありますかね? できれば、予備を作ります」
GM 「そうですねぇ……艦にあるエーテリウムも合わせれば、まぁ2つは作れるでしょう。その分整備班が忙しくなりますけど(笑)」
テイトク 「シエスタ、マジ頑張れ!(笑)」
艦の整備班、ならびにマルコが呼び出した技術者たちの手で、エーテリウムブースターは瞬く間に組み上げられていきます。
そして同時に、前々からPLたちの要請があって進めていた出港準備も、この時点で整いました。
ガリレイ 「これでテイトクの行動は終了、残りは我々3人ですね。昨日のクリティカルでユージさんの《知識(バイド)》判定は終わってるので、フリーになってジョセフに会いに行くこともできるようになりましたよ」
ユージ 「彼に聞くことって、何があったっけ?」
ガリレイ 「前回の事件(冥王星宙域)に関係があるかどうか、あとはコネがあるかですね」
テイトク 「うーん、こちらは行動終了してるから、《指揮》で援護はできないんだよね……」(←その場にいなくても、音声などでその場の状況さえ把握できるなら通信で《指揮》を飛ばすことはできる)
GM 「あと、それだと通信機を耳に当てながらジョセフと話すことになりますので、ユージさんは不審がられるでしょうな(笑)」
ユージ 「OK。それじゃあ、ジョンに会いに行きましょう!」
GM 「ほうほう……」
急ぎ、公園区へと向かうユージ。
道すがら街中の反応が分かりますが、不安が広がっているのが明らかに伝わってきました。大型拳銃を相変わらず提げているユージに対して今はまだ変わった反応がありませんが、混乱がこれ以上進行した場合、どうなるかは分かりません。
ユージ 「では、そのまま展望台のところに行って……『Hello, Joe!』(←超巻き舌)といった感じで挨拶を(笑)」
一同 「そんなテンションなのー!?(汗)」
BGM 青葉公園(『ペルソナ2罪』サウンドトラックより)
GM 「では、ジョセフはまるで昨日から微動だにしていないかのごとく、まったく同じ場所で絵を描いていますね」
ガリレイ 「…………やっぱ今までもだけど、人間っぽくないよなぁ(汗)」
GM 「そして絵の中で、オレンジ色の光が広がり、周囲の宇宙を飲みこんでいます」
ユージ 「……『君も、こういう絵を描いているんだね』(嘆息)」
GM/ジョセフ 「『……ん? ああ……そうだね。私には、こういう風に、感じられるから……』」
ユージ 「『今、町の人たちがウワサしていること、君は聞いているかい?』」
GM/ジョセフ 「『ずっと、絵を描いてるんだ。噂話なんて、知っているはずがないさ』」
ユージ 「『そうか……。言ってしまうけど、今このコロニーは……』って、ええと、待て待てこれは言っていいのか……?」
ガリレイ 「問題はこの光が何なのか、彼が知ってるかどうかですな」
ユージ 「うん、そうだよね……。『君が描いているその光、そしてコロニーの外に見えているあの光。これについて、君は……何か知っているのかい?』」
GM/ジョセフ 「『ふむ……』と、一度、絵筆を止めますね」
そして、キャンバスの前から、彼はユージが知る限り、初めてその身を動かし。
ユージの方へと、ゆっくりと向き直りました。
GM/ジョセフ 「『その質問に答える前に、まずは私から質問させてもらいたい』」
ユージ 「……?」
GM/ジョセフ 「『君はこれから、どうするつもりだい?』」
ユージ 「どうする……つもり? 『それはもちろん……契約と、自分の守りたいもののために誓って、このコロニーをあの現象から守る!』」
GM/ジョセフ 「(ほう……)では、しばし間を置いて……『あの現象に……君たちの戦力で、勝てるとは思えない。それでも、まだやるのかい?』」
ユージ 「『それでも、やらなくちゃいけないことがある……』」
テイトク 「……ん? こっちの戦力のことを知っているのか?」
ユージ 「『そういうことを言うってことは……アレが何なのか君は知っていて、そしてそれに対処するための方法を知っているんだね!? それを話してくれないか!?』」
