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05 それが、ヒトの生きる意志ならば
2191.03.05 PM11:38〜(海王星周辺宙域・琥珀色の宇宙)
BGM ステージ5.0(跳躍26次元)(R-TYPE FINAL)
トリトンYの周辺宙域を離脱し、ほどなくして。
ザブングル突撃輸送兵団が所有する旗艦・ヴァナルガンド級巡航艦は、問題の宙域……歪み続け、琥珀色に染まって広がっていくその空間を、有視界に捉えました。
GM 「では、皆さんの船は途中襲撃などを受けることもなく、問題の宙域に到達します」
テイトク 「はいよーぅ!!」
ユージ 「ここが正念場だよね……」
ガリレイ 「(冗談めいた口調で)『敵が多すぎて宇宙が黒く見えません!』とかね(笑)」
ユージ 「どこのガンバスターよ!(笑)」
テイトク 「グレンラガン呼べ、グレンラガン!(笑)」
GM 「…………(黙って下のMAPを用意)」
※ちなみに当日は、別のパターンの際には使う予定だったため、さらに同じくらいの長さのMAPが右端に繋がっていました
一同 「でけぇえええええええええ!?(汗)」
GM 「皆さんが歪みに近付くことで、異層次元にあるこの現象の中枢区域へと続く、亜空間回廊が発見できました。皆さんはこの回廊へと、左端から侵入できます」
ユージ 「これは……ある程度奥に侵入したら、艦には戻ってもらった方が……(汗)」
テイトク 「いや、それじゃ戦力的に厳しいだろう。最後まで援護するよ!」
ガリレイ 「まぁ、『TACU』だとほんとに戦艦が強いからなぁ(笑)」
テイトク 「くそー! むしろ輸送艦だったら、艦は後退しつつデコイでみんなと一緒に進軍できたのにー!」
そうして、巡航艦が回廊付近まで接近したその時。
回廊内の空間に、異変が起こります。
BGM ステージ3.0(巨大戦艦襲来)(R-TYPE FINAL)
GM 「ここにあなた方が到達した瞬間、回廊のあちこちの空間が歪んでいきます」
ユージ 「だよね〜、横スクロールシューティングとかではよくあるステージだよねぇええええ(汗)」
GM 「皆さんはMAPの左端、から出てきますよね? するとですね……そこ(左から3ヘクス目)から、そこ(MAP右端)まで」
テイトク 「……ん?(汗)」
GM 「見える範囲、すべてのヘクスに、あなた達も遭遇したことがない、開発レベル2のバイド機体が、また別の亜空間から出現します」
回廊のあちこちに、波紋のように次元振が走り……その中から、まるで水面から顔を出すかのように、禍々しい姿の機体たちが出現します。
その波紋は次々と広がっていき……そして、ふと気が付けば。
艦から見える空間は、すべてがバイドに占められていました。
テイトク 「…………ちょぉおおおおおおおおおおおお!?」
ガリレイ 「ま……じで……?」
ユージ 「こ、れ、は……!?」
GM 「(とてもとても素敵な笑顔で)最後に聞きましょう! どうしますか?」
テイトク 「こ、ここまで多いとは思わなかったぞ……!」
ケイ 「超逃げてぇえええええええ!(汗)」
ユージ 「艦首砲なんて、撃つヒマないよな……」
テイトク 「し、しかし! 相手の波動砲による、大量の同士討ちも狙えるはずだ!」
GM 「ああ、あとこの空間にはバイド素子が満ちていますので、バイドが活性化しています。動きが速いです」
バイド素子。バイドを構成し、そしてバイド汚染を広げる、謎の物質。
それに満ちたこの回廊は、自然光など届きもしないはずなのに、全体が淡く……琥珀色に、輝いていました。
その中を往くバイド機体は、尋常ではない機動性のみならず、そこにあるだけで威圧感を放ってきます……。
ガリレイ 「……それでも、敵の武器で一番命中率が高いのはチャージ武器で、命中率は+20くらい修正が入ったって120%だろ? やってやんよ!」
それでも。
ガリレイ 「ここで逃げたって、エレナさんの心は手に入らないんで!」
それなのに。
テイトク 「……ああ、やるか! うまく戦略を練れば、戦えないことはない!」
そうだとしても。
ユージ 「あの男に、見せてやるって言った約束も果たせないしね……! ウォー・ヘッド乗りとしては、ブチ抜くしかない!」
いや。
GM 「……本当に、逃げないと?」
ケイ 「……(こくり)」
そうだからこそ。
GM 「……分かりました」
彼らに、後退の様子はありませんでした。
そして、退かない彼らを見てか、バイド機体も一斉にその砲門を、彼らの方へと向けてきます。
その時。
BGM CaptivAte 〜浄化〜(Wiegenlied mix)(『beatmania UDX12 HAPPY SKY』サウンドトラックより)