GM 「なるほど……では……」
ユージの、必死の願いを、真摯な姿を、その決意を目の当たりにし。
ジョセフは、にっこりと微笑んてから……
GM/ジョセフ 「『……分かった。しかし私は、口で語るのが苦手だ……』」
ガリレイ 「拳で!?(笑)」
GM 「……とだけ言いますと……ああ、ここまで来ちゃいましたね。では、彼の姿は、前触れもなく溶けるように、消えてしまいました」
ユージ 「ちょっ……!?」
ガリレイ 「……まぁ、目の色が琥珀色じゃなかったとはいえ……ねぇ(汗)」
GM 「そして不思議なことに、声だけが聞こえてきます。『ならば最後まで見せてくれ、君の覚悟。……私は、見ているよ』」
テイトク 「これ、完全にバイド化しちゃってるよね……?」
ガリレイ 「いや、もはや過去にバイドだったかも知れないけど、それ通り越して神のレベルでしょうこれは……。超然としていたのも、こいつにとってはこの事態が俺ら矮小な存在が頑張っているというだけで、どうなってもいいからじゃないかな? いや、何の根拠もないんだけどね?」
ユージ 「頑張っている生命(いのち)を見て、ということね……」
ガリレイ 「そう。そういう姿を、見たいんじゃないかな? もしこれがバイド側なら、あの光を見て『ふはははは、あれこそがバイドの光だぁー!!』とか」
一同 「ねぇよ!(笑)」
GM 「というワケで、ジョセフ・ロッドマンは跡形もなく消えてしまいました。彼が描いていた絵もまた、残されていません」
ユージ 「分かりました。その不可解な現象にユージ君はすごく驚きますが……彼の言葉が頭に浮かんで、必ずやってやる! と意気込みを新たにします。この場ではもう、できることはないな……」
行動を終え、帰路につくユージ。
ジョセフの残した言葉、「君たちでは勝てない」というものが、エーテリウムブースターを使うという手段が間違っているという意味なのでは? あるいは純粋に、戦力が足りないということなのか? ということで、PL間で慎重な話し合いが続きます。全知全能の存在にすら見えるジョセフの言葉に、かなりの信憑性を感じたゆえでしょう。
なにせ、ここからは時間との勝負。行動を費やして情報を漁るなり、出撃のための準備を重ねて整えるなりすることは時間の経過を意味し、その間も事態は悪化していくので。とはいえ、準備不足で急いで突入したとしても、それで負けてしまっては元も子もありません。
ケイ 「……戦力が足りるかどうか、分かる術はあるんじゃないですか? 冥王星の時のデータを調べれば……」
GM 「(お、気付いたか)ほうほう。では、それは行動を使って判定し直さなくても、クリティカルで成功してますし分かることにしましょう。冥王星での作戦に従事した、その防衛部隊の規模は……」
テイトク 「ふむふむ?」
GM 「一個連隊です」
ユージ 「…………………………………………連、隊?」
テイトク 「……え、連隊? 連隊!?」
これはこの『R-TYPE TRPG』の世界に限らず、あらゆる世界観でも同じことですが、軍隊の部隊規模というのは地方、軍の種類などでまちまちとはいえ、大まかには一番小さい規模の「小隊」から順に、「中隊」、「大隊」、「連隊」、「師団」(最後の方はもっと別の単位があることも多い)の順に大規模になっていきます。
編成の仕方がまちまちとはいえ、最低でも今回のPCたちの部隊の規模が1小隊として、3小隊で1中隊、3中隊で1大隊、3大隊で一個連隊、というくらいの規模の違いはあるでしょう。この最低限の場合でも、PCたちの部隊と冥王星防衛部隊の戦力比は、27倍です。(セッション中にマスターが計算違いで、81倍などとも言っていましたが……)
ガリレイ 「……単純に、戦力が足りないということか……!」
ユージ 「いや、でも冥王星の時は、完全に受けに回ってたんでしょ? 向こうが成長しきっちゃってたワケで」
テイトク 「まぁ、前例がなかったならそうなってもしょうがないよね……」
ユージ 「こちらが先手を取って中核にエーテリウム波動砲を叩き込めれば、なんとか!」
テイトク 「サイズ的には、冥王星の事件の際の歪みの大きさはどれくらいになってたか分かりますか!?」
GM 「ふむ……サイズ的には、ちょうどこちらの滞在7日目夜に達するであろうサイズと同じになりますな」
テイトク 「ということは、今のうちなら敵の量も少なくて済むはず!」
ケイ 「7日目夜だと、連隊クラスの戦力が必要になるってことですかね……」
ガリレイ 「もう出港できるなら、最短で今日、5日目夜に出撃してバトルできる。そこで戦力がどれくらいになっているのかは……未知数」
ケイ 「前回より、この現象が強力という可能性もあるんですよね……? そしたら、冥王星の時よりさらに戦力が必要になるかも」
GM 「そうですね、現段階だとその可能性も調べ切れてませんね」
テイトク 「それでも、早いにこしたこたぁない!」
GM 「……ああ。あと一つ、マスターからシナリオの優しい選択肢を示しておきましょうか。あなたたちは宇宙船を持っているワケですから、もちろん逃げてもいいんですよ?(にっこり)」
テイトク 「……いや、その選択肢はないな」
もちろん、そんな選択肢を選ぶPLたちではないとは思いましたが、あえてこの選択肢は明示させていただきました。
無論、あとで「あの時、選択肢はあったんだ……」と、自分の選択による結果が出た際に、自己責任を悔いる材料にしてもらうためです(←鬼)。
ガリレイ 「今のところの選択肢は……まだ町にパニックは広がってないんですよね? なら、広がる前に出撃して、解決するというのが一つ。あ、脱出用に戦艦を残して行って……って、R戦闘機だけじゃたどり着けないんですよね?」
GM 「無論です」
テイトク 「冥王星の作戦の生き残りと、連絡は取れますか!?」
GM 「所在確認などで、当然何日かかかりますねぇ」
ガリレイ 「連合軍への《コネクション》があれば、もっと早かったかも知れませんけどねぇ……」
実際は《コネクション》スキルがあっても、後ろ盾のない自由傭兵という組織ですので、早めに連絡が取れる、ということにはならないようにシナリオ上はなっていました(太陽系外周部のあちこちで戦力が割かれているというのもその伏線)。これを可能とすると、ヘタすりゃ連合軍艦隊を増援に呼んであとは任せる! なんてことになりかねないからです。
あくまで今回は、PLたちの力(意志)で戦っていただきたかったので。
ガリレイ 「選択肢を整理しましょう。まず、5日目の夜の段階で突撃する、が一つ。二つ目は、何らかの形でコロニーの住民に事態を発表し、戦艦に乗れるだけ乗せて逃げる。……総人口の半分しか積めないから、19000人くらいは助かるけど、残り19000人くらいは死にます。そしてもちろん、依頼は果たせません。メリットとしては、我々が確実に生き延びられます」
ユージ 「確実かなぁ〜?(笑)」
ガリレイ 「まぁ、確かに太陽系全体がこの光に飲まれるってこともあり得ますからね(笑)。ちなみに突撃する方のメリットは、うまくいけば全部解決できる、依頼も果たせると。デメリットとしては、敵の戦力がどれくらいか分かりません」
テイトク 「うん、分からないねぇ……」
ガリレイ 「そして、多分ですけどこれは時間をかけて調べても分かる術がありません」
ここでちょうど、ユージ君のプレイヤー(PL3さん)のところに電話がかかってきたこともあり、タバコ&トイレ休憩の時間を挟むことにしました。
ちょうどGM側としても色々と考えてほしかったところでしたし、ちょうどよかったかと。神様、空気読むなぁ(ぇ)
ガリレイ⇒休憩中PL2 「(お茶飲みつつ)いやー……まさかキャロットキャラがうまくハマるとは思いませんでしたね(笑)」
休憩中GM 「(急ぎチョコ一気食いで糖分補給しつつ←脳みそ使いまくるのでこれ大事)ふむ、確かに。セッション始める前に決めたから、狙ってやったワケじゃないもんなぁ」
ユージ⇒休憩中PL3 「(電話を終えつつ)き、気が付かなかった……着信5回くらい入ってた(汗)」
休憩中PL2 「それが原因でなんか大変なことになったりしたら、我々としても申し訳がない(笑)」