GM 「すると……通信機に、ザザッ、と、いきなり着信が入りますね。街中で使っていた、コミュデバイスの方ですけど」
テイトク 「……お?」
GM 「ちなみに、そこ(ユージ)の、ね」
ユージ 「……! はい! はっとして、通信機を手に取ります!」
あり得ないはずでした。
このような空間で、通常の電波が、このデバイスに届くなど。
しかしはっきりと、コミュデバイスからは、声が聞こえてきたのです。
ここ数日、ユージが言葉を交わした、聞き覚えのある、あの青年画家の声が。
GM/ジョセフ? 「『……本当に、逃げなかったんだね……』」
ユージ 「『……ああ。当たり前だろ……!』」
GM/ジョセフ? 「『なら……(しばし黙考し)……ああ。やはり、これはフェアじゃないな』」
そのように、「彼」が呟いた直後。
ヴァナルカンド級の前方ではなく、今度は後方の空間に波紋が走ります。
GM 「あなた方の後方、歪んだところに現れるのは……巨大な機影です」
ガリレイ 「機影……!?」
GM 「一目見ただけでは、ヴァナルガンド級の数倍にも及び、あまりに巨大で認識しづらいでしょうが……それは、人型に見えなくもない(言いながら、下の画像を出す)」
ユージ 「うぉぉおおおおおおおおおおおおおおお!?(絶叫)」
テイトク 「ちょっ…………と、待てぇええええええええ!?」
この現世界側の人類は、このタイプの「バイド」にはほとんど遭遇したことがありません。
原作における、『TACU』の物語はこの世界では紡がれていないため……「彼ら」の帰還は、起きていないのです。
原作の歴史上では、この巨大な機影……いえ、艦影は、太陽系へと攻め入るバイドの大軍の、旗艦ともいうべき存在でした。
そして、その正体は、かつてこの太陽系を救ったあの英雄が、結果としてバイドと化した姿でした。
その名を……コンバイラ。
ですがもちろん、この時のザブングル突撃輸送兵団の面々には、それがあまりに巨大で、あまりに禍々しく、そして……それでいて、どこか神々しい、見知らぬ艦影にしか見えませんでした。
GM 「そして、そちら(謎の艦)の方から……いつの間にか通信機ではなく、頭の中へと、いや、精神へと伝播し呼びかける声が、あなた方全員に聞こえてきます」
ガリレイ 「……バイドは、精神にすら侵食する……!」
GM/ジョセフ? 「『そうだ、フェアじゃない。人間が生き残ろうというのなら……全力で、立ち向かうべきだ』」
テイトク 「まさに……あの初代提督の考え方だ!」
GM 「さらに、この艦の前に、先ほどのバイド機体たちが現れた時と同じように、細かに、細かに波紋が無数に走ります」
ケイ 「……仲間であってくれ……!」
祈りに、答えるかのように。
そこに現れた無数の機影は……。
BGM Jubilate(聖歌隊コンピレーションアルバム『Libera』より)
GM 「波紋の中から、現れたのはまず……R-9Aアロー・ヘッドが一機」
テイトク 「…………うん……」
GM 「その現れたアローヘッドは……どこか古ぼけて、まるで手垢で汚れているかのようです」
ケイ 「……まさか……!」
GM 「それに続くかのように、波紋は次々と現れ、広がっていきます。その中から……ミッドナイト・アイ、ストライダー、シューティング・スター、エクリプス……あなた達が見たこともないような機体も含めて、しかしそれぞれ戦いを潜り抜けてきたかのように傷付いたものもありますが……」
次々と現れたのは、R戦闘機たち。
傷付き、時には砕かれようとも……その戦う勇姿を見せつけてきた、人類の「生きる意志」の象徴。
その機体が、無数に、巨大な艦の前に並び立ちます。
ユージ 「これは……超、燃える……!」
GM/ジョセフ? 「『そうだ。人類は、生き残りたいというのなら……全力で抗わなくてはならない』と、声が呟きますと……これは分かる人にしか分からないと思うのですが、『R-TYPE 凵xの最終面で出現した、白い光の玉のようなもの……と言って分かりますか?」
テイトク 「ああ、分かった! あれか!」
GM 「すると、まずは……アロー・ヘッドの前にその光の玉が現れ、周囲を飛び回った後、ケイにしか見えませんが、その光が大きく輝き、無邪気に笑う女の子の顔が浮かんだように思えました。そして、声も……あなただけに聞こえます」
『あたし、いつかパパみたいなRセントウキノリになるのー!』
光の玉は、R-9Aアロー・ヘッドの中にそのまま吸い込まれていき……。
直後、人間の操縦では考えられないような軌道を描きつつ飛び立ちます。
GM 「そしてそのままアロー・ヘッドは、バイドの群れへと突っ込んでいき、バイド機体との戦いに突入します」
ケイ 「……リッ……ちゃん……」