休憩中GM 「そちらにも気を付けてもらいつつも、まだまだ頑張ってもらわねばなりませんからなぁ。皆さんには決断もしていただかねばなりませんし……」
休憩中PL3 「勝てない戦いに突っ込んで、玉砕というのも美しくはありますが……まぁ、キャラクターとしてはあの男にあれだけのことを言ったんですから、逃げる方は選ばないと思いますけどね!」
休憩中GM 「(……ほほう)」
PL3さんが電話に出られなかったのは、38000人のコロニーの住民を必死に救おうと集中してたからです。ですので電話をかけてこられた方、怒らないであげてくださいね! だって仕方ないじゃない、戦争だもの! 戦ってたんだもの!!(ヲイ)
GM 「お、タバコ組も戻ってこられた。では、再開しますかね〜」
テイトク 「早速ですが質問がありますっ! 出撃する場合、あの宇宙に接近するのにどれくらいかかりますか!?」
GM 「……ふむ、まぁルール的にぶっちゃけますと、あなた方が出撃する、と選択したフェイズにいきなりたどり着くことができます」
テイトク 「ほほー?」
GM 「それくらいコロニーに近いんですよ?(←とてもいい笑顔で)」
ユージ 「まぁ、公園の展望台の望遠鏡や、肉眼で見えるくらいですもんねぇ……」
ガリレイ 「そうか、時間はかからないのか。なら我々が失敗しても、戦艦さえ無事ならすぐに戻って、住民の半分を助けることはできる」
GM 「(……それだとコロニーが大混乱になると思うがなぁ……まぁ、そろそろ黙っておこう)」
ガリレイ 「となると、やっぱりすぐに出撃した方がいいんじゃないかなぁと思うんですけど」
ケイ 「賛成です!」
ユージ 「最後の手段として、戦艦にはなるべく後方にいてもらってコロニーに戻れるようにしてもらうってことで」
ガリレイ 「そこはそれ、R戦闘機の見せ場ですよ」
テイトク 「まさにRの華状態じゃないか!(笑)」
ユージ 「そうだねぇ、これぞR戦闘機の華だねぇ……相手がバイド帝星でも、中枢さえ壊せれば勝ち!」
ガリレイ 「そう、その昔流星派の世界でR戦闘機がとった、単機による敵中枢の破壊という作戦と同じですな!」
たしかに単機(少数)での敵中枢突入はR戦闘機の華ですけど、それやった流星派世界(『R-TYPE』シューティング側世界)の主人公機は半分くらい無事には帰ってきてないからね?(汗)
ケイ 「ケイちゃんにお任せです! ……あ、質問なんですけど、一発で倒せなかった時のことを考えて、エーテリウムブースターを1機に2発装填しておくことは可能ですか?」
GM 「可能です。ペナルティーも発生しません」
ケイ 「なら、単機で行くなら2発こちらで装備していった方がいいのかな……最初から載せていっちゃってもいいですか?」
テイトク 「どうぞどうぞ。一番回避率が高いし、戦艦に装備するために戻るヒマあるか分からないし、そこに賭けるしかない」
話し合いの結果、一同は5日目夜のフェイズに出撃することを決意しました。
となると今のフェイズ、5日目昼に行動ができるのは、まだ行動をとっていないケイとガリレイだけです。そして、これが正真正銘、コロニーでの出撃前の最後の行動宣言となります。
ケイ 「……では、リッちゃんにお話だけはしようかと思います」
ユージ 「……これが、最後になるかも知れないんだよな……」
テイトク 「死亡フラグは立てるなよ?(笑)」
ガリレイ 「え? これからもう、ギンギンにおっ立てる気バリバリなんスけど?(笑)」
ユージ 「それは立てなきゃ『R』じゃないでしょう(笑)」
GM 「では、ケイさんはリタに会いに行くと。すると今日も無邪気に、(イラストを出しつつ)『ねーねー! きょうはあそびいかないの〜?』と懐いてきますが」
ユージ 「(イラストを見つつ)……ああ、守るしかないわ……」
テイトク 「頑張るしかないな……」
ケイ 「リッちゃんに、誇らしげに『ボクは、Rパイロットなんだよ』と言います」
GM/リタ 「すると……ずっと一緒にいてくれた、君の言うことなら信じるでしょう。『すごーい!!』と、ぱちぱちと手を叩いてくれます」