GM 「他のR戦闘機にも、光の玉が現れては吸い込まれていき……これも人によっては、30代くらいの、娘を想う優しい女性の笑顔、街中で気さくに声をかけてくれる気のいいおっちゃんなど……見える顔は違っているでしょう。彼ら、彼女らの表情を一瞬見せた光は機体に宿り、それぞれがすさまじい機動で飛び立ち、バイドの群れを駆逐していきます」
テイトク 「おお……!」
この空間に満ちるバイド素子が、それを可能にしたというのでしょうか。
ならば、なぜこのR戦闘機たちは、バイド機体に立ち向かっていくのか。
いや、そもそも突如現れたこの機体たちは、本当にバイドではなく、R戦闘機なのか。
確かめる術は、今はありません。しかし確かに「彼ら」は、戦うのです。
この回廊に巣食うバイドのみならず。
この回廊が開いたことで、無数に通常空間へとあふれ出てトリトンYを目指そうとしていたバイドをも、「彼ら」は駆逐していきます。
戦うと決めて突き進んだ、PCたちの姿を見ているからこそ。
その姿を見送り、そしてコロニーに残った後も、彼らの「生きる意志」は、戦うことを恐れなどしません。
その意志を、「生きる意志」を、人類の武器を……謎の艦にいる「彼」は、具現化したに過ぎないのでしょう。
人類は……戦うのです。
GM/ジョセフ? 「『そうだ。戦う意志……。君たちが逃げないというのなら、逃げない意志を見せたのだから、彼らもそれに答えて意志をくれた』」
ユージ 「………………」
GM/ジョセフ? 「『そして……(ユージの方へ)君も、意志を示さねばならない。本当に人類は、逃げないのか。いや……もはや聞くまでもないのかな?』」
ユージ 「『……そうだ。あえて言葉にする必要なんてない。君はただ、見ていてくれればそれでいいんだ。僕たちの姿を、そこで見ていてくれ!:』」
GM/ジョセフ? 「『……その言葉を聞きたかった。では……あとは人類の意志に任せよう』」
そう言い残すと、巨大な艦影は静かに、また亜空間へと消えていきました。
そして、その艦の出現でまるで「萎縮」していたかのようだったバイドの群れもまた、再び臨戦態勢に入ります。
その数は、人々の意志を乗せたR戦闘機たち……「Rの意志」により、大きく減じていましたが。
GM 「では、戦闘状態に入りますが……あなたたちの機体ですが、まず、現れたR戦闘機の中から、開発レベル2まででしたら新たな機体に乗り換えることもできます」
テイトク 「おお? 艦船はあります?」
GM 「あります(笑)。さらにこの空間にはバイド素子のみならず、今は人々の意志が満ちている。この空間で戦う場合、あなた方は……(シナリオの記述とこれまでのプレイヤーたちのシナリオ内での功績をチェックして)……周囲のバイド素子ではなく、人々の意志の具現化により、燃料、ならびに弾薬の消費なしで戦うことができます」
一同 「おおっと!?」
ケイ 「……涙が……」
GM 「あと、シエスタのPOWアーマー改の前には、アウル・ライト重偵察型がハッチを開けて止まりますね。『おお? オススメってことッスかー?』とシエスタがびっくりしてますが」
テイトク 「敵の数と構成はどうですか!?」
GM 「ええと、まずは、と(一同に敵バイドのデータのプリントアウトを渡してから)ここにいるのはバイド・システムβ+フォースが4機、アンフィビアン……は、いなく、て……ジキタリウス+フォースが4機、Uロッチ、ストロバルト・ボマーが4機、ボルドが2機。ただしボルド1機はかなり後方にいます」
ガリレイ 「これはおそらく、GMの『亜空間ソナー使えよお前ら』という意志だと思うんで、乗り換えるべきなんじゃないかな?(笑)」
GM 「メタるな! そもそも、燃料も弾薬も減らないんだからPOWアーマー改にはやることがないだろう!?」
テイトク 「あ、じゃあこちらも亜空間バスターを装備してるニーズヘッグ級に乗り換えようか?」
ガリレイ 「なるほど。GMが亜空間突入可能なアンフィビアンがいないとかなんとか言いかけたのは、明らかにフラグでしょうしな(笑)」
ユージ 「あった方がいいと思うよ!」
ケイ 「異論はないです!」
ユージ 「あ、あと……あえて、光を放つウォー・ヘッドの方に乗り換えておきます! オーラファイター・ウォーヘッド!(笑)」
もはや、後退する選択肢はなし。
機体の変更は艦長がニーズヘッグ級に、シエスタがアウル・ライトに乗り換えた以外の乗り換えもなく。
中央突破体勢を整えつつ、ザブングル突撃輸送兵団の、ここまで来たら決して負けられない戦いが始まります……!
GM 「では、準備が出来たなら始めましょうか。……人類とバイド、どちらの生きる意志がここで勝るかを決める戦いを!!」
BGM 深紅(島谷ひとみ)