ケイ 「『ザブングル突撃輸送兵団のエースパイロットで、だれにも負けないよ……いや、ちょっとリッちゃんのパパには負けるかもだけど(笑)』」
GM/リタ 「『んーん! だいじょぶだよ、おねえちゃん、きっとパパとおんなじくらいツヨイよ!』」
ケイ 「……!」
何も知らない少女は、だからこそまっすぐな目で、夢を語ります。
GM/リタ 「『あのね! あたしもね、パパみたいにつよーいつよーいRセントウキノリになるの! おねえちゃんみたいに!』」
ケイ 「…………」
ガリレイ 「……ああ、それで数年後に我々の敵討ちをしようと向かった先がTEAM R-TYPEで、脳髄だけが円筒の中に」
ユージ 「ああ、それもR的にいいなぁ……」
ケイ 「(ちょっとこちら側に戻ってきて)ひょっとしたら、ケルベロス的な展開も……」(←『R-TYPE 凵xエンディング〜『R-TYPE FINAL』)
GM 「だまらっしゃい!(笑) そんなことはつゆ知らず、リタちゃんははしゃぎっぱなしですけど」
ケイ 「『それじゃ、宇宙を……救ってくるね!』 何か渡したりもしません。必ず帰ってくると信じて、いつも通りに行ってきます」
GM/リタ 「では、リタの方は『うんっ! いってらっしゃーい!』と、手にあのR-9Aアロー・ヘッドの模型を持って、その手を振りながら見送ってくれます」
ケイ 「……決意を、固めます」
ゆっくりと、戦艦へと向かっていくケイ。
その後ろ姿を、リタは見えなくなるまでずっと、ずっと、手にしたアローヘッドのおもちゃとともに、見送り続けました。
ガリレイ 「……えー、では、ガリレイ君はですね、昼のうちに歓楽街とかの宝石店へ」
ユージ 「ほう!?」
テイトク 「なん、だと……!?」
GM 「ふむ、それはすぐに行けますね。『いらっしゃいませ! どのような品をお探しでしょうか?』」
ガリレイ 「『指輪を』」
GM 「ん!? オーダーメイドだと、だいぶ時間がかかるが……」
ガリレイ 「その時間はないですから、既製品を買いますよ。ウェーバー君、そつなくチェックしてますので、エレナさんの指のサイズくらい分かりますよね?」
GM 「ああ、分かるだろうな。事あるごとに手を取ってたし(笑)」
ケイ 「伏線だった!(笑)」
テイトク 「なんという……!」
ガリレイ 「では、ペアリングを買いまして、いわゆるあの箱(ドラマとかでプロポーズする時に指輪を入れてあるアレ)に入れて持っていきます」
指輪を購入し、宿へと戻ってきたガリレイ。
事実を知りながらも、ガリレイの説得で人としての意志、尊厳を保つことができたエレナは、今日もまた、普段通りに宿の仕事に勤めていました。
ガリレイ 「では、仕事をしているところに後ろから、『エレナさん』と声をかけます」
GM/エレナ 「すると(前にあんなことされましたので)ちょっと顔を赤らめつつ、『あ……。な、なんでしょう?』と振り返りますね」
ガリレイ 「『今日の夜、僕たちは出発します』」
GM/エレナ 「『……そう……です、か』」
ガリレイ 「『僕は、必ず帰ってきます』」
GM/エレナ 「……今までの状況からだと……すこし俯いて言いますね。『もう、逃げてとは……言っては、いけないんでしょうね』」
ガリレイ 「『……ここで逃げては、アレンさんに顔向けできませんから』」
亡き夫の名前を言われ、はっと顔を上げるエレナ。
ガリレイはそんなエレナの前で、先ほど買ってきた指輪の箱を取り出しました。
ガリレイ 「では、ここですっ、と箱を差し出して……」
GM 「すると、エレナさんは驚いていますが……」
ガリレイ 「『戻ってきたら……二人で開けましょう』」
※※※ 他PL(別名・外野負け組ザマァプギャー)がこのセリフと展開を聞いて、悶えて暴れ出したりしておりますが、それは全カットでお送りします ※※※
GM/エレナ 「すると箱を受けとり、胸の前でぎゅっと抱えるようにして、『はい……!』と答えますが……ああ、こりゃ、泣いちゃいますね……」
ガリレイ 「泣いてしまうなら、涙をそっと指で拭ってあげます」
GM/エレナ 「『帰って……きてください……』と、泣きながら、小さな声で呟いています」
ガリレイ 「『はい……これから。全部、これからです』……意気揚々と、出発します」
箱を抱きかかえたまま、エレナもまた、戦艦へと向かっていくガリレイをずっと、ずっと見送りました。
彼女が何を想い、「これから」の未来をどのように思い描いていたのか……それは、彼らが帰ってこられない限り、誰にも分かることはないでしょう。
ですが少なくとも、そうして見送る先。
より色濃くなり、街中に不安をあおっていく、夕日の光の中にありながらも。
彼女の目には、恐れなどありませんでした。
ガリレイ 「よし、これで思い残すことはない……!」
テイトク 「では、夜ですね。出港しましょう! あ、エーテリウムブースターはできてます?」
GM 「完璧ですね。整備班と技術者がしっかり作ってくれました」
テイトク 「あ、では、出撃前に艦長として、演説だけはさせてください」
出撃前。
慌ただしくR戦闘機の各装備のチェックや、艦内の整備に追われるパイロットや整備班員たち。
そんな彼らに語りかけるように、ヴァナルガンド級巡航艦の艦内放送のアラートが響き、皆が一時、作業の手を止めました。
どんな言葉が出てくるのかと、耳を傾ける一同……。
テイトク 「『野郎どもぉぉぉぉ!!』」
……その瞬間、艦内のほぼ全員がズッこけたと、航海記録には残されていたと言います。
一同 「野郎どもかいぃぃぃぃぃぃ!?」
ケイ 「女性もいますが(笑)」
テイトク 「『気にすんな野郎どもぉぉぉぉ! このザブングル突撃輸送兵団、ついに命を張る時が来た!』」
ユージ 「いつもだけどね?(笑)」
ガリレイ 「まぁ、ガリレイ君はいつになく真摯な態度で、でもどこか目をキラキラさせて聞いてますよ?(笑)」
ケイ 「ケイちゃんは、ちょっとビビってますけどね……」
それは、ケイだけのことではないでしょう。
これからどこへ向かうのか、何に挑もうとしているのか、艦内のクルーたちは十分に理解しています。
そんな彼らに対して。
テイトクから、贈る言葉は……。
BGM ステージ5.0(跳躍26次元)(R-TYPE FINAL)
テイトク 「『命令だ! 全員、生きて帰ってくること!!』」
一同 「……!」
テイトク 「『でなければ……拷問だ!!』 以上!」
GM/艦内スタッフ一同 「『ええええええええええ!?(笑)』」
ユージ 「『了解!』(笑)」
ガリレイ 「『おーぅ!』(笑)」
ケイ 「『……はい!!』」
テイトク 「『行くぞぉぉぉヒャッハーーーー!!』」
なんだかんだでいつものノリの艦長の言葉に、クルー一同はいつも通りの雰囲気を取り戻しました。
もはや心折れて逃げ出そうとするようなクルーは、この艦の中にはいないことでしょう。
ユージ 「では、遠ざかっていく港を、居住区を艦橋から眺めつつ……『ああ、あのあたりがエレナさんの宿か』と」
ケイ 「リッちゃんとか、見送りに来てないですかね?」
GM 「うん、港に来ていますね。動き出した巨大な巡航艦を、艦橋からはるか下から見送っていることでしょう」
艦橋を見上げ、見送るエレナとリタ。
そしてもちろん、港では作業を終えたばかりの技術者や、手伝いに駆り出されていたあの酒飲みのおっちゃんたちも、彼らの出港を見守っています。
その先頭で、手を一生懸命振って、笑顔で一同を見送るリタ。
その手には変わらず、R-9Aの玩具が握られていました。
ガリレイ 「……『宇宙戦艦ヤマト』の心境ですね」
ユージ 「それはもう、右腕をこうして……(右手を握り、左胸の前に置くポーズ)これですね!」
ザイオング慣性制御による重力制御で、宇宙港から滑るように出港したヴァナルガンド級戦艦。
コロニーが十分に離れたところで、全推進バーニアに点火し……全速前進で、歪み続ける宇宙、その座標を目指し出発します。
その姿を。
その決意を。
そっと、離れた場所……否。離れた次元から、見つめ続ける目があったことを。
神ならぬ身で、だれが気付けたというのでしょうか。